『戦闘メカ ザブングル』のウォーカーマシンを4つのカテゴリーで分類&その魅力を考察!!【サンライズロボット研究所 研究報告】
2025.05.18Category4:
軽ウォーカーマシン
一般的な小型ウォーカーマシンの半分のサイズで、移動や戦闘、補修作業を主目的としており、現代の移動手段に例えるならバイクやスクーターに相当する。ブランは小型ウォーカーマシンと記述されるが、便宜上ここに収めた。
Phase3:
ウォーカーマシンの魅力を考察する
ウォーカーマシンの魅力とは何か? 先行するモビルスーツ『機動戦士ガンダム』や重機動メカ『伝説巨神イデオン』、コンバットアーマー『太陽の牙ダグラム』と比較してどのような特徴があるのか?
異論を承知で言えば、「ミリタリズムからの脱却」である。本作がスタートした1982年は、リアルロボットアニメと呼ばれるジャンルが生まれて間もない時期であったが、兵器色を強めるばかりが架空のメカのリアリティではないと提示したのである。ウォーカーマシンは軍事兵器ではない。戦闘に特化したタイプもあるものの、元来は作業機械であり、扱うのも民間人である。軍隊的な統制も、練度も、整備環境もなく、生活の道具として使い倒し、汚し、ぶっ壊し、急場しのぎの補修や改造を施してまた乗り回すものである。燃料はガソリン。窓にはワイパー。ライトや荷台。ウィンチやクランプ。手すりや足かけ。兵器よりもよほど身近な建機、重機、土工機の記号に溢れている。肉体感覚に訴えるサイズの小型ウォーカーマシンでは特に顕著で、後続作品のオーラ・バトラー『聖戦士ダンバイン』やアーマードトルーパー『装甲騎兵ボトムズ』が全高4~7m程度と、従来よりもぐっと小型化していることからも、ひとつの転換点であったことがわかる。コミカルな演出ともあいまって、ロボノイド(『未来少年コナン』)にも通じる愛嬌とアナクロ感がある点も見逃せない。こうした特質は、後のレイバー『機動警察パトレイバー』等に色濃く受け継がれることとなる。
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