【宇宙戦艦ヤマト メカニクス】第9回はボラー連邦の戦艦2隻「クロトガ型標準戦艦」と「アマンガ型ミサイル戦艦」! ボラー連邦の謎多き戦力に迫る!『ヤマトよ永遠に REBEL3199』
2025.07.20宇宙戦艦ヤマト メカニクス
『宇宙戦艦ヤマト2199』から『ヤマトよ永遠に REBEL3199』までのリメイク版『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する戦艦などのメカニックを解説する連載。第9回は巨大星間国家のひとつ、ボラー連邦の戦艦2隻を紹介。いまだ地球、ガミラスとも正式な国交を持たない謎多き戦力に迫る。
解説/皆川ゆか
第9回:ボラー連邦 クロトガ型標準戦艦、アマンガ型ミサイル戦艦
クロトガ型標準戦艦
● 諸元・性能
全長:320m
アマンガ型ミサイル戦艦
● 諸元・性能
全長:300m
【ボラー戦艦A砲熕兵器】
■隠顕式二連装空間機銃×14
■隠顕式四連装陽電子砲×4
■隠顕式三連装小型陽電子砲×12
■空間魚雷発射管×3×2[両舷]
■後方対応兵器群×4[艦底艦尾]
【ボラー戦艦B砲熕兵器・各部】
■隠顕式三連装小型陽電子砲×7×2[両舷]
■隠顕式副砲×2×2[艦首両舷]
■隠顕式二連装空間機銃×3×2[両舷]
■空間魚雷発射管×2×2[両舷]
■対艦兵器群(ミサイルなど)×6×2[両舷]
■機動ノズル
ボラー砲
クロトガ型は艦首にボラー砲を1門備える。ふたつの砲口としたことで発射角を調整可能としている(地球の砲口分離型波動砲に近い機能と推測される)。なお、アマンガ型は横型の砲口を持つなど、仕様が異なる。
陽電子砲
ボラー語ではアンネ・ランティル[光の砲]。原理的にはガミラスの使用する陽電子砲と同じ。アマンガ型のミサイル同様、若干の仕様変更が行われており、偏光率の関係から建造時期によってビームの色が異なる。
ボラーは帝制時代を含めると非常に長い歴史を持つ星間国家のひとつであり、このことがボラー連邦の航宙艦に高い完成度を与えている。
ボラー艦艇の多くは主兵装を船体に内装し、使用時に現れる隠顕式を採用している。これは、ボラー連邦の艦船が星間物質の濃密な空間を移動することが多いためと推定される。
主機関はイスカンダル系の波動エンジンと同原理で、余剰次元を炉心内で展開してエネルギーを得る。ボラー語では「コグダール・アニャースル」と呼ばれるこのシステムは「次元展開機関」を意味する。このため、抑性波動共鳴波の影響を受けやすく、2204年にガミラスが行ったガルマン星奪取作戦のおりには、超ゲルバデス級大型輸送艦によって惹起された波動共鳴現象で、多くの艦艇が一時的に航行不能となった。
また、ボラー艦にはこのシステムを使用した波動砲やデスラー砲に相当する兵装・ボラー砲(アブロ・ランティル[偉大なる勝利の砲])が搭載されているものが多い。これはたんなる攻撃用の兵装というだけではなく、進行方向にある障害を除去する役割を担うともいわれる。
ボラー連邦は地球、ガミラスとも正式な国交を持たず、2204年の段階では情報も少なかったため、遭遇・交戦した艦船の正式な名称も判明しておらず、識別用のコードが与えられていた。
ガルマン星奪取作戦時、ボラー戦艦A型と呼称されたのがクロトガ型標準戦艦である。「クロトガ」は「英雄的な行動」を意味する。
永久管理機構が立案・実施した13号計画においては、安定した性能を持つ「標準」型戦艦の量産が企図された。クロトガ型はこの要請に応え、建造されている(ボラー連邦内での正式名称は13号計画クロトガ型標準戦艦)。半世紀以上前の計画で就役が開始された艦であるが、現在でも若干の仕様変更でボラー連邦の主力艦として建造が続けられている。
また、ボラー戦艦B型と呼称されたのがアマンガ型ミサイル戦艦であり、標準型戦艦を支援するための高い攻撃力を持つ戦艦として建造された(ボラー連邦内での正式名称は15号計画アマンガ型ミサイル戦艦)。クロトガ型同様、本艦もボラー連邦の主力艦のひとつとして配備され続けている。なお、運用されるミサイル兵装は15号計画終了後も更新されており、後に建造された艦は初期に就役した艦と仕様に若干の違いが存在する。「アマンガ」がミサイルの威力を誇示する点から名付けられたもので、「大破壊」を意味する。
第一線に長く配備、運用され続けているだけではなく、ボラー艦の技術的な円熟を裏付ける説としては、クロトガ型の同型艦が火星に漂着し、火星自治政府が発見・解析することで新型宇宙戦艦を建造したとするものがある。後に火星の宇宙戦艦の技術は地球側も知るところとなり、国連宇宙海軍の艦艇に大きな影響を及ぼした。クロトガ型が地球の宇宙戦艦を技術的に大きく飛躍させることとなった背景には、この艦の基礎設計の確かさがあったというのである。
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