【スペシャルコメント掲載】ELECOM×士郎正宗 デザインマウスが23年の時を経て再起動。当時の開発の試作品を見ながら、その歴史を振り返る【2025年冬復刻予定】
2025.07.01デザインマウスM.A.P.P.×士郎政宗【エレコム】 月刊ホビージャパン2025年8月号(6月25日発売)
ELECOM×デザインマウスM.A.P.P. 士郎正宗
23年の時を経て再起動。
今を遡ること2002年。漫画家・士郎正宗氏とメカニックデザイナー・カトキハジメ氏を起用したマウスプロジェクトが存在した。その名も「M.A.P.P.(THE MECHANICAL DESIGNERS ACCELERATE THE PERIPHERAL PRODUCTS)」。優れたデザインと機能性で大反響を呼んだエレコムの“伝説のマウス”だ。ここでは第1弾として2025年冬に復刻予定の「士郎正宗デザイン」を解説。なんと復刻版では令和ならではの仕様変更も行われるという。気になる詳細をM.A.P.P.の歴史とともに見ていこう。

2002年当時のマウスの開発の系譜
2002年に発売された士郎正宗デザインマウスの開発段階を「系譜」として一覧化。形状に大きく変更が加えられたモックをピックアップした。
② ①を元に、形状を使いやすさ重視に振って頂いたもの。特に左のボタンの形状がシンプルなものに変更され、また写真では判別しにくいが高さもUPされており、持ち心地が大幅に改善されている。ただし以前のモデルと比較するとコンサバティブな印象は否めない。
③ 比較的初期のモックアップ郡のうちのひとつ。最終的には直接引き継がれていないが、銃のイメージを直接的に表現されており、士郎氏がデザインを楽しんで進められていた事を伺わせる。表面に直接描かれた「ELECOM」の文字やスライドのグルーピングは、士郎氏の落書き。
④ 今回のデザインのルーツとのなるもの。銀と黒に塗り分けられた色彩がダイナミックで、我々を強く惹きつけた。以後、本マウスのイメージカラーとなる。ありがちなエルゴノミクス系マウスとは逆に、右側に振り出されたテールのデザインが秀逸。
⑥ 最終のものにかなり近いモックアップ。ちなみに本モック以外はすべて士郎氏の手により、制作されたもの。構造検討の結果、部品構成の問題解決のために、④のものとカラーリングが逆になっている。なおこれから最終製品までに、ホイール後端の中央パーツ形状や左ボタンの「ELECOM」ロゴの大きさ等、微妙な変更が加えられている。この後、ブッシュ(ケーブルの根元の部品)のデザインを頂き、最終デザインFIXとなった。
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