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『ウルトラマンレオ』二家本辰己氏、『仮面ライダー龍騎』加藤夏希氏登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル90】

2025.01.19

『仮面ライダー龍騎』加藤夏希氏トークショー

 前回の「特撮アーカイブ」では初のヒロインゲストとして芳賀優里亜氏が招かれていたが、今回のゲストは史上初の女性ライダーを演じた加藤夏希氏。毎回恒例の鈴村展弘監督の登壇もあり、『龍騎』『燃えろ!!ロボコン』など作品と役への想いを語った。

 自身もフィギュアなどが好きだという加藤氏はスーフェスの会場に目を輝かせながら登場。トークはまずデビューのきっかけの話から始まった。「小学校6年生のときに元気っていうゲーム会社のキャンペーンガールに応募したのがきっかけです。当時『首都高バトル』っていうゲームで兄にどうしても勝てなかったんです。当時はネットもないので攻略法を調べられないし、攻略本はお小遣いでは買えない。じゃあゲームを作ってる人に聞きに行こうと思って、ゲーム会社がキャンペーンガールを募集してたので写真貼って応募してみたんです。そしたら書類審査を通過してオーディションで東京に来てくださいって言われちゃって、親に黙って応募してたので『あんた何応募してんの!?』って(笑)。それでオーディションに行って、そのときの審査員に当時の事務所の方がいて所属することになりました。ゲームの攻略法を知りたかっただけなのに、いつの間にかタレントになってしまいました(笑)」と驚きの動機が明かされる。

 まだ「コスプレ」という言葉も一般的ではなかった時代に元祖コスプレイヤーのような立場を確立していった加藤氏。そのはじまりとして『燃えろ!!ロボコン』出演時のロビーナの写真集をあげる。「当時私の親が水着の写真集を出すのは絶対駄目だって言っていたんです。それでうちの親を説得するためにあくまでもこれは本人ではなくロビーナですってことにして、なんなら身体から下は全部合成でもっていう。だからあれは苦肉の策だったんですよね」。『燃えろ!!ロボコン』当時中学2年生だった加藤氏だが、金髪にナース服というロビーナの恰好ゆえに同級生にはしばらく気づかれなかったと言う。「私がロビーナの恰好をせずに、ロビーナにそっくりの女の子の役で出る回があったんです。それでバレちゃいました。『病欠だと思ってたら東京行ってたのか!?』ってびっくりされましたね」

 当時はフィルム撮影のため台詞はすべてアフレコだった。「訛りがあったので、とりあえず現場では台詞の尺さえ合ってればってことで撮影して。2週間後くらいにひとつひとつイントネーションから直していく地獄のアフレコがありました。東北方言ってあんまり口を動かさないので『らりるれろ』が苦手で、ずーっと『ロボコーン!』が『ノボコーン!』になってたんです(笑)」

 また加藤氏が主演を務めた特撮映画『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』の話題も出る。その出演経緯について「これ騙されたんですよ!」と語り出す。「(監督の)河崎(実)さんに『俺は特撮を撮りたいわけじゃない、真面目な映画を撮りたいんだ。だから真剣に演技してくれ』って言われたんです。でもいざ完成してみたらめちゃくちゃ特撮じゃないですか!」と会場の笑いを誘った。

 ここで『龍騎』の話を伺うにあたり、同作で監督・助監督を務めた鈴村展弘氏が登場。『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』に女性ライダーを登場させた経緯について鈴村監督は「龍騎のライダーバトルの参加者として、当初はOP映像にあるように子どもとか中年女性とか老人とかいろんな人がいることを想定していたんです。結果イケメンばっかりになっちゃったんですけど(笑)、子どもは難しくてもせめてそれまでいなかった女性の仮面ライダーを出そうということで、映画で女性ライダーを出すことになりました」と話す。「当時は“初代女性ライダー”になることの重みは意識していなかったというか、それがこれから自分の人生にずっと関わってくるなんて思っていなくて、与えられた目の前の仕事をしていただけでした。映画が公開してから年々『私はとんでもなく重いものを背負ってしまったんだな』と感じるようになりました」(加藤)。

 仮面ライダーファムを演じたスーツアクターの橋本恵子氏、清水真子氏と3人で考えたというファムの変身ポーズ。変身シーンの撮影では苦労したようで、Vバックルにカードデッキを差し込むのがうまく入らなかったと加藤氏が話すと鈴村監督から「あれはアップは先端ちょっと差し込んどいて撮るからね」と。「えっそうなんですか!? こうやって振りかぶって差し込むんじゃないんですか?」「できないよ、そんなこと! あなたも差しましたよ最初に」「私ができないからそういうふうにしてくれたんだと思ってました。みんなシュッってやってるから」「あれはカットで繋いでるからそう見えるだけです。あんなことできる人いないです」「え~!? 今知りました。私だけ出来損ないだって思ってた」と驚きのやり取りで会場は笑いに包まれた。

▲付き合いの長さを感じさせる終始息ぴったりのコミカルな掛け合いで笑いを起こしていたふたり

 霧島美穂といえば、城戸真司の靴紐を結ぶシーンも印象的。「映画が公開したあと、握手会とか写真集のお渡し会とかでみなさんが靴紐を外して来られるんですよ。握手じゃなくて靴紐を結んでほしいって(笑)」(加藤)。

 最後に加藤氏から「仮面ライダーファムをずっと応援してくだっていることにとても感謝しております。ライダーとして加藤夏希として、表からも裏からもこの世界を支えていけるように頑張っていきますので今後ともよろしくお願いします!」と挨拶し、スーパーフェスティバル90の「特撮アーカイブ」は大盛況のうちに終了した。

▲鈴村監督が演出を務め加藤氏が出演、両氏でプロデュースする舞台「鬼背参り」。特撮ファンには『龍騎』浅倉威役でお馴染みの萩野崇氏を主演に迎え、『龍騎』では因縁のあった加藤氏とは夫婦役という配役。ほかにも特撮で馴染み深いキャストの出演も多い作品となっているので、ぜひ公式サイトをチェックしてみよう。公演は1月29日~2月2日シアターサンモールにて上演予定
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