『ウルトラマンオメガ』ソラト役 近藤頌利×コウセイ役 吉田晴登×メイン監督 武居正能座談会! 放送が近づく本作の見どころや撮影の裏側を語る!
2025.06.21近藤頌利 オオキダ ソラト●役
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吉田晴登 ホシミ コウセイ●役
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武居正能 『ウルトラマンオメガ』●メイン監督
7月5日(土)から放送開始の『ウルトラマンオメガ』。「ソラ」から落ちてきた記憶を失った宇宙人「オメガ」と地球人との関わりの中で、「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」の問いに迫る意欲作だ。今回はそんな『ウルトラマンオメガ』の主人公・オオキダ ソラト役の近藤頌利、ソラトが出会う地球人の青年ホシミ コウセイ役の吉田晴登、そして本作のメイン監督を務める武居正能の座談会をお届け! お互いの印象から撮影現場での様子、作品の見どころなどを語っていただいた。
撮影●山本一人
――近藤さんはオーディションではなくオファーでソラト役に選ばれたとのことですが、やはり監督から近藤さんにピンとくるものがあったのでしょうか?
武居●まず第一に、面白い人だなと思いました。初めてお会いしたのはキャスティングの面談のときで、けっこう長い時間お話したんです。全然関係ない話も含めていろいろな話をして……。
近藤●たぶん、関係ない話の方が多かったですよね。
武居●野球の話とかね(笑)。
近藤●ちょうど阪神が優勝した年だったんですよ。僕は阪神ファンで武居さんがカープファンなんですけど、阪神がちょうどカープを抜いて優勝したタイミングだった(笑)。
武居●そんな話もしつつ、これまでのキャリアの話もしました。基本こっちが質問するというより近藤君のほうからわーっと話をしてくれるので、面白い人だなと。もちろんビジュアル的にもイメージに合うし、話してみたら明るいところとか、いい意味でちょっとクセがあるところがいいなと思いました。
――吉田さんはオーディションでしょうか?
武居●そうです。コウセイ役のオーディションにはたくさん人が来てくださったんですけど、なかなかこの人だ! という方がいなくて……彼が来たのは最後から二番目か三番目くらいだったかな。入ってきた瞬間に「あっ」と思って、そのあと走ってくる芝居をやってもらったときにピンときました。言葉にするのは難しいですけど、勢いもあるし、カラッとした感じも合う。その時はちょっと髪が長かったし、僕が見た今まで彼がやってきた役って殺人犯とかばっかりだったんですけど(笑)。
吉田●陽よりは陰の役が多かったですね。
武居●でも本人は明るい性格だから、コウセイに合うんじゃないかなと思って。
――吉田さんとしてもコウセイのような役は珍しかったのでしょうか?
吉田●そうですね。それにオーディションのとき事前に送っていたお芝居の動画を後から見てみたら、コウセイとはちょっと違ったんです。よくここから僕を見出してくれたなとありがたく思ってます。
――近藤さんと吉田さんが初めて会ったのはいつでしたか?
近藤●衣裳合わせのときにすれ違いで一瞬会いました。僕、初対面ってあんまり好きじゃなくて。
一同●(笑)
近藤●どういう話したらいいんだろうって思っちゃって、苦手なんですよ。そのときは軽く挨拶してあっさり終わりました。
吉田●出身の話になったよね。「東京生まれか。ほな」って帰っていった(笑)。
近藤●僕、関西出身なんで。東京の人間には負けちゃいけないなと。
吉田●なんか線引きされてるんですよ!
近藤●撮影入ってからはしてないですよ!? 関東出身だから冷たくするとかそんなことはないですけど、根っこには「絶対に関東には負けてられない」っていう感覚があるんです、関西人には。
武居●(笑)。彼のこういうところが面白いんですよ。ちょっとクセがある。
吉田●そういう出会いだったので、そのあとの撮影期間も僕のことイジってくださって。役以外でもいいバディだったかなと思います。
近藤●彼、イジるところ満載なんですよ。
――そうなんですか?
武居●めっちゃ多いよ。僕はそんなにイジらないけど、多い。
吉田●ええ!?
近藤●話してみるとイジり甲斐満載で、愛され上手な子を見つけたなって(笑)。天然とはまた違うんですけど……撮影の朝イチ、6時からペットボトルの栄養炭酸飲料を飲んでたりするんですよ。
吉田●連日撮影が続いてるタイミングだったから……。
近藤●小さいエナジードリンクとかじゃなくて、楽屋の飲料として朝からペットボトルの栄養炭酸飲料ですよ? なんか、面白くないですか?
吉田●元気な役だから、朝から入れとかないと。朝はエナドリっていうのがルーティンみたいになってたんです。
武居●うまく言えないんだけど、現代っ子らしいというか。「あー、そういうこと言うのね?」みたいな独特なところがちょいちょい自覚なくあるんですよ(笑)。でもそれがなんだかいい。
近藤●僕も座長として現場のムードを作っていたかもしれませんけど、晴登のそういうところも現場を明るくしていました。みんなが疲れたときに何かおもろい発言をして現場がなごんだりして、助かりましたね。
――吉田さんから見た近藤さんの印象はいかがですか?
吉田●ホン読みで初めてちゃんと頌利くんのことを見たんですが、すごくお芝居に対してストイックで、監督とコミュニケーションをとって役を積み上げられていたので、真面目な方なんだなと思っていました。でも現場に入ってみたら関西ノリというか、陽気な明るい感じの方で、最初と印象が変わりましたね。座長として現場をまとめながら僕らを引っ張ってくれる、そういう兄貴的な存在だったのでいろいろ相談もさせてもらってました。
――ではアユム役の工藤綾乃さんは現場ではどのようなポジションでしたか?
近藤●綾乃はイジる側もイジられる側もどっちもできるオールマイティでした。
武居●バランサーって感じだったね。
吉田●女神的存在だった気がします。綾乃ちゃんが現場にいない日はスタッフさんに冗談で「今日綾乃ちゃんいないの?」とか言われるんですよ(笑)。
近藤●文句言われましたね。
吉田●それくらいフラットで接しやすくて、明るいキュートな人柄で現場に癒しを与えてくれていました。
武居●3人それぞれが違う明るさを持っていて、いいチームだったと思います。
――武居監督はおふたりにとってどのような存在でしたか?
近藤●僕は、ソラト役が決まった後にウルトラマン講座みたいなことを監督にしていただいたんです。正直最初の面談のときは人がいっぱいいて「誰が監督で誰がプロデューサーなんだ?」という状態で(笑)。前列に座っていてたくさん質問をされていた方のどちらかが武居監督だな、くらいの認識だったんです。最初に自己紹介はしていただいてたんですけど……。
武居●まあ、あれだけ人がいたらあんまり覚えてないよね(笑)。
近藤●それで次にお会いしたときに『オメガ』とウルトラマンシリーズについての解説をしていただいたんですが、心底ウルトラマンが好きで、すごくウルトラマンへの熱い愛を持ってる方なんだなと思いました。わからないことはこの人に全部聞けばいいんだ、と撮影に入るにあたってひとつ拠り所になりました。
吉田●僕はこの作品が決まったとき、共通の知り合いを通して『ウルトラマンデッカー』に出演していた松本大輝くんと繋げてもらったんです。『デッカー』も武居監督がメイン監督だったので、初めて大輝くんと会ったときに監督について「ほんとうにウルトラマン愛に溢れる熱い方だよ」とお話を聞いていたんですが、実際現場に入ってみたらその通りの方で。自分は特撮の経験があまりなくて、こんなに長いドラマに挑戦させていただくのも初めてだったので、僕も監督を拠り所にさせてもらっていました。監督にはコウセイの背景など全部のビジョンが見えているので「わからないことがあったら聞く」と決めて、都度確認しにいっていました。
武居●始めの頃は役についてもいろいろお話しましたね。でもわりと今回はキャストひとりひとりが自分たちで作っていった先でキャラクターが出来上がる、というやり方にしていました。『R/B』や『デッカー』のときは初めにしっかりキャラを作っていたんです。でも今回は「ソラトが人間と交流してどう変わっていくか」が一番面白いところでもあるので、それぞれが台本を読んで感じたことが化学反応を起こしてキャラクターが出来上がっていけばいいなと。もちろん僕からもある程度お話はしましたけど、型にはめるようなことはあまりしなかったと思います。
吉田●たしかにお芝居に関しては僕らが持ち寄ってきたものを尊重してくださって、「もう少しテンション上げて」とか細かなディレクションがあるくらいでした。どちらかというと変身シーンやコウセイがメテオカイジュウを掲げるシーン、戦闘シーンとかのカッコよさをとにかく求めて、じっくりと作り上げられていた印象です。
――ソラトはウルトラマンシリーズの主人公としてはやや独特なキャラクターだと思います。ソラトという役を作り上げるうえで監督や近藤さんが大事にしていたことはありますか?
武居●ソラトに関していちばん重要視していたのは「ウルトラマン自身である」ということですね。人間ではない、宇宙から来た存在が人を学んでいくところが面白さだと思います。それから、とにかく決めるときはカッコよくすることを心掛けていました。普段は地球のことがなにもわからないので変なこともするんだけど、変身シーンだったり、目の前に怪獣が現れたらスイッチが入って彼のヒーロー性が見える。ソラトは特にそこの温度差を大事にしました。
近藤●ギャップが多い役ですよね。顔つきが変わるというか。
――逆に宇宙人的な、地球のことがよくわからない独特の雰囲気もソラトにとって重要ですよね。あの雰囲気はどのように演じているのですか?
近藤●……わかんないですね。
一同●(笑)
武居●でもほんとうにそうだと思います。衣裳合わせからホン読み、撮影と段階ごとに調整を積み重ねていった感じで。
近藤●ホン読みで「こういう感じで行こうか」って決めても、インしたらまた全然変わっていたりしましたからね。撮影現場で人と接して表情を使ってお芝居をすると、やっぱり違うなってなるんです。
武居●たとえば『ターミネーター』のT-800みたいに基本無表情でやるのもひとつの方向性なんです。最初はそっちの方でも考えていたんですけど……ソラトはやっぱりコウセイとのシーンが多いので。コウセイは現代の若者、元気で明るい普通の子という役で、感情が全部出るんですよ。ほんとうに全部! そんなコウセイと一緒にやっていくとなると、明るいソラトの方が噛み合うんですよね。そんなふうにソラトはコウセイとの化学反応で出来上がっていきました。
近藤●あとソラトをやるうえで意識したのは、感情がわからないだけで感情自体はあるキャラクターにすることです。
武居●わからないから出してないだけなんだよね。
近藤●なので、だんだん感情豊かになっていきます。コウセイよりソラトの方がはっちゃけてるときもけっこうありますね。一緒にお芝居している相手によっても変わるから、僕も楽しくなっちゃって(笑)。
武居●お話が進んでいくと魅力的なゲストの方たちもたくさん出てくるので、そうなると「ソラトもはっちゃけさせた方が面白いな」と。
近藤●変な人たちがいっぱい出てくるんですよ(笑)。
武居●ソラトはとにかく変な人たちと相性がいいんです。
近藤●個性豊かなゲストに乗っかっちゃう僕と、コウセイは乗っかれないから……。
吉田●たじたじにされる(笑)。
武居●で、アユムはこれがまた動じないんですよ。「普通はもっと変だと思うよな」みたいなこともスルーして受け入れたりする。それぞれが役を練り込んだ結果、三者三様ですごくいいバランスのキャラクターになったなと思います。
――最後に、まもなく放送の第1話と今後の見どころを教えてください。
武居●僕はソラトっていうキャラクターがすごくカッコいいと思ってるんです。彼の独特なキャラは、ヒーローとしては今までとは違う見え方になるかもしれませんが、そこに引っかかりを持って観ていってほしいです。それからウルトラマンのデザインや変身アイテムのスラッガーにもかなりこだわって、とにかくカッコよさを追求しています。まずはそういうところから楽しんでいただければと思います。
吉田●僕が演じるホシミコウセイは、いろんなことに興味を持って取り組むことができるんですけどどうにも長続きしなかった、ちょっとビビりで情けなくて、自分のやりたいことを模索している、どこにでもいるような青年です。そんな青年がソラトと出会って、怪獣が出てきて日常が非日常へと変わっていく。そんななかでコウセイがどのように変化していくのかを見ていただきたいです。それから、ときには怪獣との共存を考えるなど「相手を理解する」ことや、コウセイが自分のやりたいことを探しているように「自分を見つめる」こととかも『ウルトラマンオメガ』の大きなテーマのひとつだと思っています。「なぜウルトラマンが地球を守るのか」という壮大なテーマにも迫っていて、これまでの作品の根本にも繋がる話だと思うので、そこもぜひ注目していただければと思います。
近藤●とにかくワクワクする1話になったと思います。最初は「こいつはほんとうにウルトラマンなのか?」と思う方もいるかもしれません。とにかく正義感のなさそうな主人公で、どちらかといえば元気のいいコウセイの方が変身しそうに見えるかも。でもふとしたときに「やっぱりソラトってヒーローなんだ」というのが垣間見える箇所が1話の中にもたくさんあります。「謎の男」に初めてできた友だちコウセイとの出会いという、『ウルトラマンオメガ』の序章としてとにかくワクワクする1話で、何回観ても楽しめるんじゃないかなと思ってます。楽しみにしていてください!
近藤 頌利
こんどう・しょうり
1994年4月12日生まれ、大阪府出身。ワタナベエンターテインメント所属。大学卒業後に俳優を志し、劇団Patchに入団してデビュー。舞台、ドラマ、映画などで多岐に活躍している。主な出演作にハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!! 』、ドラマ『全ラ飯』、『院内警察』、『秘密〜THE TOP SECRET〜』など。
X(旧Twitter)■@p_shori_k412
Instagram■@shori_kondo412
吉田晴登
よしだ・はると
2000年12月15日生まれ、東京都出身。BOOSTAR ENTERTAINMENT所属。幼少期に俳優を志し、小学生で子役としてドラマ・映画に出演して俳優デビュー。ドラマ・映画に加え舞台にも参加するなど、若手実力派俳優として活動分野を広げ数々の作品に出演している。主な出演作に大河ドラマ『軍師官兵衛』、ドラマ『なんで私が神説教』、映画『蜩ノ記』、『6人ぼっち』など。
X(旧Twitter)■@_haruto_yoshida
Instagram■@haruto_yoshida1215
武居正能
たけすえ・まさよし
1978年9月4日生まれ、山口県出身。日活芸術学院在学中に映画『トワイライトシンドローム〜卒業〜』へ演出部見習いとして参加し、2001年に『ウルトラマンコスモス』で助監督を務めて以降、シリーズの多くに参加している。ドラマ『TAXMEN』『宇宙犬作戦』で助監督兼任で監督としてデビューした。ウルトラマンシリーズでメイン監督を務めるのは『ウルトラマンR/B』『ウルトラマンデッカー』に続き本作で3作目となる。
X(旧Twitter)■@takezou9696
『ウルトラマンオメガ』7月5日から毎週土曜日午前9:00~テレ東系ほかにて放送開始!

笑いの絶えない座談会で撮影現場の雰囲気を伝えてくれたキャスト・スタッフ陣の贈る新作『ウルトラマンオメガ』は7月5日から14言語対応(予定)で全世界同時放送&配信スタート!
新たなウルトラマンの「目覚め」をその目に焼き付けよう!
ウルトラマンオメガ
[キャスト]近藤頌利●吉田晴登●工藤綾乃 ほか
[スタッフ]メイン監督:武居正能●シリーズ構成:根元歳三、足木淳一郎●製作:円谷プロダクション、テレビ東京、電通
「宇宙船 vol.189」に『ウルトラマンオメガ』情報&インタビュー掲載!
7月1日(火)発売の「宇宙船 vol.189」には『ウルトラマンオメガ』情報と、この座談会に参加した近藤頌利、吉田晴登、武居正能監督のソロインタビューを掲載! 自身の思いと作品の魅力についてさらに深く聞いているぞ!!
©円谷プロ ©ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京