映画『DUNE/砂の惑星』ハルコンネン オーニソプターをキットレビュー!コックピットのディテールアップに加え、ウェザリングで過酷な砂の惑星の雰囲気を再現!
2025.05.15『死を告げる翅音』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『DUNE/砂の惑星』から、独特の世界観と機能美を両立させた優れたメカニックのひとつ、ハルコンネン オー二ソプターの1/72スケールキットをあにの製作でご覧いただこう。トンボを思わせるフォルムは一見すると華奢な印象を受けるが、モンモデルから発売された本キットは、全幅約62.6cm、全長約29.3cmという迫力のサイズで、胴体だけなら同スケールの輸送機にも匹敵しそうなボリューム感である。今回の作例では特に目を惹くポイントであるコクピット中心のディテールアップと、あにの得意とするウェザリングを行い、劇中の雰囲気を再現している。
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』を観た際、ハルコンネン家のオーニソプターが持つ無骨さと機能美に強く惹かれました。
まさか、あの5人乗りの大型輸送機をオーニソプターとしてデザインしてしまうとは。その大胆な発想に圧倒されました。1/72というビッグスケールならその魅力を表現出来るのでは? と思い本作例に取り組むことにしました。
■コクピットのディテールアップ
コクピットは最初に目が行く部分であり、ここを丁寧に仕上げることで模型全体のスケール感が大きく向上します。そのため、この部分には特に力を入れて作業を進めています。まずシートですが、キットではシートが背もたれと一体となっていたため、これを分割して映画の設定に近い椅子の形状に変更しました。シートベルトはマスキングテープを使って自作し、バックルにはエアモデル用のエッチングパーツを流用しました。
さらに、コクピットパネルにはハンダ線を使って配線を追加し、ディテールを強化しています。その際、配線は適度にたるませるのがスケール感を一層引き立てるポイントです。
コクピット内側の壁にもジャンクパーツを使ってそれらしいディテールを加えています。このような箇所は完成後見えなくなることがほとんどです。が、作業中のモチベーションが上がるので私は結果が分かっていても手を加えることにしています。今回も例にもれなく見えなくなりました…。
■キャノピーの加工
キャノピーはそのひとつひとつに本体に取り付けるためのダボがあり、ここが完成後目立ってしまうためダボを削り落としました。しかし、キャノピーはクリアーパーツなので丁寧に処理をしないとキズが残ります。まず表面をペーパー掛けした後、コンパウンドで研磨し、キズを消します。本体のピラー部分にはダボ用の穴が開いているため、プラ板で穴を塞ぎました。なお、接着には通常のプラモデル用接着剤を使うとキャノピーが曇ってしまうため、クリアーパーツ専用の接着剤を使用します。
■塗装
このオーニソプターは砂漠で運用されており、こびりついた砂に覆われ、本来の機体色が判別できないほど汚れています。
その姿はイスラエルの荒涼とした砂漠で運用されるメルカバ戦車を彷彿させます。その無骨で実戦的な雰囲気をイメージしながら機体の塗装を進めていきます。
まず下地塗りとして、タミヤラッカーパテをシンナーで溶かしながら筆で塗ります。モールドの細かい箇所は濃度を薄めにして、テクスチャーをつけたいところは濃度を濃くして筆のタッチを残すように塗ります。こうすることでより立体感が強調されます。
基本塗装はラッカーの筆塗りです。機体色はサンディブラウンとダークイエローと黄土色の3色をまだらに塗ります。翼の付根や、機体下部のランディングギアはダークグレーで塗装。翼はマホガニーにフラットブラックを混ぜた色を使っています。 翼全体や機体の一部にスポンジチッピングを施しましたが丁寧にやり過ぎると、いかにもな表現になってしまうのでスポンジの種類をかえたり、わざと雑に叩いてパターンが均一にならないようにしています。
ラッカー塗装が終わったら、次はエナメル塗料でウェザリングを施していきます。
機体下部、特にランディングギア周りは砂漠の砂塵によって激しく汚れていると考えられるため、デザートイエローとバフを薄めず、そのまま叩くように塗っていきます。乾燥後、溶剤を使って不要な部分を丁寧に落としていきます。
フラットブラックとダークアースを混ぜてスミ入れを行い、同時にウォッシングやフィルタリングを施していきます。
また、翼の根元からにじみ出たグリスが飛行時の風圧によって下へと流れた跡を追加します。
このようなウェザリングを施すことで、機体が過酷な環境を飛び続けてきたという物語を演出することができます。
モンモデル 1/72スケール プラスチックキット
ハルコンネン オーニソプター
製作・文/あに
ハルコンネン オー二ソプター
●発売元/モンモデル、販売元/GSIクレオス●16500円、発売中●1/72、約29.3cm ●プラキット
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あに(アニ)
リアルなウェザリングでドラマチックな情景を作り出すマルチモデラー。第14回全日本オラザク選手権大賞受賞者でもある。