【宇宙戦艦ヤマト メカニクス】第12回はデザリアムの移動要塞「自動惑星ゴルバ」!歴史修正計画遂行のために派遣されたゴルバの性能とは…!?『宇宙戦艦ヤマト2205』
2025.10.23宇宙戦艦ヤマト メカニクス
『宇宙戦艦ヤマト2199』から『ヤマトよ永遠に REBEL3199』までのリメイク版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する戦艦などのメカニックを解説する連載。第12回はデザリアムの移動要塞、自動惑星ゴルバ。2205版および3199登場版の2種を合わせて解説していく。
解説/皆川ゆか
第12回:自動惑星ゴルバ
● 諸元・性能
全高:10km
艦載機:襲撃戦闘機カタピラス多数
*内部に殲滅多脚戦車ガーム・ビゥを多数搭載する。
● 砲熕兵器
超大型重力場収束式ベータ砲
大口径重核子ベータ砲×8(主砲)
*他、対空・対艦ミサイル、重核子ベータ砲、重核子アルファ砲をはじめとする防御兵装を多数備える。
「歴史修正計画」で派遣されたゴルバ
デザリアムの新都制圧後、地球軌道上には合計6基のゴルバが展開。このうちゴルバ・エナムは〈イスカンダルの欠片〉回収のためイカルス天文台へ向かい、ヤマトの波動カートリッジ弾によって撃破された。
位相変換装甲
ゴルバの位相変換装甲はヤマトの波動砲と同等の威力を持つデスラー砲をも無力化した。位相変換装甲はデザリアムの装甲全般に使用されているが、エネルギーの出力により相殺可能なレベルに隔たりがある。
キャプチャーフィールド
キャプチャーフィールドを使用することで亜空間と通常空間を結ぶことが可能。亜空間を移動中の存在を探知して捕獲し、艦内へ収容することもできる。
自動惑星ゴルバはデザリアムの移動要塞として2205年の大マゼラン銀河、グランドリバースとともに2207年の太陽系へ「歴史修正計画」の遂行のために派遣された。
移動司令部としての役割に加え、ゴルバは天体の牽引・移動機能も持ち、2205年の派遣(イスカンダル事変)においてイスカンダル移送を行っている。
ゴルバは側部に備えた大型天体操作フィールド発生器4基と、底部にあるパドル状の天体牽引/射出フィールド発生器5基を用いてフィールドを展開し、対象天体を包み込む。このフィールドにより天体は慣性制御され、ゴルバが作り出す重力場傾斜に向けて自由落下する形で移動する。これらのフィールド発生器は、ゴルバ周囲の任意の空間の重力を制御し、「重力乱流効果」をもたらすことも可能で、攻撃としても利用される。
加えて、ゴルバは天体操作フィールドで包んだ対象をワープさせる能力も有する。ただし、その際には本体のエネルギー出力だけでは不十分なため、エネルギー供給の外部ユニットとしてデザリアム・ハンマーを使用する。デザリアム・ハンマーは、必要に応じて対象天体付近の別の天体を破壊し、これをエネルギー資源化してゴルバへ転送する役割を担う。
また、ゴルバは戦艦の規模を大きく上回る攻撃力を持つ。
主砲として備える8基の大口径重核子ベータ砲は、ヒアデス級やプレアデス級、同改級に搭載された重核子ベータ砲を大口径化したものである。
底部には重力場収束式超大型ベータ砲が搭載されている。この砲は、天体牽引/射出フィールド発生器を展開して射線軸に重力傾斜を発生させ、エネルギー弾を発射する。この重力傾斜はエネルギー弾を加速し続けながら、射線軸外へのエネルギー放出を抑える砲身として機能。威力は波動砲に劣るが、連射が可能であり、デザリアムの戦略兵器のひとつとなっている。その他にも、多数の対空・対艦ミサイル、重核子ベータ砲、重核子アルファ砲などの防御兵装を備える。
移動要塞としてゴルバを特徴づけるのはその攻撃力以上に、位相変換装甲を用いた防御機能である。位相変換装甲は衝突するエネルギー波に対して逆相波を発生させて波そのものを打ち消すシステムであり、装甲表面にフィールドを展開するミゴヴェザー・コーティングや波動防壁(ゲシュ=タム・ウォール)とは根本的に異なる。このメカニズムにより衝突したエネルギーは量子的ゆらぎとしてこの次元から放出され、天体の移送さえも可能な大出力を利用したゴルバの位相変換装甲は、陽電子ビームだけでなく、波動砲によって生じる莫大なエネルギーをも打ち消すことが可能となっている。また、この特性を利用して電磁波を相殺することで、ゴルバは船体を完全にステルス状態にすることもできる。
事実上、波動砲の威力をも無効化するゴルバ攻略は防衛軍の対デザリアム戦略の要と見做され、イスカンダル事変での遭遇後、真田志郎二等宙佐による波動カートリッジ弾の開発が進められることとなった。
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