いよいよ明日公開『牙狼<GARO>TAIGA』! 北田祥一郎(冴島大河役)×雨宮慶太(原作・脚本・監督)対談インタビュー!
2025.10.16牙狼<GARO>TAIGA
北田祥一郎●冴島大河役
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雨宮慶太●監督
インタビュー
今年で20周年を迎えた牙狼<GARO>シリーズの最新映画がまもなくスクリーンに登場。第1作『牙狼<GARO>』の主人公・冴島鋼牙の父で、これまでシリーズで活躍してきた冴島大河の若き日の戦いが描き出される。大河役の北田祥一郎、シリーズの生みの親で原作・脚本・監督の雨宮慶太が、本作の舞台裏を明かす。

北田祥一郎(きただ しょういちろう)
冴島大河 役
■PROFILE
1997年11月3日生まれ。大阪府出身。サンミュージックブレーン所属。九州発のエンターテインメント集団「10神ACTOR」のメンバーとしてデビュー。主な出演作にTVドラマ『雨上がりの僕らについて』、『松本梨香40周年記念特別公演「ナビゲーション」』、舞台『こりゃもてんばい』他。

雨宮慶太(あめみや けいた)
原作・脚本・監督
■PROFILE
1959年8月24日生まれ。千葉県出身。有限会社クラウド代表。オリジナルビデオ『未来忍者 慶雲機忍外伝』で監督デビュー。主な監督作にTV『鳥人戦隊ジェットマン』、映画『ゼイラム』、『仮面ライダーZO』他。『牙狼<GARO>』シリーズには、原作者・総監督として携わっている。
キャスティングの決め手はデザイン画?
──北田さんが大河役に決まったと聞いたときの心境をお聞かせください。
北田 僕と吹奇役の神嶋(里花)さんのふたりでオーディションを受けたんですが、面談のときに「このふたりでいいんじゃない?」みたいなことを、雨宮監督や東北新社の方、キャスティングの方がおっしゃっていたんです。そのときは「おお、マジか!」とビックリしつつも、「いや、まだ決まったわけじゃない」という気持ちもあって。後日マネージャーさんから「決まりましたよ」と連絡を受けたときは、嬉しさよりも「あ、本当に決まったんだ!」という驚きのほうが大きかったですね。
雨宮 僕たちとしてはオーディションのつもりではなく、北田くんと神嶋さんに決める前提で、一度面談をして確認している感覚でした。
──雨宮監督が北田さんに大河役をお願いした決め手はなんですか?
雨宮 決め手というかなんというか、見てもらえればわかるけど、僕が描いたデザイン画に北田くんが一番似ていたんです。
──本当に似ていますね! 北田さんとお会いになる前に描かれていたんですよね?
雨宮 もちろん、全然前ですよ。この絵を描いてから、いろいろな方にオファーをしたんですが、全滅してしまったんです。トム・クルーズとか、キアヌ・リーブスとか(笑)。
北田 (笑)。
雨宮 それで「じゃあ、デザイン画に似ている人を探そう」と、キャスティングとか制作のスタッフが頑張って、その中で一番似ていたのが北田くんだった。小西(遼生・『牙狼<GARO>』冴島鋼牙役)のときもそういう感じだったんですよ。今回だと瀬戸(利樹)くんの蛇道もそうですね。
──たしかに、蛇道のデザイン画も瀬戸さんそっくりです。
雨宮 似ているでしょう? キャスティングが決まった後に描いたみたいだもんね。瀬戸くんにキャスティングの理由を聞かれたときにも、「デザイン画が瀬戸くんに似ていたから」と答えました。
──(笑)。北田さんは本作が『牙狼<GARO>』初出演で、初の主演映画だそうですね。
北田 映像のお芝居はあまり経験がなくて、映画出演自体も自主制作の作品に出演したことがあるくらいでした。セリフがひと言とかしかないときもあったので、初めて本格的な映画で主演をやらせていただくのは、まだ信じられないです(笑)。本当にありがたいなと思っています。
──今回北田さんが演じた冴島大河は『牙狼<GARO>』や、過去の作品では渡辺裕之さんが演じていた人物ですね。北田さんは過去のシリーズをご覧になりましたか?
北田 『牙狼<GARO>』は以前から名前だけ知っていて、作品を観たことはなかったんですが、オーディションを受ける前と撮影前のアクション練習の期間で一通り拝見しました。大人の特撮という印象で、僕が小さい頃に観ていた『(百獣戦隊)ガオレンジャー』とかとはタッチが違うなと思いました。最初のシリーズ(『牙狼<GARO>』)に、渡辺裕之さんが演じられている大河がメインの回(第12話「大河」)があるんですが、それを観たときに感じた大河は強くて、かっこよくて、優しい人物でした。そんな僕が受けた大河の人物像を、今回の映画を観た人にも感じてもらえたらいいなと、撮影中は意識していました。
──雨宮監督は演出などで渡辺さんが演じる大河を意識した部分はありますか?
雨宮 いや、何もしていないですね。他の人がこの映画の監督をやっていたとしたら、過去に撮られた大河を紐解き、スタッフと共有して……という仕事の仕方をしていたと思うんですが、僕が大河を撮った当事者なので、普通に撮ればよかったんです。役者やスタッフに「前の『牙狼<GARO>』を観ろ」と言っちゃうと、いろいろなものが小さくなってしまうし、それで濁るのがすごく嫌だったから、一切言っていないです。何なら『牙狼<GARO>』をまったく観なくても大丈夫なくらいだった(笑)。僕としては「牙狼<GARO>」を撮っているけど、あんまり「牙狼<GARO>」じゃない気分で撮っていましたね。そうしないと、たった4カ月の準備で現場にいるという現実を思い出してしまうので(笑)。まず映画になるかどうかというのが、僕の一番のテーマでした。
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