HOME記事特撮『ウルトラセブン』森次晃嗣氏、『仮面ライダー響鬼』松田賢二氏、『秘密戦隊ゴレンジャー』宮内洋氏登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル91】

『ウルトラセブン』森次晃嗣氏、『仮面ライダー響鬼』松田賢二氏、『秘密戦隊ゴレンジャー』宮内洋氏登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル91】

2025.05.13

 4月27日(日)東京九段下・科学技術館で「スーパーフェスティバル91」が開催された。毎回恒例、特撮レジェンドゲストを招くトークショー「特撮アーカイブ」は今回は三本立て! 『ウルトラセブン』よりモロボシ・ダン役の森次晃嗣氏、『仮面ライダー響鬼』よりザンキ役の松田賢二氏、『秘密戦隊ゴレンジャー』より新命明役の宮内洋氏が招かれ、熱狂のステージとなった。今回はトークの一部を写真とともにお届けしよう!


『ウルトラセブン』モロボシ・ダン役 森次晃嗣氏 トークショー!

 1967年10月から1968年9月にかけて放送された円谷プロダクション制作の特撮番組『ウルトラセブン』。この作品でウルトラセブンの地球人の姿である主人公モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣氏が登壇した。「特撮アーカイブ」森次氏の登壇は2009年以来16年ぶり! 会場には多くのファンが詰めかけ、トークショー開始前から類を見ないほどの熱気であった。

 まず登場して一言。「ゴールデンウィークが始まりましたが、楽しい思い出に残るゴールデンウィークにしてください。今日がいちばん思い出に残ってほしいです! 遠くからモロボシ・ダンに会いに来た人ありがとう!」

 『ウルトラセブン』は今年で放送開始から58年だ。「あと2年で60周年だよ? 元気でいたいよね」と話す森次氏にファンは喝采を送った。

 トークはまず森次氏の俳優になった経緯から。「僕は北海道の滝川というところで生まれ育ちました。札幌に住んでる友達のところに遊びに行ったりしているうちに段々夢が大きくなって、『俺は北海道にいる人間じゃない』と思うようになって東京に出ようと。何をやりたいということもなく、ただ東京に憧れて出てきたんです。ただ、人より目立った。僕に声をかける人が増えてきて、その中に芸能関係の人もいたんです」。そのように目立っていた理由については「やっぱりなにか持ってたんでしょうね。その、宇宙人的なもの? ちょっと地球人的じゃない、そんなような感じの人間だったんだと思います」と後の『ウルトラセブン』出演の必然を感じさせる。

 そうして芸能界に入った森次氏はその宇宙人的な雰囲気でやがてモロボシ・ダン役に抜擢。「主役だから、やらないわけにはいかないでしょう。選んでもらえたからには一年間モロボシ・ダンとして突っ走るしかないという思いでした」

 ぴたりとポーズを決める場面が多いダンだが、その動きはかっこよくなるように自分で考えていたと言う。ガンアクションの際の動きなどもダンは比較的シンプルだ。「銃をくるくるって回したりするよりも、僕は当たり前にやっている方がかっこいいと感じるんです」。さらにアクションというとダンはとにかく走るアクションが多いが、「ヘルメットが重くて、きっちり締めとかないと動いちゃうんですよ。走ってきて止まって、っていうアクションでどうしてもヘルメットをかぶった頭が揺れちゃう。易しそうなことほど難しいんですよ」

 ダンがウルトラアイを装着する動きが毎回違うのは主に監督の指示だったそうだ。「ダンがジャンプして、どこからかウルトラアイが飛んできて装着するとか、雪の中に沈んだウルトラアイに顔を突っ込んで変身するとかやりましたね」。さらに、普通に取り出して装着するシーンもなかなか難しいらしい。「ウルトラアイの中心が鼻のところに来なきゃいけないんだけど、これがズレるんですよ。それで何回も撮り直しました。取り出して装着するまでワンアクションだったので」とただ見ているとなかなかわからない苦労も語られた。

 作戦室での場面ではダンは離れたところで静かに皆を見ていることが多いが、これは森次氏が自分で考えた芝居であった。「僕は人間じゃないから意識的に交じらないようにしてました。なるべく離れたところで静かにしていましたね」

 そうしてモロボシ・ダンが宇宙人であることを強く意識していた森次氏だが、一方で徐々に人間的な部分を出すことも考えていた。「映画館ででっかい煎餅食べたり、コミカルな部分も作っていった方がみなさんに好いてもらえるのかなと。宇宙人でありながら、そういった幅を作ろうとしていました」とダンの親しみやすさが森次氏によって生まれていたことがわかる。

 宇宙人としてのモロボシ・ダンの話をしていると、森次氏は好きだと言う最終回のセリフをなんと生披露! 「アンヌ。僕は人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ」。このときのダンの心境について「ダンも自分が宇宙人だと誰かに言いたかったと思うんだけど、言う機会もなくて、最後だからようやく言えたんでしょうね。最終回の台詞は何年経っても心に残ってます」

 そうして写真撮影タイムが始まると思いきや、ここで衝撃のサプライズゲストが登場。なんと『ウルトラマンA』北斗星司役の高峰圭二氏、『帰ってきた場ウルトラマン』ウルトラマン役スーツアクターかつ、『ウルトラセブン』では第14話・15話でウルトラセブンを演じたきくち英一氏が応援に駆け付けたのだ! 贅沢すぎるスリーショットに会場は歓喜に揺れた。

▲左から高峰氏、森次氏、きくち氏。高峰氏は故・団時朗氏(『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹役)のサングラスをかけて登壇していた

 トークショーの最後には森次氏が「いろいろな番組をやってますけど、これだけ愛され続けている作品は『ウルトラセブン』だけです。僕もいつまで元気でいられるか約束はできません。でもまた来年再来年もみなさんと会える日をものすごい楽しみにしてます」と今後の希望を語る。そして「西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んでいく。それが僕なんだよ。さよならアンヌ。僕は行かなきゃならないんだ。さよならアンヌ。デュワッ!」と名ゼリフを残し、壇上を去って行った。

次ページ:『仮面ライダー響鬼』松田賢二氏のトークショーレポート!

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