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『バトルスピリッツ』チーム戦ならではの駆け引きに注目! 「バトスピチャンピオンシップ25-26 Cycle1 3on3決勝」大会レポート&優勝チームインタビュー

2025.07.11

 7月6日、東京・新宿住友スカイルームにて『バトルスピリッツ』の公式イベント「バトスピチャンピオンシップ25-26 Cycle1 3on3決勝」が開催されました!

 本イベントは、国内最強のバトラーを決める全国大会「バトスピチャンピオンシップ25-26 JAPAN FINAL」の出場権利をかけた3人チーム戦の大会で、愛知・東京・大阪の予選を勝ち上がったチームが一堂に会する決勝イベントとなります。個人成績ではなく、チームの勝利数で勝敗が決まるほか「同名カードはチームで3枚まで」「1枚制限の同名カードはチームで1枚まで」など、チーム戦独自のレギュレーションが設けられているのも本大会の特徴です。

 大会には全43チーム、計129名のバトラーが参戦。スイスドロー4回戦の予選を勝ち上がった16チームが決勝トーナメントでバトルを繰り広げました。

 決勝トーナメントのデッキ分布は以下の通り。過去の大会でも使用率が高い「ニュクス」デッキや「激覇」デッキに加え、発売間もない『テーマブースター REBIRTH OF LEGENDS』収録カードの採用で生まれ変わった「イザナギ&イザナミ」デッキを早速使いこなしているチームも多く、本大会のレベルの高さがうかがえる様相となっています。

 

 なお、当日は紫のガーディアン・土岐頼知さん、青のガーディアン・阿部笑華さん、バトスピ公式アンバサダー・わたなべそうさんの3名もイベントに参加。決勝トーナメントの生配信で大会を盛り上げました。

▲(写真左から)わたなべそうさん、土岐頼知さん、阿部笑華さん

配信の模様は『バトスピ』公式YouTubeチャンネルにアーカイブされているので、あわせてチェックしてみてください!


関西勢の実力を見せつけた優勝チームへインタビュー!

ハイレベルなバトルを制し、3on3決勝の優勝に輝いたのは、チーム「JDに任せて!」の3名!

■チーム「JDに任せて!」

  • JD選手:「イザナギ&イザナミ」デッキ
  • さうす選手:「激覇」デッキ
  • マエキタ選手:「ニュクス」デッキ
▲写真右から、JD選手、さうす選手、マエキタ選手

ここからは、優勝チーム3名のインタビューをお届けします!


――優勝した今の心境をお聞かせください。

JD選手(以下「J」):とりあえず、日本決勝の進出が決まって嬉しいな、というのが素直なところです。あとは、関西でずっと一緒に『バトスピ』をやっていて、昨年度アジアチャンピオンに輝いたレモン選手が引退したことで、「関西のレベルが下がるんじゃないか……」みたいな危惧も身内ではされていたんですが、今日の結果で「そんなわけはないやろ」と証明できたのも嬉しいところですね。

さうす選手(以下「さ」):まずはこのメンバーと組めたのが本当に奇跡だと思っています。自分がチームのなかでは今も一番弱いと思ってたので……あらためて一緒に戦ってくれたチームに感謝したいです。そんなチームの勝ちたい、優勝したいっていう想いに自分自身が応えられて、メンバーも応えてくれたのも嬉しいなって思います。また、JD選手の話にも出たレモン選手には自分が弱いときから戦術や環境の読み方を指南してもらっていて、最後に3on3の非公認大会に参加したときも同じチームでバトルさせてもらえて、その恩に絶対に報いたいという想いもあったので、優勝が決まったときには泣きそうになりました。

マエキタ選手(以下「マ」):関西でよく練習している2人にチームに誘ってもらえたのが素直に嬉しくて、期待に応える気持ちで3on3に臨んでいました。でも、予選の東京会場のトーナメント1回戦で、今回の決勝でもバトルしたチーム「レモンの舎弟」に負けてしまって、決勝進出はできたものの、自分たちならもっと上に行けたよなという悔しさが残っていたんです。本大会でも決勝で同チームとあたって、僕自身は負けてしまったもののチームでは勝って優勝を手にできたので、リベンジを果たせたかなと。

――今回のチームを結成した経緯を教えてください。

J:主導はさうす選手だよね。

さ:そうですね。まず3on3の大会がアナウンスされた瞬間に、その場にいたJD選手にまず声をかけました。関西では3本の指に入るであろう実力者なので絶対に勝ってくれるだろうと。そこから、自分たちが持っていない要素として、後ろ寄りのデッキが得意なバトラーを探そうというところで、マエキタ選手を誘った流れになります。

――なるほど。チーム名の「JDに任せて!」もJD選手の実力に想いを託したのですね。

さ:そうですね。JD選手は3年連続で日本決勝に進出しているバトラーですし、信頼が置けるので。

マ:チームを組んでからも実際チームを引っ張ってくれてましたしね。

J:いや、ただいじられてるだけじゃないかな(笑)。

――本日チームで使用したデッキと使用理由をお聞かせください。

J:まず「イザナギ&イザナミ」(以下「イザイザ」)デッキは、3on3というチーム内のデッキ被りが、発生しないレギュレーション上、絶対母数は一定数いるっていうのがまず前提にありました。そこから出来上がる環境のなかで強いデッキを考えていくと、まずダントツで「激覇」デッキが挙がる。《覇王爆炎撃(リバイバル)》や《選ばれし探索者アレックス》で攻勢をしのげますし、《巨神要塞トール・キャッスル》のデッキ破棄もしっかり刺さるので絶対に強い。また「ニュクス」デッキも《マッドフット》が有効ですし《闇輝石六将 砂海賊神ファラオム》のような「イザイザ」が苦手なカードも入れやすいので採用しました。不利対面の「ヘラ」デッキが減っているだろうという読みもありましたね。残る1つは「激覇」デッキに9対1くらいでダントツに強い「アルテミス」デッキを想定していたのですが、そもそも純粋にパワーが高い「イザイザ」デッキを僕らも持ったほうがいいんじゃないかという話になり、大会3日前くらいまで悩んでいました。最終的に、自分が使えば「イザイザ」デッキで確実に勝てるだろうと選んだ形になります。

――それぞれが使用したデッキの調整ポイントと、MVPカードを教えてください。

J:自分が使った「イザイザ」デッキは、練習で使っていたときから1枚だけ《黄泉ノ鬼女ヨモツシコメ》を多くしています。元は《神産ノ樹神ククノチ》の2枚目の枠で、5ダメージを与えるルートを取りやすくなるんですけど、反面《ゴッドシーカー 黄泉ノ翼トヨクモノ》とかを拾えない事象が多かったんです。リソースが続かなくて勝てないという試合が多いなかで、リソースにつながるカードを拾ってこれる《ヨモツシコメ》を増やすことで対応しました。大会前日の判断だったのですが、実際有効に働いて勝てたバトルが2試合ぐらいあったので、MVPとして選んでもよいかと思います。

さ:この「激覇」というデッキは「アルテミス」デッキをのぞけば全てのデッキに有利だと自分は思っていたので、それを証明する「負けない」ことを一番にしました。相手のできることをすべて防いでいけば、最終的に勝つ……といった感じですね。そのためには《激覇ウォール》だけではなくて《氷刃血解(リバイバル)》《覇王爆炎撃(リバイバル)》といった【バースト】との兼ね合いがすごく良い受け札を採用したり、契約スピリットやノーコスト召喚をするような異質なデッキを抑えるために《暗黒の塔》を採用したりと、環境を俯瞰して刺さるカードを採用していきました。チームメンバーや準優勝チーム「レモンの舎弟」でそれぞれ入れたいカードを提案していって、枚数の調整をして完成させました。そのうえで、MVPカードを挙げるなら《仮面ライダーワイルドカリス》です。《魔幽帝ジークフリード》や《黄泉ノ雷神トヨフツ》など、環境デッキに採用されるカードのコストをプラスする効果を無効化して、そこから《激覇ウォール》や《覇王爆炎撃》で勝ちにつながるバトルが多かったんです。デッキのコンセプトを体現できた1枚としてMVPをあげたいですね。

マ:実は「ニュクス」デッキは苦手な方で、当初は使う予定がなかったんですが、チームの勝ちを優先した結果急きょ担当することになりました。というのもあって、リスト自体は一緒に調整していた友人のものをそのまま使わせてもらっています。回していて弱いと思うところもなく、しっかりデッキの良さは引き出せたかなと。MVPは《ニュクスの幽霊神殿》ですね。ほかの召喚時にドローするカードを引き込めなかったバトルでドローを支えてくれたのもありますし、カウントも増えるので便利だなと。《夜闇の契約神ニュクス》のコアを増やす効果も《争いの女神エリス》で減らしたコアを戻して【契約技】で受けられる状態でターンを返せたので強かったですね。

――何度かお話に挙がりましたが、準優勝のチーム「レモンの舎弟」とは一緒に調整をされていたのでしょうか。

J:そうですね。僕とレモン選手で作った「shooting star」という関西の調整チームにみんな所属しています。彼が引退した今も20人前後の規模で活動をしていて、本大会でも8人くらいは参加しています。チーム「レモンの舎弟」のテッチャン選手とは「バトスピリーグ」で同じチーム ドラゴンスターに所属していて、お互いユニフォームを着て参加していたのですが、決勝戦では対面になっていましたね(笑)。同じ調整チームでワンツーフィニッシュを決められたのは嬉しかったです。

――本大会は上位4チームが「バトスピチャンピオンシップ25-26 JAPAN FINAL」へ出場できるというところで、すでに権利を獲得している状態で、さらに相手が同じ調整チーム、リーグのチームメイトとなると、思わずラフなプレイになってしまいそうなものですが、みなさん和やかな雰囲気ながらも真剣にぶつかり合っていたのが印象的でした。

さ:そこはみんな負けず嫌いなんで(笑)。

J:それこそリーグのユニフォームを着て、配信卓にも映ってるなかで、ぬるいバトルを見せるわけにはいかないですよ。気心の知れた同門といえどしっかり切り替えてプレイに臨みました。公式番組の出場選手という肩書を背負っているからこそ、真剣勝負はちゃんとやらないといかんというところです。

――本大会はデッキの構築制限など、チーム戦ならではのレギュレーションもありましたが、チーム戦ならではの良かったことや、悩んだことはありましたか。

J:先に話したデッキ選びがまさにそれですね。3つ目のデッキを何にするかは相当悩みました。デッキパワーだけで言えば間違いなく「イザイザ」デッキなんですが「激覇」デッキが増えることを考えると「アルテミス」デッキも立ち位置としては悪くない。どちらを重視するかというところで、本気で勝ちに行くなら確定勝ちをより多く狙える「イザイザ」デッキになるだろうと。自分は「バトスピリーグ」もあるので、ここで敗退しても次を頑張るかという気持ちにもなってしまいがちなんですが、チームメンバーの2人は限られたチャンスになるので、“任された”からにはしっかり権利を獲得して関西に帰るぞというチームならではのモチベーションも生まれましたね。

さ:誰がどのデッキを使うかというのもチームならではでした。JD選手は立ち位置のいいデッキのほうがいいんじゃないかという意見で、僕は逆に彼のプレイの質を信じて、今の環境なら強いデッキを強く使ったほうが勝てるという持論があったので衝突したんです。最後にマエキタ選手も交えて電話したときには、JD選手が「イザイザ」デッキを握って確実に勝って、あとは練度の高いマエキタ選手が「ニュクス」を使うのが最善の選択なんだ! と、反対する2人に怒りながら意見をぶつけていました(笑)。

マ:そうなんですよ。最初、自分は「アルテミス」デッキを練習していたんですが、ちょっと今回の大会環境では立ち位置が厳しいのではないかという話になって、そのときはJD選手が「ニュクス」デッキを使うと思っていたので、ずっと触っていて練度も高かった「イザイザ」デッキを使うのがいいんじゃないかと提案したんです。そしたら「イザイザ」はJD選手のほうがいいという流れになって「じゃあ自分は何を使えばいいんだ! 」と内心イライラしてたと思います(笑)。個人戦なら全部自分で決めればいいことが、チーム戦だとままならないというのは、3on3ならではの難しいところです。でも、逆にみれば個人戦では味わえない要素ではあるし、けんかしながらもみんなで何かを決めていくのは楽しかったですね。

――本大会を通して、記憶に残ったバトルがあればお聞かせください。

さ:決勝トーナメントの1回戦です。相手が「イザイザ」デッキで、対戦中横を見たら2人は頭を抱えてたり泣きそうになっていたので、これは苦戦しているな、自分が頑張らないとなと思った局面でした。そんななか「イザイザ」デッキは「バトスピリーグ」のチーム ドラゴンスターにも所属しているたくみ選手と、仕事終わりにリモートで毎晩のように練習していた対面だったんです。相手の動きの選択肢と対策もしっかり頭に入れつつ、数ターン後に《巨神要塞トール・キャッスル》で決めるためのアプローチとして、相手に山札を削ってもらうにはどうすればいいかを考えて、相手の召喚時をあえて誘発させたりといった立ち回りができたのが良かったなと。MVPに選んだ《仮面ライダーワイルドカリス》も相手のフィニッシュプランを崩すのに貢献してくれて、返しのターンで《トール・キャッスル》を出して勝つことができました。練習の成果が最も出た試合として記憶に残っていますね。自分は決勝ラウンドの初戦で負けることが、今まで多かったので、そこを乗り越えたのは自身の成長にも繋がったかなと思っています。

J:まずは決勝トーナメント1回戦ですね。「プチグロウGS」デッキが相手だったのですが、GSではないものの《プチグロウ》自体は自分も1つ前の環境でずっと使っていた経験があったんです。なので、相手がされたら嫌なことも自然と浮かんできて、それをし続けた結果勝つことができました。過去の自分に助けられたなという気持ちもありつつ、立ち回りを覚えていたことで、今は使ってないけどやっぱりこのデッキに愛着もあるんだなとあらためて気付かされました。眺めていたらプレイがうまくなる気もしてきたので、《プチグロウ》をお守りに持ち歩こうかな(笑)。
あとは準決勝も記憶に残るバトルでした。相手は「激覇」デッキで、自分のフィールドには《元始の契約神イザナギ&イザナミ》と《黄泉ノ雷神トヨフツ》しかない状態。それで前のターンに相手が《選ばれし探索者アレックス》から【バースト】を張り替えていたので、これは召喚時に誘発するカード、おそらくは《闇輝石六将 砂海賊神ファラオム》だろうと推測しました。そのうえで相手の召喚時【バースト】の投入枚数を考えたとき、見えてるカードの枚数的に入れても1枚だろう、それならここで【バースト】を発動させたらあとは召喚時効果を使い放題じゃないかと考えたんです。一方、手札には《契約神イザナギ&イザナミ》が2枚あるものの、相手に《巨神要塞トール・キャッスル》がいる以上シンボルは並べたままターンを終えるのはまずい。というところで、まずは《トヨフツ》を新たに出して召喚時効果を使い、【バースト】発動を誘いました。結果出てきたのは《維持神ヴィシューテン》でターンが終わり、相手に《終焉の騎神ラグナ・ロックXV》も出されたのですが、打点が足りずなんとか最終的にコアを6個残して《トヨフツ》も生き残った状態でターンが返ってきたんです。そこからは抱えていた《契約イザイザ》を放出して、デッキに残っていた《創界神イザナギ&イザナミ》もすべて引き出して、相手が防御札を使えない状況にしたうえで《神産ノ樹神ククノチ》の5点ワンショットを決められました。盤面が乏しい状態から、流れを作って一気にフィニッシュできたところで、正直プレイング上手いなって思わず感じてしまいましたね。

マ:予選ラウンド最終戦の「激覇」デッキとのバトルです。手札内容的に何もできることがなくて、諦め半分で隣を見たら、さうす選手がキツそうな顔をしていて、あ、これは勝たないとあかんな……と。とはいえ手札が重くて展開にも限界があるなというところで、手札に引き込んだのがMVPで選んだ《ニュクスの幽霊神殿》だったんです。ここから生まれるドローを頼りに立ち回りの選択肢をどんどん広げていって、最終的に勝利までたどり着くことができました。チームとしては負けてしまった試合ではありますが「ニュクス」デッキの強さだけに頼らず、しっかり思考して自分の回し方でケアできたのが印象に残っていますね。

――「バトスピチャンピオンシップ25-26 JAPAN FINAL」への意気込みをひとことお願いします!

マ:ここまでの3on3はチームメイトの2人に助けられて勝ち上がって来れましたが、ここからは個人戦になります。今度は対戦相手として相対することもあるかと思いますが、2人に教えてもらったことを活かしながら、次に繋げられたら良いなと思います!

さ:今回の日本決勝進出は、自分自身の結果としてもぎ取った権利でありますが、やはり他の人に支えてもらったからこそ手に入れた権利でもあります。この気持ちを大事に頑張っていきたいなというところと、一番お世話になったレモン選手が、『バトスピ』は引退したものの、大きな大会はチェックするよと言ってくれていたので、晴れ舞台で勝ってガッツポーズをしているところを見せたいです!

J:自分は過去にも日本決勝には進出したことがありましたが、いい結果は残せていなかったので、今年こそはという想いがあります。あとは、僕たちは関西出身なので、関西のバトラーが最強なんだというところを見せつけたい。そのためにも、これまで誰も達成していない、日本チャンピオンとアジアチャンピオンの2連覇を成し遂げてみせます!


こうして激闘の幕を閉じた「バトスピチャンピオンシップ25-26 Cycle1 3on3決勝」。
ここからは新たな『JAPAN FINAL』出場権利を懸けた「Cycle2 ツアー予選」が全国4都市でスタートします。
その封切りとなる7月13日(日)開催の「バトラーズツアー2025 東京会場」の模様もレポート予定ですのでお楽しみに!

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