HOME記事キャラクターモデル【プラモデルに込めた造形力】新発売の「PLAfig.」ゴジラを徹底解剖!原型 蟹蟲修造氏 & ねんど星人氏、企画 山之内拓也氏に独占インタビュー【青島文化教材社】

【プラモデルに込めた造形力】新発売の「PLAfig.」ゴジラを徹底解剖!原型 蟹蟲修造氏 & ねんど星人氏、企画 山之内拓也氏に独占インタビュー【青島文化教材社】

2025.10.01

アオシマPLAfig.シリーズインタビュー 月刊ホビージャパン2025年11月号(9月25日発売)

<[前のページ]

第二弾「ゴジラ(1999)」は1月にリリース予定!

── では次に、PLAfig.第二弾となる『ゴジラ2000 ミレニアム』を扱った「ゴジラ(1999)」についてお伺いします。“ミレゴジ”に決めた理由は何でしょう?

山之内 ゴジラのなかでは人気がありますし、単純に私が観た最初のゴジラが『ゴジラ2000 ミレニアム』だったという思い出から、絶対に作りたいと思っていたというのもあります。企画としては第一弾と同時期に成立して進行しました。

── そこで蟹蟲さん同様、ねんど星人さんにオファーされたんですね?

山之内 “ミレゴジ”の場合はスーツが存在するゴジラですから、大前提としてダイナミックなポージングにしたいという思いはありつつ、生き物としてのゴジラとスーツのゴジラの印象を崩さない中間地点を目指していただきたいというお願いをしました。
ねんど星人 それを受けて、完成形では結構スーツ寄りになりつつ、尻尾のうねりやかかとを少し上げているポーズなどで力感(りきかん)といいますか、差を付けようとこだわりました。

── ゴジラ(1999)は頭部のシンメトリーや背びれの形状、尻尾の細さといった特徴があると思いますが、寄せていくポイントはありましたか?

ねんど星人 他のゴジラと比べると胴体が細くて結構スマートなので、あまり太くなり過ぎないように気を付けました。それから顔がどちらかというとハンサムなんです。そこをきちんと似せて押さえています。それから、私は普段すごく大きなゴジラばかり作っているので、約13cmになった時にきちんとかっこよくなるように目の大きさなどは調整しました。

── スーツはイベント展示もよくされていますが、資料の活用は?

ねんど星人 スーツの資料については山之内さんが「特撮のDNA」の展示に足を運んでくださって、大量に撮影してきてくれたんです。それがすごく役に立っています。加えて僕自身が映画を何度も観て……というところです。それから若狭さん(若狭新一氏:ゴジラの造形師)の造形は体表というかとげとげのグラデーションにこだわりがあると思ったので、それが小さくなっても再現できるように造形しています。

── アップ用とアクション用でスーツがふたつ存在すると思いますが、そのあたりは劇中に合わせてイメージの近いところに落とし込んだかたちですか?

ねんど星人 はい。あまりどちらかに寄せようとはせずに、映画トータル(のイメージ)で造形しています。たとえば細かいところですが、ゴジラの股のラインなどはスーツだとかなり深く動くように工夫されているのですが、そのあたりはたるみも含めてしっかり表現しつつ、ポーズを取った際に力感のある形に調整しました。
山之内 ポージングは劇中終盤での新宿戦をモチーフにしました。

── 若狭さんもSNSで高評価されていたみたいですね。

ねんど星人 見てくださっていたんだ! と思って、とても嬉しかったです。

── 光栄なことですよね。神様ですから。若狭さんの造形の特徴はシンメトリーなどすごくきちっとされていることです。ねんど星人さんもデジタル造形で作られていると思いますが、デジタルとの相性はよかったのでしょうか?

ねんど星人 よかったのですが、ただ特にスーツ(のモチーフ)を作る時は完全な対称ではダメですから。ちょっとにらみを利かせた正面顔が好きで、そういう風に見えるようにしたいなと思って作っています。

ゴジラ(1999)のプラモデルの画像
ゴジラ (1999)の商品ページは画像をクリック!
ゴジラ1999のプラモデルのアップ画像
▲ 体表の造形をほぼ原型通りの状態で金型に彫り込むことができたというミレゴジ。パーツの合いはマイゴジ同様のバチピタを目指し調整中だ
ゴジラ1999のプラモデルの後ろ姿の画像
▲ 硬質さを感じさせる背びれと体表の生物らしさが同居したバックショット。体長の2倍以上ある長大な尻尾は臨戦態勢の緊張感をはらむ

今後の方向性は?

── 今後のことについてもお伺いしたいと思います。現在発表されているのは、第三弾までゴジラ関連です。

山之内 実は、秋のホビーショーでは新規アイテムの発表も準備しているので、そこでお話しできればいいかなと思っています。すでに発表済みのデストロイアについても現在鋭意設計中です。
ねんど星人 デストロイアの造形は僕が担当しています。

── 楽しみです! 最後に、今後のPLAfig.シリーズに向けて、ファンへのメッセージをお願いします。

山之内 PLAfig.のシリーズコンセプトは、造形にこだわったプラモデルというものですので、業界の中でも一番造形が優れたプラモデルだねって言われるようになるまでシリーズを長く続けていきたいと思っています。ゴジラ以外のキャラクターもたくさん企画していますので、そちらも楽しみにお待ちいただきたいです。新しいシリーズになりますが、長く楽しんでいただけるように頑張ります。
蟹蟲 ガレージキットは生産数が少なくて、1体塗るのにもどうしても気を使ってしまいます。その点、プラモデルなら比較的安価で手に入れやすいじゃないですか。たとえば放射熱線バージョンだったり、その他のバージョン違いとか、遊び感覚で塗って楽しめるというところがいいところだと思います。ですので、楽しんで作っていただければと思います。
ねんど星人 塗装見本を塗って思ったのは、やはり楽しくできるというところです。レジンキットだと持ち上げて塗ったりしていたら「おお、腕がへし折れそうだ~」みたいな(笑)感じになるので、そういう意味でも気軽にたくさん塗れますから、普段怪獣のガレージキットを組んだことのない方にも手に取っていただけたら嬉しいです。

── 皆さん、本日はありがとうございました。

(2025年9月1日 ホビージャパンにて収録)

▼ 関連記事はこちら

TM & © TOHO CO., LTD.

1 2
この記事が気に入ったらシェアしてください!

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2025年11月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2025年10月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2025年9月号

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー