HOME記事その他【ハゥトゥビルドMAX渡辺】カラーバランスと塗装膜剥がし 「トライアスロン専用バイクS Works SHIVをフルペイントする」その③

【ハゥトゥビルドMAX渡辺】カラーバランスと塗装膜剥がし
「トライアスロン専用バイクS Works SHIVをフルペイントする」その③

2025.11.14

HOW TO BUILD MAX渡辺●MAX渡辺 月刊ホビージャパン2025年8月号(6月25日発売)

MAXコラム3サムネ

プロモデラー・MAX 渡辺流、ミドルエイジのココロとカラダ作り。

トライアスロン専用バイクS Works SHIVをフルペイントする③

数日の後、

諸岡:「おまたせしました。作業中にパカっと思いついたのでこんな感じで組んでみました。企業ロゴ風ですね♪ 上手くまとまった気がします。」
MAX:「カッチョイイっすね♪♪ ほぼほぼ決まりですかね♪ カクカクして無骨でぶっちゃけカッコ悪いバイクなのにやたらカッコよくなっちゃって戸惑ってますよwww」
諸岡:「面が広く、キャンパスとしてデカイのでかなりポテンシャルがある車両だと思います! コレがほっそいクロモリパイプフレームだと私の出番無いですし(笑)」
MAX:「うん、キャンバス大事だよねぇ。平面上の位置と配置が決まったのでココからは実際の塗料のバランスのハナシになりますね♪ 青と金の相性、赤と合うのはどの辺りの色? みたいなトコ、突き詰めたいですね。」
諸岡:「はい、ココからが本番です。コチラの工房への持ち込みまでに気づいた点や気になる所があればおっしゃってください。いくらでも調整入れますんで。私はこれから持込当日にお見せするカラーサンプル作っていきますね。」
諸岡:「こちらからの提案、カラーサンプルに対して最終的にどういう風に色調整を加えたいか希望をお聞きできればと思っています。もっと赤く~とかもっと黄色く~とかメタリック強めで~とかザックリで大丈夫です。」
MAX:「実はそこで決まりますよねぇ♪ ドキドキ♥ 緊張してきた(汗)」
諸岡:「私は鮮やかさを失わないくらいの基本的な構成を提案しますので、あとは好みをぶつけてください。全色ギラギラメタリックでとっ散らかってぼやけてるのが好きな方もいらっしゃいますし、全色ソリッドでメタもパールもいらない地味なのが好きな人もいますw バランスよく配色するとビシッと決まると思います。」
MAX:「いよいよ正念場だね。いろいろ教えてくださいね♪」

 PC画面上で決められ、確認出来ることには自ずと限界がある。
 まさにココからが本番。実際に塗る色を決めていく工程だ。塗料ボトル缶を覗き込んでも塗ってどう見えるかは判断できない。
 諸岡は想定、提案する塗料を実際に塗ったカラーチップを多数持参してくれた。コレらを比較しながら絞り込んでいく。もちろんパッと見、好みの良い色であっても、簡単には決まらない。隣り合わせる色との相性が良くなければ再考しなくてはならないからだ。やはりバランスが大事なのだ。さらに言うとカラーチップでの確認にも限界はある。カラーチップの面積で分かることは色同士の相性だけだからだ。実際に塗られる塗面の広さ、カタチによって印象は微妙に、時に大きく変わってしまう。カバー出来るのは多くの経験に基づき培われた「勘」だけだろう。

カラーチップ
カラーチップで色合わせ中

▲レイアウトに続いては実際にカラーリングする塗料の色合わせ。使用する色同士の相性をカラーチップ等を参考に決めていく

………………………………………………

諸岡:「すべての色確認が終わり、確定したならば、いよいよ実作業に突入します。マスキングデータはデザインと同時にある程度仕上げてるので、あとは現物合わせして貼り込み、実際に塗っていきます。」
MAX:「ドキドキ♥ ワクワク」

………………………………………………

諸岡:「実作業としてはブツの塗装膜をはがすところからスタートです。」
MAX:「上塗りではなく剥がすんですか!! ((((;゚Д゚)))))))」
諸:「自転車は通常全く※足付けされていないので、できる限り剥がします。多少は旧塗膜が残るのですが、それもごく僅かだと思います。」

 注※ 「足付け」とは塗装業界用語 粗めのサンドペーパーなどで母材の表面を荒らし、塗料の食いつきを向上させる行為。粗ければ食いつきは向上するが、塗装後の表面に研ぎ目が残るので色入れ前は通常400番~600番程度で行っている。サフェイサーの前などは180番~240番程度(すべてウレタン塗料での施工が前提)。

MAX:「専用の剥離剤があるんですか?」
諸岡:「MAXさん何言ってるんですかw もちろん手研ぎですよ(笑)」
MAX:「!! 生地のカーボンが露出する直前で寸止めするんですね!!」
諸岡:「腕の見せ所ですし、お値段お高くなる理由もここらへんです(笑)」

諸岡氏によるカラーリングとロゴのデザイン案左側面
諸岡氏によるカラーリングとロゴのデザイン案右側面

▲諸岡氏によるカラーリングとロゴのデザイン案。ロゴのサイズや配置には、幅の広い特徴的なフレームが存分に活かされている

つづく


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