ARTPLAの“箱絵”と“パッケージ”を手掛けるクリエイター2人の仕事解説!美麗イラスト、パッケージ、組立説明書(インスト)の製作過程をのぞいてみよう【ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン初号機】
2025.09.04海洋堂のプラスチックモデルキット・ARTPLA(アートプラ)の情報を追う当コーナー。今回は趣向を変えて、製品をビジュアル面で支える2人のクリエイターに焦点を当ててみたぞ。
キットの箱絵に注目!
ARTPLA SCULPTURE WORKS エヴァンゲリオン初号機
●発売元/海洋堂●7150円、発売中●プラキット
<PACKAGE ILLUST>
ARTPLAといえば、キットの出来もさることながら美しいパッケージイラストをおいては語れない。今回は箱絵を手掛けたイラストレーターの中村豪志氏にその仕事を解説してもらった。
1個のキットの向こうにー美麗イラストの製作過程を紐解く
コメント/キャラクターモデルは劇中とは異なるシチュエーションだったりしますので、イメージを保ちつつ「この造形の元になったシーン」を逆算するような感じで描いています。造形の魅力に空気感を纏わせて一枚絵でどう見せられるか?がポイントと言えましょうか。
思い返せば自分も子どもの頃は玩具店や模型店に並ぶボックスアートには大いにときめかされたものです。時を経て描く側に立たせてもらう僥倖をいただき、キットを手に取った人がかつての自分同様にワクワクしてもらえることを切に願う次第であります。(中村)
「ARTPLA 四天王像」や恐竜・動物シリーズも中村氏のイラストだ。
コメント/動物シリーズにおいてはさまざまな人や動物をひとつの空間で描写するため、実際の情景のようでもあり模型のディスプレイのようでもあり…な描き方をしています。仏像シリーズは畏怖感ある神像といった感じで描きましたが、後のキャラクターモデルにも連なる「ARTPLA」としての一貫性のようなものが醸せたのではないかと思っています。(中村)
<PACKAGE & INSTRUCTION DESIGN>
ハイセンスなパッケージはデザイナー・古賀学氏のお仕事。ARTPLA始動時から一貫して、組立説明書(インスト)も氏が手掛けている。
コメント/レンダリング画像とテストショットを基に、Adobe Illustratorのパスツールを使って線画を描いていきます。描いたオブジェクト同士を画面上で重ねて組み立てているように描いていきます。実際にバラバラに描いたパーツが画面の中で組み上がって完成図になります。
次は、線画を基に組み立て図をレイアウトしていきます。パーツを接着位置に配置してからスライドさせて、それに合わせて組み立て線を引きます。導線的にはコマ割り状レイアウトのほうが読みやすいのですが、すると絵が小さくなって情報把握が犠牲になるため、可能な限り絵を大きく配置するためオブジェクト形状に合わせてレイアウトします。
「積みプラ」も楽しみ方のひとつと考えて、店頭で面出しされる短辺の側面はシリーズを通して並べた時の統一感を意識したデザインです。長辺の側面は片方が写真、もう片方が線画による商品説明です。未開封でもおよそのパーツ構成が把握できることを目指しています。(古賀)
「エヴァンゲリオン イラスト展Ⅱ」開催のお知らせ
●期間/8月29日(金)~9月28日(日)
●場所/東京お台場 ダイバーシティ東京プラザ5Fアニメアートショップ
●主催/トーハン、協力/グラウンドワークス
●新刊『エヴァンゲリオンイラスト集Ⅱ 2017-2025』の発売を記念し、新規複製画を多数追加した「エヴァンゲリオン イラスト展」を開催。今後の全国巡回も予定。
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