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【カードゲーマーweb】ブシロード・木谷社長に独占インタビュー!大盛況「カードゲーム祭2025」の振り返りと今後の展望を語る

2025.05.30

史上最大のカードゲーム&アナログゲームイベントをブシロード社長が振り返る!

5月3日、4日の2日間、東京ビッグサイトにて開催された「ローソンエンタテインメント presents カードゲーム祭2025」。ブシロードが展開しているカードゲーム11タイトルの大会や展示、ステージイベントが実施されたほか「アナログゲームの祭典」として多くのメーカーがブースを出展し、総来場者は2日合計で21,929名の総来場者数を記録した。そんなビッグイベントを終えたブシロード・木谷高明社長へ、後日インタビューを実施。イベントを振り返りつつ、今後の展望を語っていただいた。

▲株式会社ブシロード 木谷高明社長

───「カードゲーム祭2025」は史上最大の来場者数を記録したとお聞きしています。本イベントを振り返って、木谷社長の視点から100点満点で評価すると何点になるかお答えください。

木谷高明社長(以下「木谷」):95点ぐらいではないでしょうか。前年よりも規模が30%ほど拡大して、来場者も目標の2万人も達成できました。自社のタイトルも増えて、アナログゲームの出展者様も増えて、カードゲームだけではなく、アナログゲーム全体を1つのイベントとして楽しめるようになりつつあるかなと思います。「なっている」と言いきれないところは、各タイトルのプレイヤーとして来場された方は、朝から晩まで同じタイトルのファイトイベントに張り付かざるを得ないというところです。来年以降はもう少しライトな大会にして、メインの大会に参加しつつ、ほかのタイトルの体験会にも参加できるような流れを作りたいです。

───たしかに、南1-2ホールが多彩な出展ブースが賑わう、まさにお祭りのような雰囲気だったのに対して、南3-4は1日中 カードゲームに打ち込む真剣勝負が繰り広げられているイメージが強かったです。こういったブースの配置も考えられていたのでしょうか。

木谷:ライトに楽しむユーザーが多いタイトルは、出展ブースの多い南1-2ホールになるべく配置できるようにはしていました。今回はホールが上下階に分かれてお互いのホールの様子が確認しづらく、若干分断されていたのも反省点かなと考えています。「カードゲーム祭2026」は同じ東京ビッグサイトの西1・2・4ホール&アトリウムで開催予定で、こちらは横に広く広がる形になっていますので、もっとホール間の人が流れてきやすくなると思います。視界に入っていればメインのタイトルを遊んでいる合間に「あそこが盛り上がってるみたいだからちょっと行ってみよう」となりますし、戻って来る時間も把握しやすいですから。会場面積自体も30%ほど広くなりますし、出展者もさらに増やしてより楽しめるイベントにしたいですね。

───例年とくらべて海外からの来場者が多かったのも印象的でしたが、こちらは施策などされたのでしょうか。

木谷:海外からのお客様に対する意識は去年、一昨年ぐらいから少しずつ始めていまして、ホームページや場内表示は英語と中国語も表記しています。海外のお客様が増えた要因としては、純粋に『hololive OFFICIAL CARD GAME』『ラブライブ!シリーズ オフィシャルカードゲーム』といった海外注目度の高いIPタイトルが出展したところもありますが、イベント前日の5月2日に複数のタイトルで英語版の世界大会を開催していたので、そこへいらっしゃった方がそのままカードゲーム祭にも来場いただいたというのがあります。また、4月26日、27日にKアリーナ横浜で開催した『MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」』など、ゴールデンウィークにブシロードのイベントを集結させるキャンペーンをやっていましたので、そちらが実を結んでくれたのかなと。パンフレットの言語対応など、まだまだできることはありますので、今後も海外へ向けた施策は展開していきますよ。

───ここからはいくつかのタイトルについて、ピックアップしてお聞きしていきます。まずは『カードファイト!! ヴァンガード 』(以下『ヴァンガード』)について、メインイベントのトリオファイトはもちろん、8人トーナメントから輪投げなどのアトラクションにいたるまで、どの企画も盛況だった印象でした 。木谷社長の感触はいかがでしょう?

木谷:賑わってくれたのは大変ありがたいですね。『ヴァンガード』は来年で15周年を迎えるので、そこへ向けた良い勢いになってくれていると思います。ブースはもちろん『ヴァンガード』は物販も好評で、アクリルスタンドもかなり売れましたし、キャラクターのスリーブもかなりの数用意したのですが、会場ではありがたいことに完売となりました。今の『ヴァンガード』は3種類のお客様がいると思っていて、1つはカードゲームだけを楽しむ層。1つはカードゲームはあまり買わないけれど、アニメなどの作品は追っている層。最後は両方好きな層です。今回のブースの盛況や物販の好評を受けて、それらすべてのお客様の要望にしっかり応えることができたかなと。

───『ヴァンガード』のファイトエリアでは、多くの大会がカードと並行してデジタルゲーム版『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ2』でも実施されていたのがユニークでした。こういったデジタルとアナログの並行実施は今後も展開されていくのでしょうか。

木谷:これはやっていきたいですね。日本だと割と近所にカードゲームショップがあるし、対戦相手も見つけやすいといったユーザーさんは多いでしょうが、海外ではなかなか対戦相手を探すのにも苦労する大きな国もありますから。デジタルで離れた相手と対戦できる文化は大事だと思います。

───今回はサイドイベントのみでしたが、今後メインイベントになる可能性もあるのでしょうか。

木谷:全然アリじゃないですかね。おかげさまでアクティブユーザーもかなり多いですし、eスポーツ的な展開も目指せるのではないかと思います。アナログの『ヴァンガード』は遊んだことがないけど『ディアデイズ』はがっつり遊んでいるプレイヤーにも盛り上がれるような施策ができるといいですね。

───展示エリアではTVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez デラックス決勝編』 の7月放送に先駆けて、優勝者予想のキャンペーンも実施されていましたね。かなりの来場者が参加されていて、アニメの方も盛り上がりを感じましたが、今後のアニメへの期待などをお聞かせいただければと思います。

木谷:キャンペーンは優勝者を予想してシールを貼ってもらう企画でしたが、投票したキャラのステッカーがもらえることもあって、予想より、願望も多かったでしょうね(笑)。 同様の優勝者予想を前シリーズ『 will+Dress』 でもやっていたのですが、予選と決勝をワンクール13話で駆け抜けたんです。一方、今回は前シリーズも含めて馴染み深いキャラクターがたくさん参加しているので、予選だけでワンクール使って、いよいよ決勝というところですので、さらに盛り上がってくれるんじゃないかと期待しています。売り手としては、員弁ナオが敗退してしまったのは少し残念ですけどね(笑)

───ナオは『Divinez』 でもとりわけ人気のキャラクターとお聞きしています。

木谷:ナオのような「いい先輩でありつつ、実は弱い部分もある」性格って、ユーザーの人気が結構高いんですよ。いい先輩は憧れの存在ですからね。

───アニメの視聴者層も広がっていますし、そういった所作に魅力を覚えるユーザーも増えているかもしれませんね。続けて『ヴァイスシュヴァルツ』(以下『WS』)の質問になります。「カードゲーム祭2025」では「オールドスクールパーティー」という、過去の環境でデッキを構築するファイトイベントが実施されていました。こちらは15周年のイベントで開催された「メモリアルカップ」と同様の企画になるかと思いますが、そのときの反響を受けて実施されたのでしょうか。

木谷:そうですね。今遊んでもらったり、今買ってもらうのは、過去を大切にすることも重要で、それを現場でしっかり意識している結果だと思います。例えば、今から『WS』を始めたユーザーさんがいたとして、過去カードを遡ろうとしても、4、5年前くらいまでしか無理だと思うんです。それに、参戦タイトルに思い入れのあるユーザーさんが大会に参加しようと思っても、そのタイトルのカードが10年前のものだったらなかなか勝てないでしょう。そういった新旧どちらのユーザーさんにとっても意味のある大会になっていると思いますので、今後も続けていきたいですね。このイベントのために『WS』だけで大きな会場を借りて……というのは難しいかもしれませんが、店舗大会レベルではもっとコンスタントに実施できるといいかもしれません。

───続けて7月に発売が迫る『ゴジラ カードゲーム』 について、今回の出展タイトルのなかでも特に目を引く「ゴジラ」シリーズならではのインパクトを感じました。木谷社長の印象をお聞かせください。

木谷:巨大アートが遠目からでも見えて、ブースに来たらゴジラのグリーディングをやっていて、そのまま体験会にも参加できてと、かなり関心を持っていただけたんじゃないかと思います。良かったですが、フロア自体の人通りがもっと多ければもっと良かったかな。

───体験会には親子で参加されている方も多かった印象です。

木谷:そうなんですよ。何をきっかけに親子で参加してくれているのかはまだリサーチする必要はありますが、現役でカードゲームに触っていた世代に子どもができて、一緒に参加できる年齢になってきたということでもありますね。今後はさらに増えていくと思うので、そういった方へのアプローチも増やしていきたいですね。

───次は『hololive OFFICIAL CARD GAME』(以下『ホロカ』)の質問になります。2日目のファイトイベントのなかではとりわけ大きな盛り上がりを見せていたタイトルかと思いますが、今回初出展となった経緯をお聞かせください。

木谷:『ホロカ』はブシロードがずっと販売・運営協力を続けていますので、その流れでお声がけをしたらぜひ、という自然な流れですね。ユーザーの人気も高いですし、出るべくして出ていただいたという感じです。サイドイベントもあわせて2000席用意したのですが、間に合わないくらいの来場者にご参加いただけました。来年も出展してもらえたらと思いますが、お客様の密度が高すぎてしまったタイミングもあったので、1日目と2日目に分散するといった施策も検討してきます。『ホロカ』は真剣に取り組むユーザーも増えてきて、『ホロカ』しか遊んでいないという方もたくさんいらっしゃると思うので、イベントではその期待には応えていきたいですね。

───「カードゲーム祭2025」の反響を受けて、木谷社長の視点から今後の「カードゲーム祭」への展望があればお聞かせください。

木谷:まず「カードゲーム祭」自体は4年前に「ブシロードカードゲーム祭2021」として始めたイベントでしたが、前回から「ブシロード」の文字を取って、オープンプラットフォームにしていこうということで、他社メーカー様にも出展いただいて、今年はそれがさらに増える結果となりました。また、カードゲームに限らず、アナログゲームメーカーにも出展を提案できるようになったのは非常に良い傾向かなと思います。これをもっともっとアナログゲームのインフラとして発展させていきたいなと考えていますね。先にお話した、今回より1.3倍広い西1・2・4ホール&アトリウムでの開催 もその一環です。ステージイベントをもっと盛り上げたいのですが、カードゲームイベントのステージはアナウンスと被ってしまうので音楽を流したり、音を出すのがなかなか難しいんですよ。なので広い会場を活かしてメインステージを2つにするなどで対応したいですね。あとは、アトリウムの利用も検討しているので、そこに展示エリアを拡大して持っていく可能性もあります。ただ、会場を広くしても全部回りきれないと思うので、できれば開催日数を増やしていきたいですよね。現状でもかなり費用をかけているので、どこまで実現できるかはわかりませんが……。

───費用を押してまで開催するというのは、やはり先程お話されたアナログゲーム業界の盛り上がりを期待してというところなのでしょうか。

木谷:そうですね。もちろん、単純に自社タイトルのプロモーションとしても大きな意味があると思っています。やっぱり大きなイベントが1つあると、そこに向けていろいろ企画が走るじゃないですか。それで各タイトルについてくれているお客様に楽しんでいただきつつ、先にお話したライトなイベントをたくさん用意して、ほかのタイトルや出展ブースもあわせて満喫できるようなイベントが理想です。来年も同じ日程、同じ会場で開催を予定しているので、ゴールデンウィーク=カードゲーム祭というイメージが定着してくれるとうれしいですね。

───最後に「カードゲーム祭2025」の来場者と、本記事の読者へひとことお願いします。

木谷:まずは来場者のみなさん「カードゲーム祭2025」にお越しいただき本当にありがとうございました。おかげさまで非常に盛り上がったイベントとなりました。また読者の方でまだ来たことのない方は、来年こそぜひいらしてください。いろんなカードゲームの体験ができるし、対戦もできると思います。カードゲーム以外の展示やブース出展も楽しいイベントになっていますので、ぜひご来場お待ちしております!

───ありがとうございました!

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