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究極の人型機動兵器「アストラナガン」の圧倒的カリスマ性を塗装で表現!フィルターを使ったマスキングとクリアーカラーの合わせ技を見よ!【スーパーロボット大戦OG】

2025.07.18

アストラナガン【バンダイ】●nishi 月刊ホビージャパン2025年8月号(6月25日発売)

SMPアストラナガンのメイン画像

究極の人型機動兵器が食玩キット世界に転移!圧倒的カリスマ性を塗装で表現する

 SMP[SHOKUGAN MODELING PROJECT]にて、『スーパーロボット大戦OG』よりアストラナガンが発売された。SMPのSRXとの並び立ちも意識したそのサイズはウィング先端までで30cmオーバーのビッグサイズ。幾何学的な形状のパーツの組み合わせで人型を成している悪魔的なシルエットを再現しており、立たせておくだけでも異様な存在感を醸し出す造形だ。加えてエフェクトパーツを活用して武装各種も再現しており、SMPの信条である造形と遊びの両立が際立つアイテムとなっている。nishiによる作例は、並みのロボットとは一線を画しているその設定やカリスマ性を魅せるべく、主要色の黒の塗装にこだわって製作。フィルターを使ったマスキングとクリアーカラーの合わせ技により、次元をも越える究極の人型機動兵器の貫禄を表現している。

SMP スーパーロボット大戦OG アストラナガン

●販売元/バンダイキャンディ事業部●22000円、受注終了●約31.5cm●プラキット●ガム1個付属●プレミアムバンダイ販売アイテム


SMPアストラナガンの全体画像
▲SRXチームの教官であったイングラム・プリスケンが搭乗する人型機動兵器。地球(地上世界)と地底世界ラ・ギアスの技術が導入されており、空間転移のみならず並行世界間の移動も可能だと言われている。作例はその超越的な強さや漆黒の装甲を表現するため、シルバーとクリアーカラーを何層も重ねたテクスチャーで質感を再現している
SMPアストラナガンの背面の全体画像
SMPアストラナガンのバストアップ画像
▲光が当たると、キャンディ塗装された青の模様がうっすら浮かぶ。複雑な面構成のデザインが塗装の効果を何倍にも引き立てている
SMPアストラナガンのディスプレイ画像
SMPアストラナガンのガン・ファミリアの画像
▲遠隔操作兵器のガン・ファミリア。2機付属し、飛行状態でディスプレイできる。作例は本体の銃身をツヤ消しブラック、羽のみを本体と同様の塗装としてメリハリをつけ、機能の違いを表現した
SMPアストラナガンの装甲塗装時の画像
SMPアストラナガンの装甲塗装時の画像2枚目

▲装甲は黒を全体に塗装したあと、紙製の靴保護シートを被せてシルバーをコート。ランダム性を持たせつつ、擦れたようなパターン模様をつける

SMPアストラナガンの装甲塗装時の画像3枚目
SMPアストラナガンの装甲塗装後の画像

▲クリアーブルーをコートしたあと、クリアーブラックで陰影を付けて模様の塗装が完成。作例はこのあとクリアーコートと磨き込みで鏡面仕上げにしている

SMPアストラナガン通常時の全体画像
ブラックライトで赤ラインが発光するSMPアストラナガンの画像

▲キットはパーツ分割で全身の赤いラインを色分けしている。作例はこのパーツを蛍光塗料で塗装しブラックライトで光るようにした。簡単でかなり雰囲気が引き立つのでおすすめのテクニック

SMPアストラナガンのアクティブ・ウィング・エフェクト装備時のディスプレイ画像
SMPアストラナガンの武装Z・O・ソードとT-LINKフェザーの画像
▲Z・O・ソードとT-LINKフェザーはホワイトでグラデーションをかけた。アクティブ・ウィング・ユニットのエフェクトはかなり巨大で重いため、強度面などを考慮して成型状態のままにしている
SMPアストラナガンのインフィニティ・シリンダー発動時のディスプレイ画像
▲アストラナガン最大の必殺技インフィニティ・シリンダー。対象に時間逆行を起こさせて「存在する前の状態」まで戻し、存在そのものを消滅させてしまう。発動時に浮かぶクロスがエフェクトパーツとして付属し、これを再現することができる
SMPアストラナガンのT-LINKフェザー発動時のディスプレイ画像
▲アクティブ・ウィング・ユニットから撃ちだすT-LINKフェザー。キットでは12発付属し、支持アームですべてディスプレイ可能
SMPアストラナガンのアキシオン・キャノンとインフィニティ・シリンダーのエフェクトパーツの画像
▲アキシオン・キャノンとインフィニティ・シリンダーのエフェクト。キットではクリアー成型だが、作例は全体を塗装してゲーム内のドットグラフィックに近いイメージで仕上げている
SMPアストラナガンのアキシオン・キャノン発動時のディスプレイ画像

■SMPアストラナガン
 ども、nishiです。今回のアストラナガンは『スーパーロボット大戦α』に登場するオリジナルロボで、全身黒基調のかなり禍々しいデザインをしてます。いろんな世界の技術が集まっていて、ワープや因果律操作など何でもアリのトンデモ性能、パイロットの言動もいい意味で厨二病全開で、こういった背景も踏まえて製作に当たりました。
 作例のお題としてはキットの形状自体は手を入れず、異質な黒を塗装で見せてほしいとのことでしたので、疑似カーボンや大理石塗装で見られる手法を用いて表現することにしました。

工作
 このキットはABS成型で柔らかめの素材となっているので、無塗装でガシガシとポージングを付けて遊ぶような工夫が随所にされています。パーツ分割も単なるモナカ構造ではなく、合わせ目がなるべく目立たないようになっていているのもその一環でしょうね。
 合わせ目処理などの表面処理は600番までのヤスリを使い、さらにサフ吹きからベースとなる黒の基本塗装まで一気にやってしまいます。ツヤのある基本塗装まで終わらせたほうが傷が分かりやすく、今回の作業の本番はむしろこのあとなので、この段階でキズ消しと最終の表面処理をします。

■塗装
 黒の塗装はグロスにするかマットにするか悩みましたが、塗装工程がそのまま深みになるクリアー塗装後の磨きによる鏡面仕上げとしました。
 画像解説にもありますが、まず黒の基本塗装をし、紙製の靴保護シートを平坦にしたものを使用してシルバー塗装。ある程度まばらな感じがほしいので、ここの柄の均一化は割と適当です。そしてその上から全体をクリアーブルーでコートして、模様を残したい部分以外をクリアーブラックでコートしています。
 その後クリアーで3層ほどコートしてからコンパウンドでの磨きに入るわけですが、クリアー塗装時の希釈にクアトロポルテのティーポマルチシンナーを使っています。これだけでも平滑で美しいクリアー層が作れるからです。こうしておくことで、磨き工程も仕上げ用のヤスリを2400番、4000番、6000番、8000番と使っていくべきところ、途中を省いていきなり6000番から始めることが出来るので時短にもつながります。
 最後は3Mの超微粒子コンパウンドで磨いて鏡面処理完了です。
 キット自体が特別感のあるものですし、アストラナガンの「普通じゃない感じ」を出すならこのぐらいやりたいですよね。パーツが大きく量も多いので、一連の作業はとにかく気合で!

SMPアストラナガンの全体画像

バンダイ ノンスケール プラスチックキット“ ショクガンモデリングプロジェクト”

アストラナガン

製作・文/nishi

SMP スーパーロボット大戦OG アストラナガン
●販売元/バンダイキャンディ事業部●22000円、受注終了●約31.5cm●プラキット●ガム1個付属●プレミアムバンダイ販売アイテム

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ⓒSRWOG PROJECT

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nishi(ニシ)

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