わずかなディテールと多彩な塗装表現で傑作キットをブラッシュアップ

　コスモタイガーIIとともにリリースされたメカコレDX 試製空間戦闘攻撃機 コスモパイソン。コスモタイガーIIと同じく2機セットとなっており、それぞれパーツ選択で通常戦闘モードと高機動モードのどちらかを製作できる仕様となっている。全長11cmほどの大きさながらシャープな造形に極薄の偏光成型を採用したキャノピーなど、最新キットにふさわしいハイクオリティキットを、わずかなディテールアップと塗装表現でさらにブラッシュアップ。キットの素性をじっくり楽しめる作例となっている。

通常戦闘モード

高機動モード

　『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』より、戦闘空母ヒュウガ艦載機として初登場し、編隊が連携して同一箇所に射撃する「ショートジャブ」戦術を披露したコスモパイソンがメカコレで登！しかも2機セットという内容なので、通常戦闘モードと高機動モードを1機ずつ製作しています。
　モード変更は胴体部分の差異だけで実現しており、機首ユニットの取り付けダボの位置と左右の翼ユニットの取り付け角度の違い、またその角度の違いによる尾翼の差し替えで、それぞれの形態が再現できています。またこのサイズでは珍しく、キャノピーがクリアーで極薄の偏光成型となっており、劇中での新鋭機らしさもキットそのままで再現できる構成となっています。
　今回はキットレビューの意味合いもあって基本的にはストレートに組んだものですが、あとの塗装時にラクをするためにパネルラインはすべて一度彫り直して、スミが流れやすくしています。また尾翼部分など省略されているラインは追加して情報を足しています。
　機首部分は普通だと側面に合わせ目がくるものですが、回り込んで下面のパネルラインに沿ったラインで上下分割する工夫がされています。そのぶんエッジはペーパーがけをしてシャープにするべきところと考えて、6門のパルスレーザー発射口はいったん削り落としてから、ピンバイスで開口し直し、フェアリングは0.5mmのプラ丸棒を斜めに削いだものを付け直してみました。
　塗装はガイアノーツのサーフェイサーエヴォを下地として、タミヤラッカーのダークゴーストグレイを全体に、さらにクリアーと溶剤で薄めたMr.カラーGXクリアブラックをまつおーじさん特製のテンプレート越しにふわっとかけることで、箱絵にも描かれている機体面の汚れを追加。影になるところなどはMr.ウェザリングカラーマルチブラックで少しコントラストを強く出しています。
　パネルから流れ出たようなオイルの表現には4Bの鉛筆で描き込んで綿棒でぼかし、ハイライト部分にタミヤ水性アクリルの明灰白色でドライブラシを加えたりと、このサイズ（約11cm）のなかでさまざまな技法を追加してみました。

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© 西﨑義展／宇宙戦艦ヤマト3199 製作委員会