4足歩行スーツ特集!! MAX渡辺&横山宏による「シュトゥルムケーファー」&「グラジエーター」作例とフォトストーリーをお届け! さらにWF2025[夏]レポートも掲載【Ma.K in SF3D】
2025.09.16Ma.K. in SF3D/シュトゥルムケーファー、グラジエーターG1/G2【海洋堂 1/35】●横山宏、MAX渡辺 月刊ホビージャパン2025年10月号(8月25日発売)
シュトラール軍 4足歩行型重装甲戦闘服 シュトゥルムケーファー 傭兵軍 4足歩行型重装甲戦闘スーツ グラジエーター G1/G2 製作/横山宏
2025年7月に発売になった海洋堂のシュトゥルムケーファーはオープン状態にもできる前面キャノピーが新規に追加された2代目のキットになります。初代が販売されたのは2021年でその時にいろいろ改造を加えたシュトゥルムケーファーを4年越しにもう一度持ってきました。
初代では前面と左右が一体だったキャノピーとサイドウィンドウが2代目ではそれぞれ別パーツになってフチの歪みが解消されています。これで4年前にキャノピーを超音波カッターで切って改造したように半開きの状態にできるようになりました。新キットでもフチの厚さがまだ気になる場合は少しずつ削ってシャープにするといいでしょう。
パイロットは首の向きを変えられるようにしてもらいました。本体の脚関節可動部の強度も調整して動かしやすくなっているそうです。初代のこの作例は真鍮線でノーズの下部にバンパーを追加したり左右のキャノピーにフックを追加したりしました。この86番機を再現できるよう2代目には◎のデカールも入れてもらったんだけど、MAXさんがこの◎デカールをみごとに使いこなしてくれました。実際に使えるかどうかわからなかったのでうまく使ってくれてすごく嬉しいですね。
2025年9月にはグラジエーターの2体セット(初期生産型と先行量産型)の販売も控えているので、2024年に作ったその2体の作例も持ってきました。今回はシュトラールと傭兵軍の4足メカが揃ったわけだけど、グラジエーターは『SF3D』連載中に作った第一世代のデザインですよ。シュトゥルムケーファーはマシーネンとして復活してまもない1999年に絵を描いていたけどオリジナルモデルが存在しないんです。ヒール君や谷さんが立体を作ったわけだけど、模型として見るとオリジナルモデルがあるものとの違いがとてもおもしろい。わしだったらここにはパネルラインを入れないって思う箇所もあるから、MAXさんの提案ですが、そういう部分を埋めて仕上げてみてもいいかもしれないね。
この連載が始まった2010年からが第三世代で、海洋堂の1/35キットが出た頃からが第四世代になるのかな。そう考えると、第一世代と第二世代の4足メカを第四世代が初めて手にして楽しんでくれるのは本当にありがたいことですよ。

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット
シュトラール軍 4足歩行型重装甲戦闘服 シュトゥルムケーファー
製作・文/横山宏
ARTPLA シュトゥルムケーファー&パメラ・アムゼル
●発売元/海洋堂●6600円、発売中●1/35、約12cm●プラキット●原型/谷明、村井太郎

海洋堂 1/35スケール プラスチックキット
傭兵軍 4足歩行型重装甲戦闘スーツ グラジエーター G1/G2
製作・文/横山宏
ARTPLA グラジエーターG1/G2&スマイル エディ・アムゼル
●発売元/海洋堂●7700円、9月予定●1/35、約13.5cm●プラキット●原型/谷明、村井太郎
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.137
シュトラール軍 4足歩行型重装甲戦闘服 シュトゥルムケーファー
文/KATOOO(レインボウエッグ)
シュトゥルムケーファーはグラジエーターの対抗兵器として開発された4足型の重装甲スーツです。
月刊ホビージャパン1984年8月号に『SF3D』屈指の人気を誇るグラジエーターが発表された5ヵ月後の1985年1月号にP.K.A.に近いフォルムのケーファー(ドイツ語でカブトムシ)が登場。意外にも『SF3D』連載時は両者とも初出時の1回しか登場せず、『Ma.K.』として復活後の月刊モデルグラフィックス1999年6月号にシュトゥルムケーファーのモノクロの絵が掲載されます。この絵はいわゆる先出し掲載だったのですが、名称や設定が書かれていなくて「なんだこのケーファーみたいなメカは!?」と驚いたのを覚えています。のちに月刊Play Online 2000年1月号で初登場のラプターやケンタウルス(無人型グラジエーター)と交戦するシュトゥルムケーファーが描かれ、絶大なインパクトを与えます。横山先生いわく、「ケーファーはP.K.A.のボディがついた陸戦ホルニッセのようなフォルムで、グスタフやコンラートの要素が入った改良発展型がシュトゥルムケーファー」とのこと。シュトゥルム(=疾風)の名が示すように攻撃力の高い突撃型として描かれ、車高の低い俊敏そうなフォルムはグラジエーターに対抗する強力な新型という印象を強く植え付けました。
シュトゥルムケーファーは横山先生のオリジナルモデルが存在しません。谷明さん原型の1/35キット発売前にサイトウヒールさん、せどさんによる1/20レジンキットが販売されていますが、横山先生によると「ヒール君も谷さんもわしの絵からイメージして作ってるんでそれぞれの解釈で違うカタチになるのがおもしろいし、どちらもカッコいいです」とのこと。シュトゥルムケーファー、グラジエーターが1/35でプラキット化され手軽に並べられるようになり、いい時代になったなと実感します。
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