HOME記事イベント『ウルトラマンレオ』二家本辰己氏、『仮面ライダー龍騎』加藤夏希氏登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル90】

『ウルトラマンレオ』二家本辰己氏、『仮面ライダー龍騎』加藤夏希氏登場! 「特撮アーカイブ」トークショーレポート【スーパーフェスティバル90】

2025.01.19

 1月12日(日)東京九段下・科学技術館で「スーパーフェスティバル90」が開催された。毎回恒例、特撮レジェンドゲストを招くトークショー「特撮アーカイブ」には『ウルトラマンレオ』よりウルトラマンレオのスーツアクター・二家本辰己氏が登場! さらに『仮面ライダー龍騎』霧島美穂役・加藤夏希氏のトークショーも行われ、会場は大盛り上がりであった。ここではそんなトークの一部を写真とともにお届けしよう。

▲おふたりのトークショーが始まる前には、『人造人間キカイダー』『イナズマン』『忍者キャプター』『バトルフィーバーJ』など数々の特撮作品への出演で知られる伴大介氏が登壇。当日会場で販売していた、自身が初監督を務めた映像作品『パープル・ライラック』について語った

『ウルトラマンレオ』スーツアクター・二家本辰己氏 トークショー!

 1974年4月から1975年3月にかけて放送された円谷プロダクション制作のウルトラシリーズ第7作『ウルトラマンレオ』。この作品でウルトラマンレオのスーツアクターを務めたのが二家本辰己氏だ。特撮作品では他にも『メカゴジラの逆襲』チタノザウルスや『恐竜大戦争アイゼンボーグ』アイゼンボーなどを演じ、『ア・ホーマンス』『座頭市』をはじめとした数々の映画で殺陣師・アクション監督を務めていることでも知られる日本映画界の至宝を招き、『レオ』の話題を中心に貴重なトークが行われた。

 登場するなりレオのファイティングポーズを披露し、会場を沸かせた二家本氏。過去の出演作や代表作を司会が紹介すると「実は偉い人です(笑)。松田優作さんは俺を育ててくれた人。アクションからお芝居からいろんなことを学んだ。それからいろんな人と出会って、北野武監督と出会って、そういうふうに人生を進んでます」

 二家本氏が映像作品の世界に入ったきっかけはテレビで『キイハンター』を観たことだと言う。「千葉真一さんがアクションをやっていて、それを見てかっこいいなと思った。その千葉真一さんがスタントマンを養成する学校を作るという情報を聞いて、ジャパンアクションクラブ(JAC)に入ったんです。アクションの基礎はJACで学びました」

 そこからウルトラマンレオを演じることになったきっかけを聞かれると、「ショーの現場で一緒にやっていた人からウルトラマンの撮影に参加するということを聞いたんです。それが『ウルトラマンレオ』1話だったんですけど、そしたら人が足りないということで『怪獣に入ってくれ』と言われてブラックギラスに入りました。そしたらセブンが怪獣に弾き飛ばされるシーンで、監督の中のイメージと違ったみたいで誰かセブンに入ってみないかと言われたんです。僕は『アイスラッガーを投げたい』という理由で立候補して(笑)、入ってみたら意外とよかったみたいで。セブンが変身できなくなるところまでをやりました。それでセブンは終わりだったのでもう一度怪獣に入っていたんですが、レオが登場して監督がまた『違うな』と。さすがに次はないかなと思ったんですが、監督に『お前もう一回やってみろ』と言われてレオに入ることになりました」と回答。「俺は身長172cmなんですけど、元々レオに入っていた人は180cm以上あってスーツも面もサイズが合わない。最初はそれでやったんですけど、後からサイズを測って首から下だけ俺のサイズになりました。面だけはそのままだったのでサイズが合ってなくて、覗き穴は左右どちらかからしか見えなかったです」。1話の中でセブン、レオ、そして怪獣をすべてやったことを特撮史でも珍しいのではないかと指摘されると「これ自慢してもいいんですかね?」と聞き、観客は拍手で答えた。

 ウルトラマンレオのアクションの過酷さについて、「監督もスタッフもみんないい画を撮りたくてやってるんです。バク転でビルの中突っ込めって言われて突っ込んだらお腹のあたりで火薬が爆発して、熱いのなんのって。当時は言えなかったんですけど(笑)。でもドラマをよくする、特撮をよくするっていう作品に対する愛だと思います。やっぱり映像を観るとすごいな、迫力あるなと思いますね」と話す。

 レオのアクションの特徴として意識したのは「間のとり方」。「宇宙から来て、地球人と違うところはやっぱり間なのかなと。すべての間を極端にやるようにしていました」と二家本氏。また敵を威嚇するポーズが何種類かあることを聞かれると「セブンのようなポーズとかタロウのようなポーズとか、お兄さんたちのポーズをいろいろ真似しました。歴代のウルトラマンのかっこいいところは取り入れて、そのうえで『レオ』はアクションがすごいと言ってもらいたいと思っていやってました」と答え、レオの演技に歴代ウルトラマンのポーズを取り入れていたことを明かした。

 印象に残っているキツかった撮影について聞かれると、氏はセブンとレオの両方を演じた1話を挙げる。「やられて落ちるプールの深さが4mあったんですよ。中にあるワイヤーを掴んで、波がなくなったらキューを出すからプールから出てこいと。当然プールの中にいるとスーツとか面の中に水が入ってくるんですよ。セブンのときはプールから出て顔を上げたら、面とスーツの間から水が出たんです。でもレオで同じことをやったら、新しいスーツだったからかぴったりくっついていて全然水が出ない。息ができなくて『あ、これ死んじゃう』と思ってその場で面をとりました。そしたらまあ怒られたんですけど(笑)」

 また、チタノザウルスを演じた『メカゴジラの逆襲』についての話も。出演の経緯は「『レオ』が終わった後に、共演していた河合徹さんが『メカゴジラの逆襲』でゴジラを演じるとのことで、チタノザウルスに入らないかという話をもらいました」ということ。怪獣役をやるにあたり、上野動物園に行って人間的でない動きを研究したと言う。改めてヒーロー役と怪獣役の違いについて聞かれると「楽しいのはやっぱりヒーローですよね。楽なのは怪獣です。ヒーローはいろんなものを背負わなきゃいけないけど、怪獣は好き勝手できる。怪獣は向かっていけば、ヒーローが決めてくれますから」

 今回は『レオ』の話中心のトークとなったが、ほかの出演作についてもぜひ伺いたいところ。最後に司会から「またお招きしたら来てくださいますか?」と問われると「呼んでいただければ!」と力強く答え、会場は歓喜の拍手に包まれた。

次ページ:『仮面ライダー龍騎』加藤夏希氏のトークショーレポート!

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