大森記詩が放つオリジナルSFメカ「非統制多脚戦車”グラクネル”」が登場! クモを彷彿させるビジュアルや独自の世界観を堪能せよ!【MIXINGSCAPE】
2025.06.24
MIXINGSCAPE No.018
彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング /キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画 MIXINGSCAPE。今回も多種多様な形状のパーツから 生まれる新たなフォルムの数々をお楽しみいただきたい。
「カーシガ、見える? グラクネルの直掩にいる二脚達を頼みたいのだけど」
「また囮かね? 今回も取り分に期待するとしよう」
「状態の良い脚が獲れたら、あなたの総取りでどう? ヤザにはまだ経験 が足りないから、お手本を見せてやってほしい。それにしても、あれが観測隊の言う母艦から放たれているのだとしたら、大規模な遠征になるかもしれない。ケーレスブーンの夕暮れともお別れか。残念」
「それは、好条件だ。しかし、駒だけでなく、艦まで新造されているという話が事実なら、たしかに厄介だ。速やかに発見の上で破壊、あるいは」
「奪取、したいでしょうね。彼らはそう考える。破壊しても剥ぎ取れないのでは、割に合わないもの。観測隊と協働するなら、欺瞞コードの提供も期待できるかな。きっと、ブーシュ辺りがもう渡りをつけてるはず。バリンガンに戻ったら準備を始めましょう。ジュエルダにも声をかけてみようか。 そろそろ蓄えも減った頃合いだろうし」
「戻ったら機体を分解整備に出すとしよう。弾も目一杯必要だ。ちょうど 馴染みが乗り込んでる輜重艦が来る。今回も買い付けは任せてくれ」
「お願いするわ。じゃあ、一層気合いを入れて仕留めましょうか。ヤザ、ディーレイで火力支援を、カーシガに当てないようにね」
▲自走砲的なイメージからスタートしたこともあって、当初は無砲塔で固定式砲を搭載しているというのも思案していたのですが、それだと自走砲のイメージそのまま過ぎますし、全周砲塔が1基というのはいかにも過ぎるし…それならば多砲塔? となり、そこから直列で砲塔2基配置の戦間期フランス戦車FCM F1などを思い出しつつ、脚部、機体、全周砲塔で高低差を強調した三段構造の姿になったのでした。機体の背中にあたる部分はタミヤ1/35キングタイガー(ヘンシェル砲塔)の砲塔底面パーツをベースにしつつ、そこに円筒プラケースのフタを重ね、砲塔基部らしい厚みを持たせています。フタのところまでは正中線を基準にして積み上げていますが、砲塔もそのまま中心軸で配置すると単調になってしまうので、ズラして取り付けました

1/35スケール スクラッチビルド
非統制多脚戦車“グラクネル”
製作・文/大森記詩
全高23cm×全福34cm×奥行32cm
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大森記詩(オオモリキシ)
1990年生。彫刻家。本誌では筆塗りによる作例や各種作図等も担当。HP:「kishiomori.com」/ 「春のタンまつり2」お越しいただきありがとうございました! 会場でたくさんの方からいただけたコメントを支えに、5月もまだまだ七転八倒中です。今頃は次の展示情報も公開になっているはず…なので、どうぞよろしくお願いいたします!