HOME記事キャラクターモデル『翠星のガルガンティア』よりMODEROIDで"チェインバー"が登場! 脚部の複雑な塗り分けを攻略するマスキング工程も掲載! 愛をもってキットの真価を引き出す!!

『翠星のガルガンティア』よりMODEROIDで”チェインバー”が登場! 脚部の複雑な塗り分けを攻略するマスキング工程も掲載! 愛をもってキットの真価を引き出す!!

2025.12.17

チェインバー【グッドスマイルカンパニー】●ken16w 月刊ホビージャパン2026年1月号(11月25日発売)

ken16w製作「チェインバー」特撮

全塗装とデカール貼りでキットの真価を引き出す

 はるか未来、銀河同盟軍のパイロット、レド少尉と愛機のチェインバーは、戦争のさなかに辿り着いた地球の変貌ぶりに驚きながらも、そこでたくましく暮らす人類と自然に少しずつ感化されていく…。名作TVアニメ『翠星のガルガンティア』(2013)より、主役メカ・チェインバーがMODEROID化。キットは、評価の高い同社製完成品トイ「フルアクションモデル チェインバー」の設計を基にプラモデルとして再構築されており、造形や可動性能は折り紙付き。唯一のネックはその複雑なカラーリングだが、今回はその攻略の糸口をken16wに解説してもらった。

ken16w製作「チェインバー」
▲チェインバーは、銀河同盟軍の量産型マシンキャリバーで、レド機のナンバーはK-6821。宇宙生命体ヒディアーズ殲滅戦時のトラブルにより地球に漂着した。少々融通の利かない部分はあるものの、高性能な会話型支援AIを搭載しており、文化の異なるレドと地球に暮らす人々とのコミュニケーションをサポートした
ken16w製作「チェインバー」背面
ken16w製作「チェインバー」頭部アップ横
▲劇中ではっきり描写されている機体各部のマーキング。すべて付属の水転写式デカールで再現できる
ken16w製作「チェインバー」顔アップ
▲頭部のツインアイと腹部ビーム砲(トップ画像参照)をクリアーパーツ化、電飾を仕込んだ
ken16w製作「チェインバー」製作途中頭部
ken16w製作「チェインバー」製作途中ツインアイ

▲ツインアイはフェイスパーツと一体成型されているので、パーツごとプラスチック粘土「おゆまる」で型取り、UVクリアーレジンで複製して透明化。目の部分はクリアーグリーンを塗り、フェイス部はホワイトを塗って遮光した

ken16w製作「チェインバー」製作途中基盤埋め込み
ken16w製作「チェインバー」製作途中LED埋め込み

▲腹部ビーム砲をくりぬき、クリアープラ棒に置き換え。電飾にはビットトレードワン・磁気スイッチ付きLEDモジュールを採用。胴体の背面スペースをリューターで削って基盤を押し込んだ

ken16w製作「チェインバー」武装類
▲付属品一覧。劇中中盤〜最終決戦で使用した装備が同梱される
ken16w製作「チェインバー」武装フル装備
▲ビームライフルを右手に、左手にはガトリングガンを、5連装ミサイルランチャー×2を脚部に装着したフル装備形態
ken16w製作「チェインバー」クリアパーツエフェクト
▲飛行エフェクトはクリアーパーツ製。あらかじめクリアーグリーンで塗装されているが、クリアーパープルに塗ってみてもいいだろう
ken16w製作「チェインバー」大型槍ピニオンハルバード
▲対クジライカ用にピニオンが製作した大型槍・ピニオンハルバード。複雑な四つ叉の刃先が忠実に造形されている
ken16w製作「チェインバー」コクピット分離
▲頭部コックピットブロックが分離可能。物語クライマックスでの強制的にレドを脱出させるシーンを追想できるのだ。「くたばれ、ブリキ野郎」
ken16w製作「チェインバー」ヒザ立ち
▲股関節の可動範囲はなかなかのもの。二重関節のヒザも深く曲げることができる
MODEROIDO「チェインバー」デカール
▲こちらが付属のデカール。デカール番号はなんと81まである! とはいえ詳細なデカール貼り付け指示も明示されているので、じっくりと取り組もう
ken16w製作「チェインバー」製作途中ハンドパーツ
▲キットの握ったハンドパーツ(写真左側)は親指がめり込んでいるのが気になったので、エポパテで親指を製作して立体的に加工(写真右側)

このマスキングと塗装順のすべてが、
あなたに可能性をもたらすだろう

ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明1
▲まずはヒザ周囲の塗装。ヒザ関節がはさみ込み式なので、組み込んだ状態で合わせ目を消してサーフェイサーを吹いた
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明2
▲まずは、黒の上からでは発色しにくい白から先に吹いていく
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明3
▲ヒザ関節周辺の黒をマスキングで塗り分けた。これでヒザ関節の塗装は完了
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明4
▲次はスネの塗装に移る。先に塗り分けた部分をマスキングテープで保護し、ヒザ周囲の装甲パーツB1、B2を組み込んで合わせ目を消し、サフを吹く
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明5
▲スネ全体に白を吹いたら、白を残す部分をマスキング
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明6
▲黒を吹く
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明7
▲マスキングを剥がしたところ
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明8
▲次はオレンジの塗り分け。パーツのモールドを無視したラインで塗り分けされているので、設定画や組立説明書を注視しながらマスキング
ken16w製作「チェインバー」マスキング塗装説明9
▲スネをきれいに塗り分けられた
ken16w製作「チェインバー」素組み比較
▲キット素組み(写真左)と作例。ご覧の通り顔など一部は塗装済パーツが用意されているものの、デカール未使用では物足りない印象。とはいえ造形は申し分ない出来なので、ファンならば愛をもって仕上げてあげたい

『翠星のガルガンティア』屈指の人気キャラ、チェインバーを製作しました。搭載AIの音声を杉田智和氏が当てており、劇中でのAI然とした冷静沈着で論理的な受け答えや、人間とのやり取りの中にあるズレ、徐々に人間味が増してくる感じなどなど、セリフに愛くるしさがあって良いんですよね。
 個人的に大好きな作品で、過去のキット類はひと通り作っているのですが、ここに来てMODEROIDシリーズで発売されるとは、人気の高さがうかがい知れますね。キットはプロポーション良好、過剰とも言えるパーツ分割により素晴らしい精度を誇っており、細かいディテールは目を見張るほど。が、それでも補い切れないほど設定は複雑なカラーリングをしているんですよね…。外形はいじるところが見当たらないので、丁寧な工作を心がけ、はさみ込みパーツの塗り分けの対策や、普段やらないツインアイの電飾化による発光に挑戦したいと思います。
■製作
 みなさんがこのキットを製作するにあたり、もっとも気がかりなのはカラーリングとその塗装だと思います。今回は頭部、肩、太モモの白いライン部はキットのデカールを使用し、その他はマスキングによる塗り分けで仕上げました。
 キットのデカールは強度もあり貼りやすく、曲面部に貼る際は濡らした綿棒をヘアーアイロンで熱し、それをデカールに当ててパーツに馴染ませました。これは私が主に行うやり方で、デカールを段差や曲面に馴染ませるのに欠かせない方法です。
 太モモやスネははさみ込みになっています、先に太モモの整形を済ませてから塗装、マスキングしてスネの整形→塗装と、少し手間ではありますが、じっくり時間をかけて作業すれば難しいことはないと思います。ホワイト→ブラック→オレンジの順で塗装すると発色よく塗り分けのラインを出すことができます。
 各部にある細いグリーンのラインは、水性ホビーカラーのペールグリーンとみず色を1:1で混色したもので筆塗りし、乾燥後にはみ出た部分を台所用洗剤で抜き取っています。
 デカール前に一度光沢のクリアーでコートし、デカール貼り、グリーンのラインをマスキングした後、ツヤ消しトップコートを吹いて完成です。
■カラーレシピ
ブラック=ガイアカラー Ex-ブラック 60%+同ニュートラルグレーⅤ 30%+同純色バイオレット 10%
ホワイト=ガイアカラー Ex-ホワイト
オレンジ=バーチャロンカラー ビビッドオレンジ
武器=ガイアカラー NATOブラック
武器シルバー=ガイアカラー ブレードシルバー

ken16w製作「チェインバー」

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”

チェインバー

製作・文/ken16w

MODEROID チェインバー
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7500円、発売中●約15cm●プラキット


\この記事が気に入った方はこちらもチェック!!/

 レッドファイブ 

ザンネンとは言わせない!「MODEROID レッドファイブ」をCGモデルを参考にプロポーションと細部モールドを再現し、ディテールアップ!【銀河機攻隊マジェスティックプリンス】

チームラビッツのザンネンリーダー!! 『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』より、チームラビッツのザンネンリーダーことヒタチ・イズルが駆る「レッドファイブ」がMODEROID[…]

©オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会

この記事が気に入ったらシェアしてください!

ken16w(ケンイチロウ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2026年1月号

ご購入はこちら

MODEROID メカモデリングカンパニー

ご購入はこちら

ホビージャパンエクストラ 特集:アニメーター・大張正己 “バリってる”造形の魅力

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー