2025 MotoGP™ 日本グランプリ フォトレポート
2025.10.069月26日(金)~28日(日)にかけて2025 FIM Moto GP™ 世界選手権シリーズ第17戦 MOTUL 日本グランプリがモビリティリゾートもてぎで開催された。世界最高峰の2輪レースということで、国内のみならず、世界中のレースファンが会場に駆け付け、手に汗握るド迫力のレースに酔いしれた。
MotoGP™日本グランプリの主役は、今期圧倒的な速さで11勝を挙げている#93マルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)だ。ポイントスタンディングで2番手につける#73アレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP™、Ducati)に前戦終了時点で185ポイントもの差をつけており、今回のレースで最高峰クラス7度目のタイトルを獲得する可能性が高く、その走りに注目が集まった。
(取材/夏目健司、写真/大西としや)
プラクティス・予選
ウィーク初日のフリープラクティスのトップは#63フランチェスコ・バニャイヤ(Ducati Lenovo Team)で、マルクは3番手。弟のアレックスは15番手と精彩を欠いた。予選Q1、Q2を振り分けるプラクティスでは、トップに#72マルコ・ベッツェッキ(Aprilia Racing)、2番手に#37ペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)が続く。マルクはここでも3番手につけ、アレックスは15番手でQ1からQ2進出を目指す。
予選最速タイムを記録したのは、フリープラクティスで好調な走りを見せたバニャイヤ。2番手にホンダの#36Joan Mir(Honda HRC Castrol)が続き、マルクがまたも3番手。そしてアレックスはQ2に進出し、8番手のタイムで予選を終えた。
チャンピオン争い同様、今回のレースの見どころが日本人ライダーの走りだった。MotoGP™クラスに参戦している#79小椋藍(Trackhouse MotoGP™ Team、Aprilia)はQ1からQ2への進出を目指すが、わずかに及ばず13番手。スポット参戦の#30中上貴晶(Honda HRC Test Team)は20番手という結果となった。
スプリント
決勝の前哨戦となるMotoGP™Tissot Sprint(12周)では、ポールスタートのバニャイヤがスタートから一気に後続を引き離す。その後方では2024年度チャンピオンで、今期ケガに苦しめられる#1 ホルヘ・マルティン(Aprilia Racing)とチームメイトのベッツェッキが接触して早々に戦線を離脱。このクラッシュによってマルティンは鎖骨を骨折し、決勝を欠場することになった。レース序盤、マルクはアコスタに先行を許し、4番手で走行する。バニャイヤはその後も順調にラップを重ね、2番手以降との差を開いていく。レースが中盤を過ぎると、マルクが3番手を走るミルをパスし、やがてアコスタをもかわして2番手に浮上。しかしマルクの追い上げもここまでで、序盤に独走状態を築き上げたバニャイヤがポールトゥフィニッシュを決めた。日本勢では小椋が9位に入ってポイントを獲得。中上は14位。
決勝:MotoGPクラス
前日のMotoGP™Tissot Sprintで好調な走りを見せたバニャイヤがホールショットを決め、2番手にアコスタ、3番手ミル、マルクは4番手で1コーナーへと飛び込んでいく。バニャイヤは前日同様序盤から逃げを打ち、独走状態を築き上げていく。その後方ではマルクがミルをパスすると、7周目にはペースの上がらないアコスタをかわして2番手に浮上する。アコスタはその後さらにペースを落としてミルにも先行を許し、表彰台圏外にドロップした。
順調にラップを重ねるバニャイヤだったが、レース中盤、マシンから白煙が見え始める。そのためか、一時は圧倒的な差に思えたマルクとのディスタンスが、周を重ねるごとに徐々に縮まっていく。だがバニャイヤも、決して完璧な状態には見えないマシンで懸命な走りを続け、前日同様ポールトゥウィンを決めた。マルクはバニャイヤから4秒ほど遅れて2位でゴールし、7度目のタイトルが確定した。ミルが3位でチェッカーを受け、4年ぶりの表彰台を獲得した。ランキング2番手のアレックスは6位でフィニッシュ。クールダウンラップでは兄のもとに駆け寄って、お互いの健闘を称え合った。日本勢では小椋が前戦でのケガの状況が悪化したため決勝を欠場。中上は転倒リタイヤとなった。
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