HOME記事ガンダム20年前のキット「MG RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0」を設定画稿に合わせてボリュームアップしつつフレーム機能を最大限活かして改修!

20年前のキット「MG RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0」を設定画稿に合わせてボリュームアップしつつフレーム機能を最大限活かして改修!

2025.02.01

RX-178 ガンダムMk-Ⅱ【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2025年3月号(1月24日発売)

▲スネ側面のスラスターユニットはケミカルウッドで原型を作り、それを木型にバキュームフォームして新造。キットパーツに被せることで、形状変更&ボリュームアップしている

▲スネ装甲は裾を引き上げつつ、左右非対称で末広がりになるよう形状変更。後方装甲は裾の角度を引き上げている。ヒザ中央ブロックはプラ板を貼って大型化した

▲靴はソール部左右にプラ板を貼ってボリュームアップ。正面のフレームカバーもプラ板を貼って一回り大きく。アンクルガードは上面の角度を調整し、設定画にないモールドを埋めている

▲その他、ヒザアーマー正面を削り込み、よりフラットな面に。スネのシリンダーはメッキをいったん落としてしっとりとした金属色で塗装し直している

▲靴裏はキットのままだが、ここまでのディテールと色分けがなされている

■え? 20年も経つのか!
 初代MG ガンダムMk-IIのリリースが1998年、MG ガンダムMk-II Ver.2.0が2005年! そんなに経つのかとしみじみ思う只野です。せっかくなので、初代MG ガンダムMk-IIも引っ張り出してきて並べ、最近のMG ゼータガンダム Ver.Kaも加えてしばらく眺めながら改修の方向性を思案する。Mk-II Ver.2.0は、特に下半身が華奢なのだが「ムーバブル・フレーム」の実現に関しては画期的だったんだなぁと感慨に耽る。
 上半身のボリュームに対し、華奢な下半身の量感を上げつつも、フレームの機能を最大限活かす方向で改修する。四肢の量感、面構成とフォルムの流れが肝となるだろう。

■下半身の改修
 まずは腰部。股間ブロック下部4mmアップ。正面2mm張り出し、正面装甲延長鋭角化、側面ブロック切り離し大型化。
 次に太モモ部だが、ヒザ可動と連動したスライド機構では装甲に「?」型分割線があり、それを活かす改修を行う。フレームのヒザ上部をまず大型化、正面装甲は左右からプラ板を貼り、正面は最大6mm程度張り出すがゆえに箱組み状態となる。背面は左右1.5mm、計3mm幅増し。スネの左右スラスターを含むふくらはぎ部はケミカルウッドで原型を作り、2mmプラ板にてバキュームフォーム成型。キットのパーツにキッチリ合わせるように切削、フィッティングを繰り返し接着・整形。Zガンダムへの流れを汲むデザインラインを意識している。ヒザアーマーは正面を平たく、ヒザ中央ブロックは大型化、スネ装甲は裾をかなり引き上げつつ左右非対称で末広がりに形状変更。後方装甲は裾の角度を引き上げ、アキレス腱部のフレームを大型化している。
 靴は左右1mmプラ板を貼り幅増し、足の甲フレーム部は一回り大型化、アンクルガードは立体感とくるぶしの六角形部分の形状が重要なので、仮組みを繰り返し改修した。

■胸部と腕部
 コックピットハッチは上部2mm幅増し、下部正面1mm幅増し、襟は頭部が若干隠れる程度に大型化し、ダクトは中央側を1mmほど前進するように角度を付け、ルーバー部を削って薄くしている。
 肩アーマーは胴体側縁に若干角度を付け小型化。下部の面を浅く修正。ヒジ関節露出部(正面)を1mmほど大型化し強調。ハンドはMG ゼータガンダム Ver.Kaのものをライフルに合わせ調整している。また、キットのシールドジョイントは大き過ぎて違和感があるので小型のジョイントを新造し、腕部により密着するようにしている。

■総括
 グリプス戦役でエゥーゴに投入されていた第2世代MS「リック・ディアス」、インジェクションポッドやムーバブル・フレームの採用とともにリニアシート、全天周囲モニターといった技術投入が成された「ガンダムMk-II」。これらがエゥーゴで運用されZ計画にフィードバックされた経緯が、それぞれのデザインラインにも表れており、実に興味深い。作例ではそのデザインラインを検証しつつ、当時の設定画を再確認したものとなった。
 U.C.0087年の時代に多様化したMSたちを、今一度掘り下げ面白がるのにも良い時代だろう。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”ガンダムMk-II Ver.2.0使用

RX-178 ガンダムMk-II

製作・文/只野☆慶


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