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『戦闘メカ ザブングル』のウォーカーマシンを4つのカテゴリーで分類&その魅力を考察!!【サンライズロボット研究所 研究報告】

2025.05.18

サンライズロボット研究所 月刊ホビージャパン2025年6月号(4月24日発売)

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Category4:
軽ウォーカーマシン 

 一般的な小型ウォーカーマシンの半分のサイズで、移動や戦闘、補修作業を主目的としており、現代の移動手段に例えるならバイクやスクーターに相当する。ブランは小型ウォーカーマシンと記述されるが、便宜上ここに収めた。

レッグ・タイプ [Legg type]

ザブングル「レッグ・タイプ」

●全高:2.4m ●重量:7.5t
 歩行脚に加えてホバーノズルも持ち、機動力が高い。小回りが利き、中型以上のウォーカーマシンが入れないような狭所にも潜り込めるのが強味である。固定武装として7.62mm機関銃×2を装備。操縦者の携帯火器が併用されることも多い。後部にトランクを備える。

ホッグ・タイプ [Dugger type]

ザブングル「ホッグ・タイプ」

●全高:3.3m ●重量:18.0t
 カウリングを持ち居住性が良好なため、長距離移動や偵察にも利用される軽ウォーカーマシン。前面6ヵ所のリッドから、先端が各種の工具になった修理用マニピュレーターが伸びる。採掘作業や荷の上げ下ろしには不向きだが、頑丈で出力にも余裕があり、牽引は可能。

ブラン・タイプ [Burun type]

ザブングル「ブラン・タイプ」
ザブングル「ブラン・タイプ」設定線画

●全高:3.2m ●重量:23.0t
 イノセントのドーム警護を担う小型ウォーカーマシン。外部からの指令を受けて自律的に稼働する無人機でマニピュレーターもなく、12.7mm機銃×2、対W・M用ミサイルランチャー×2、スモークディスチャージャー×6などで武装。火力は高いが装甲は弱い。

ホバギー [Hobuggy type]

ザブングル「ホバギー」
ザブングル「ホバギー」裏

 惑星ゾラでは、装輪車や航空機も存在するがあまり発達していない。ウォーカーマシンと並んでポピュラーなのが、ローターファンやノズルによって浮上走行するホバー・マシンで、ホバギーはその代表格。ランドシップもホバー・マシンの一種であり、ウォーカーマシンにもホバー能力は欠かせない。二足歩行と並ぶ重要な要素技術のひとつである。


Phase3:

ウォーカーマシンの魅力を考察する

 ウォーカーマシンの魅力とは何か? 先行するモビルスーツ『機動戦士ガンダム』や重機動メカ『伝説巨神イデオン』、コンバットアーマー『太陽の牙ダグラム』と比較してどのような特徴があるのか?
 異論を承知で言えば、「ミリタリズムからの脱却」である。本作がスタートした1982年は、リアルロボットアニメと呼ばれるジャンルが生まれて間もない時期であったが、兵器色を強めるばかりが架空のメカのリアリティではないと提示したのである。ウォーカーマシンは軍事兵器ではない。戦闘に特化したタイプもあるものの、元来は作業機械であり、扱うのも民間人である。軍隊的な統制も、練度も、整備環境もなく、生活の道具として使い倒し、汚し、ぶっ壊し、急場しのぎの補修や改造を施してまた乗り回すものである。燃料はガソリン。窓にはワイパー。ライトや荷台。ウィンチやクランプ。手すりや足かけ。兵器よりもよほど身近な建機、重機、土工機の記号に溢れている。肉体感覚に訴えるサイズの小型ウォーカーマシンでは特に顕著で、後続作品のオーラ・バトラー『聖戦士ダンバイン』やアーマードトルーパー『装甲騎兵ボトムズ』が全高4~7m程度と、従来よりもぐっと小型化していることからも、ひとつの転換点であったことがわかる。コミカルな演出ともあいまって、ロボノイド(『未来少年コナン』)にも通じる愛嬌とアナクロ感がある点も見逃せない。こうした特質は、後のレイバー『機動警察パトレイバー』等に色濃く受け継がれることとなる。

『戦闘メカ-ザブングル』場面カット
▲バザーの様子。ウォーカーマシンが生活に溶け込んでいる
『戦闘メカ-ザブングル』場面カット2
▲トラッド11系の改造型か、機種不明の小型ウォーカーマシン

\第一回前半はコチラ/

ⓒSUNRISE ⓒBandai Namco Filmworks Inc. ⓒSOTSU・SUNRISE

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