いよいよシリーズ「ファイナル」! 映画『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』完成披露舞台挨拶レポート!
2025.06.10ついに「終(ファイナル)」! 豪華キャスト、監督登壇の映画『死神遣いの事件帖』完成披露舞台挨拶レポート
映画と演劇の融合したメディアミックスプロジェクト【東映ムビ×ステ】。その中でも初のシリーズ作品となっている『死神遣いの事件帖』の第三弾にして「ファイナル」の映画『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』が6月13日(金)より公開される。それに先立ち6月9日(月)、新宿バルト9にて映画の完成披露舞台挨拶が行われた。
舞台挨拶には映画に出演しているキャストから鈴木拡樹(久坂幻士郎 役)、安井謙太郎(十蘭 役)、生駒里奈(おみつ 役)、梅津瑞樹(無限狼 役)、崎山つばさ(庄司新之助 役)、松本寛也(義助 役)の6名と、柴﨑貴行監督が登壇。ファイナルを迎えたシリーズへの思いや映画の見どころ、撮影の裏側などが語られた。
まずシリーズがついに「ファイナル」を迎えたことについて、鈴木が「こうして全部で(今年8~9月上演予定の舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』を含めて)6作品できたということで、しっかり“シリーズ”といえるものになったなと思います。終着点、ファイナルというタイトルでやらせてもらえるのも胸アツで、ほんとうに嬉しい機会をいただけたなと感じてます」と感慨を語る。
『死神遣いの事件帖』は「ムビ×ステ」初のシリーズ作品であり、2020年に公開された第1弾の映画『傀儡夜曲』から映画と舞台を交互に上映・上演してきた(※2作目の映画『月下奇譚』は2作目の舞台『幽明奇譚』上演よりも公開が後だが、撮影は舞台上演よりも前)。今回の映画について鈴木は「2作目の舞台でそれまで描かれていなかった衒太夫(幻士郎の父)との話をやって、また映画に戻ったことで、自分の中でも幻士郎のバックボーンが濃くなりました。それが今作にも活きてきたかなと感じています」と語る。また2作目の映画『月下奇譚』ぶりの出演となった安井は「京都の撮影所に行ったときは久しぶりな感じがしました。十蘭の衣裳の着方も僕も着つけてくださった方もうろ覚えで、現場に行ったら『違くない!?』って言われて……一回着替え直すっていう失態を犯しました(笑)」と撮影時を振り返った。
また同じく1作目からのキャストである崎山は「1作目の映画の撮影の頃は侠客(崎山演じる新之助が率いる鬼八一家)みんな初めましてで、監督に『仲良く見えない』って言われたのをずっと覚えてて。それから映画舞台と何作品かやらせていただいて、今作では監督になにも言われず任せられるくらいの雰囲気を出せてよかったです」とシリーズを通しての変化を話す。同じく鬼八一家の義助を演じた松本も「3作目にして監督がテンションのコントロールだけで演技指導してくれるくらい、僕たちを信頼してくれている安心感がありました」語った。
また、今回「ムビ×ステ」シリーズ初参加となった本作のヒロイン・おみつ役の生駒はシリーズについて「もちろん知っていましたし、まさかファイナルに呼んでいただけるなんてすごく嬉しかったです。でもいきなりファイナル!? 行って大丈夫!? 烏滸がましくない!? みたいな気持ちもありました」とオファー時を思い出す。
一緒のシーンが多かった幻士郎役の鈴木について「やっぱり凄かったです。お芝居してるときはほんとうに“幻士郎”しかいない。そういうところがやっぱかっこいいなと思いましたし、ずっと続いてる作品を担ってる方なんだなと勉強させていただきました」と語った。生駒と鈴木はふたりとも人見知りとのこと。「現場の待機部屋に拡樹くんが入ってこられた瞬間にめっちゃ緊張しちゃって。『どうしよう、喋れない!』って。時がそのまま穏やかに過ぎて撮影に行かれました(笑)」と撮影時を振り返った。
そんな生駒について監督は「過去2作にも彼女の後輩にあたる乃木坂の子が出てくれたんですが、最後に先輩がやってやるぞ! という意気込みを感じました。さすが堂々とやってくれたので安心して任せられました」と称賛の言葉を贈った。
最強の死神・無限狼を演じた梅津は「ムビ×ステ」シリーズの出演は今回で三作目。今作の雰囲気について「今回が群を抜いて特殊な役柄こともあってみなさんの輪にうまく入れるかなって不安もありました。でも現場もほんとうにみなさんあったかくて、優しいカンパニーで楽しませていただきました」と話した。
梅津が自身の役について「元々死神界にいたが今は人間界で世を忍ぶ仮の姿として農家をやっている。ビジュアルに写っている鎌は実は長いさつまいも」という冗談を口にすると、生駒から「でもたしかに現場で焼き芋食べさせていただきました」というまさかのレスポンスが。スタジオ撮影が主だった梅津は口にできていないようだったが、外での撮影時の焼き芋は「“しにつか”名物」だという。監督から「寒い時期だったので、ストーブを有効活用して焼き芋やソーセージ、ちくわを焼いてキャストのところに持って行ったりしてね。みんなの心をあっためようと頑張りました」と温かい撮影現場の様子が語られた。
今作の主題歌「いつか」は映画前作に引き続き安井が所属する7ORDERが製作・歌唱を担当している。この楽曲について安井は「監督から『別れ』『再会を願う歌』とお題をいただいて、自分の心境と重ねながら書かせていただきました。いつもは歌詞もメンバーみんなで手分けしながら書くんですけど、今回は僕が全編作詞をやらせていただきましたので、安井濃度が高めな曲になってます。幻士郎さんを想って書きました」と話す。
同じく映画第1作で主題歌「幻想人」の作詞・歌唱を担当した崎山は映画の主題を作る作業について「最後に主題歌が流れたときにもう一度映画を反芻できる、映画に寄り添った曲にしたいなと思っていました。僕として書いてるんだけどそれが新之助の思いにもなったり、役作りにも役立った部分がありました」と振り返る。安井も「普段の製作とまたちょっと違う角度で作るイメージがあります。作品に寄り添うっていうのは自分自身勉強になりました。2作目映画の主題歌「爛漫」とは全く違う楽曲で、新しいチャレンジをさせていただきました」と語った。
最後に映画を楽しみにしているファンへ鈴木からメッセージ。「シリーズとして大切に温めてきましたこの作品、みなさんのお力でファイナルまでこぎつけることができました。また今回初めて観ると言う方も、『死神遣いの事件帖』はどこからでも観られる作品になっております。今回が楽しかったらぜひ他の作品も観ていただいて、また多くの方に鑑賞していただきたいです。過去の作品も含め、みなさんでまた愛でていただけると幸いです。よろしくお願いします」と締められ、作品への期待が高まる舞台挨拶は大盛況で幕を閉じた。
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