『ウルトラマン』他 桜井浩子氏、『仮面ライダー響鬼』渋江譲二氏、『牙狼<GARO>TAIGA』雨宮慶太監督登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル92】
2025.10.10前ページ:『仮面ライダー響鬼』渋江譲二氏のトークショーレポート!
『牙狼<GARO> TAIGA』原作・総監督 雨宮慶太氏トークショー
最後は「牙狼<GARO>」シリーズで知られる雨宮慶太監督が登場! まもなく公開される最新映画『牙狼<GARO> TAIGA』の話題を中心にトークが展開された。
雨宮監督といえば、「牙狼<GARO>」シリーズ制作のために描かれた設定画やイラスト、制作過程で生まれた資料等の原画が展示された『牙狼画展』が今年8月~9月にかけて開催されていた。膨大な展示であったが、「展示したのは手元にある1/3もないくらいかな。探すともっとあるかもしれない」とのこと。監督がシリーズの設定画を描き始めたのは第1作オンエアの5、6年前だそう。
非常に緻密に描き込まれた絵コンテについて聞かれると「あれは最初の頃ですね。なんであんなに描き込んでいたかっていうと、スタッフに対するはったりです。打ち合わせの時にあのコンテ持っていくとみんなビビるんですよ。「こんな描き込んだ絵コンテ見たことない」って。特に初めましてのスタッフがいる時にはそういう感じでやってました。新耳袋(怪談新耳袋劇場版『約束』)とか(コワイ女)『カタカタ』とかホラー映画撮った時もまったくやったことないスタッフだったんで、かなり力入れてコンテ描いて持っていきましたね」と話す。「僕の仕事って基本的に内容が面白いとか感動したとかでお金を貰ってるので、人の心が揺らがないと世に出ない。その実験段階としてスタッフの心が揺らぐかどうかを確かめてました」
「牙狼<GARO>」シリーズの特徴の1つでもある「書」については「元々僕文字がすごい苦手で。字自体はあんまり上手じゃないんですよ。ただ、イラストに文字がほしい時に筆で書いたら収まりがよかったことがあったので、自分の絵に合う筆文字をずっと我流で模索してるんです。書き順とか1回無視して読めればいいってことで、かっこいい形を追求して。それが今の僕の書のスタイルなんです。僕はだいたいのことをかっこいいかどうかで決めてるので」と語られた。
そして10月17日(金)に公開される『牙狼<GARO> TAIGA』はシリーズ第1作にも登場した主人公の父・冴島大河が主人公の物語だ。「大河が主役と言っても、最初は渡辺裕之さんが演じた冴島大河とリンクするかどうかも決まってなかったんです。大河って名前だけど違う魔戒騎士なのかなって思われてもいいくらい……新規のキャラクター、新しい魔戒騎士の話をやるような感じでこれまでの作品との繋がりを一度切って台本を書き始めました(結果的に今回の主人公は渡辺氏の演じた大河と同一人物となった)。自分が撮ったの1回忘れて撮るような新鮮みがありましたね」
シリーズを通してのこだわりには「ハッピーエンド」をあげる。「物語の結末には常に多幸感だったり達成感だったり、ポジティブなものが必ず待ってるふうにしたいんですよね。誰かが亡くなるとか、消滅するとかということがあっても、観終わった後作品を好きになってその人の身体の一部になって、ちょっと元気がない時に観ると元気になるとか、心の本棚のそういうところに置かれるといいなというイメージがあります」。それからもう1つ、「あと観る人と地続きというか、世界観としては荒唐無稽でも普通の人とどこかで接点があるようにしたいとはずっと思っていて。出てくる登場人物がみんなまったく僕らと違うスケールを持っていても、必ず大事な人、家族、親とか子供がいたりするっていう部分は普遍的だと思うんですよね。空想の産物の登場人物でも僕らと同じような思い出があるというようなところをきちんと描くと観た人に受け入れられる。そこはいちばん大事にしていますね」とこだわりが語られた。
『TAIGA』の見どころとしては「昭和、1980年代の日本を舞台にしているので、エキストラの着ているシャツとか小道具とかも可能な限り昔のものを用意して再現したつもりです。当時の風俗というか、匂いを出せるといいなと思って画を作ったのでそこもぜひ見てほしいです」と話した。それからもちろんテーマ曲「TAIGA~守りし者よ風の如く〜」(JAM Project、配信中)にも注目! 「今回も奥井雅美さんが作詞して影山ヒロノブさんが作曲したんですけど、奥井さんは作品の準備稿を読み込んでから作詞するのでかなり僕が台本で言いたいことに近い曲になってるんです。今回は特に何度もキャッチボールして作った曲なので、ぜひ曲を沁み込ませてから映画を観ていただくと僕がこの作品で伝えたいかったことがよりはっきり見えて、僕と同じ気持ちになれると思います」
ちなみに「牙狼」ファンとしては気になる「冴島一族の物語のその先」の構想については……「あるにはあるんだけど、まだボヤッとしてます。一応『月虹ノ旅人』はその先があってもおかしくないようなラストにはしてるんですよね」とのことだ。「今はSNSがあるので、観た人は#牙狼TAIGAで「面白かった」とまず書いていただければ(笑)。ボタン1つ、言葉1つで応援できるので、「牙狼」がここでもっと広がるようにお力を借りたいです」。その先の物語に期待しながら、まずは『牙狼<GARO> TAIGA』を観に行こう!
定期刊行の特撮誌「宇宙船」もチェック!
最新ヒーロー・仮面ライダーゼッツ大特集&特写20周年記念号!
9月放送スタートの新番組『仮面ライダーゼッツ』を大特集!
注目のキャラクター特写、キャスト、スタッフインタビューを掲載します。
そして、ますます盛り上がる『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』、『ウルトラマンオメガ』、10月公開の『牙狼<GARO>TAIGA』も大特集。
キャスト、スタッフインタビューを掲載します。さらに国内外の新作映画、Vシネマも大紹介!!
「特撮の秋」を彩る魅力的な誌面をお届けします。
小冊子付録!!
秋号恒例の小冊子付録は「宇宙船」特写連載ページ「DETAIL OF HEROES」の20周年記念BOOK(仮)が付属!
『仮面ライダー響鬼』からスタートした仮面ライダーシリーズの特写にスポットを当て、編集部が選ぶベストカット、スーツアクターへの特別インタビューなどをお届けします。