HOME記事キャラクターモデル『巡航追撃機 ブラスティー』キットPLAMAX「ブラスティー」を形状調整や塗装で当時の読者が作りたかった姿に近づける!【サンライズメカニック列伝】

『巡航追撃機 ブラスティー』キットPLAMAX「ブラスティー」を形状調整や塗装で当時の読者が作りたかった姿に近づける!【サンライズメカニック列伝】

2025.12.12

サンライズ・メカニック列伝 第76回/SPEX-07 ブラスティー【マックスファクトリー】●田仲正樹 月刊ホビージャパン2026年1月号(11月25日発売)

田仲正樹製作「ブラスティー」特撮

SPEX-07 ブラスティー
(『クルーズチェイサー ブラスティー』より)

 サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は月刊ホビージャパンにて1986年8月号から1988年5月号まで小説と模型作例の連動企画として連載された『巡航追撃機(クルーズチェイサー)ブラスティー』から、主人公メカ「ブラスティー」の作例をお届けしよう!
 西暦2118年。80年前の核戦争で荒廃した地球は太陽系国家の警備機関「監察庁」の管轄下にあり、人々は画一化された生活を強いられていた。すべてを管理する監察庁に不満を抱くハイ・スクールの学生、フレディ・沢木は、ある日突然公園に降下してきたブラスティーと、そのパイロットである謎の美女クリスティに出会う。人型のスペシャルフォーム(当時の記述では高機動フォーメーション)への可変機構と恒星間航行システムを備えたブラスティーは、ある目的のために監察庁が極秘で開発したクルーズチェイサーだった。クリスティは失われた記憶を、フレディは未知の世界への冒険を求め、月面都市を、火星を、そしてアルファ・ケンタウリを目指し、今、地球を離れブラスティーが旅立つ…!
 月刊ホビージャパンベテラン読者諸氏が38年の永きにわたり発売を待ち望んだプラキットの作例は、「『ブラスティー』には愛憎入り混じった感情を抱いていた」という田仲正樹が製作。キットを「当時のHJ読者が作りたかったであろう形」により近づけるべく、月刊ホビージャパン掲載のカラー設定と連載当時の作例を参考に各部のボリュームや形状を調整。また、変形時における破損のリスクを低減させるための提案も盛り込み、かつての心残りに決着を付ける1作として完成させている。

田仲正樹製作「ブラスティー」

[製作途中状態]

田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中
田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中後ろ

 PLAMAX ブラスティーは全体が刷新された新規設定を基に開発・設計された、「Ver. PLAMAX」ともいうべきアイテム。一方で本作例は当コーナーの「原典の設定画や劇中の作画を尊重し、最大公約数的イメージを再現する」というコンセプトに則り、月刊ホビージャパン1987年5月号掲載のカラー設定(2024年11月号の別冊付録にも再録)と、連載の中心的存在であった千葉延雄氏によるスクラッチ作例を参考に、各部のボリューム、形状、ディテールを変更したもの。またモード変更時におけるパーツへの負荷の軽減策なども遺漏なく織り込まれている。読者諸氏におかれては、各自が長年温めてきた理想の形状のブラスティーを完成させるべく、本記事を参考に製作に励んでいただきたい。

[頭部]

田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中頭部
「ブラスティー」素組み頭部
田仲正樹製作「ブラスティー」頭部

 側頭部と後頭部にプラ板を接着して削り出し、後頭部のプレートはフィン状に削り込んで、ボリューム感や形状を設定画に近付けている。額の前面は凹モールドをプラ板で埋めて面一に加工。左側面のアンテナはフチを削り込んで薄く見せている。

[胴体]

田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中胴体1
田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中胴体2
田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中胴体3
田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中胴体4
田仲正樹製作「ブラスティー」製作途中胴体5
田仲正樹製作「ブラスティー」キャノピーアップ
「ブラスティー」素組み首後ろ
田仲正樹製作「ブラスティー」首後ろ
「ブラスティー」素組み胴体
田仲正樹製作「ブラスティー」胴体
「ブラスティー」素組み背面
田仲正樹製作「ブラスティー」背面

 頭部後方の装甲は適当な板状パーツでシンプルな形状に作り直し。腹部はディテールを整理し、腰部は腹部からつながる部分と前面、側面の形状を設定画風に変更。腰前面のポイント・デフレクターのモールドは削り取り、市販のバーニアパーツと0.8mm径の真鍮線を曲げた保護バーを配した。ただし「腰周辺を設定画風に作り直すのは想像以上に難しいのでなるべく避けたほうがよい」とのこと。背部甲板左の構造物も設定画風に形状変更している。搭乗者のフィギュアは極限まで簡略化されているため、頭部を旧HGのガンダムEz8に付属のシロー・アマダのものにすげ替えた。主推進器のラウンドグローブは形状もパーツ分割も申し分ないため面出しとエッジのシャープ化を行ったのみ。かなりの重量となるので、強度を落とさない程度に見えなくなる部分の肉抜きを行うといいだろう。

田仲正樹製作「ブラスティー」ポージング例

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©サンライズ

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田仲正樹(タナカマサキ)

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