HG ガンダムEX徹底改造で『復讐のレクイエム』版ジムを製作。見事に発揮された熟練の腕にご注目!
2025.01.12RGM-79 ジム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
■復讐のレクイエム
只野も漏れなくNetflixに加入し、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』全6話を視聴。地上戦を展開する部隊の眼前に現れる18mのモビルスーツが縦横無尽の肉弾戦を交わす様は、ある意味恐怖感溢れる映像体験であった。
編集部よりジムを製作する発注を引き受けた以前から、「いずれ関わる機会があるだろう」という確信はあった。なぜなら只野の属性は常に「現場」にいることであり、それはやはり地上の最前線を追い続けることであるからなのだ。
HG ガンダムEXのテストショット、各種資料や映像作品を一通り精査し、ジムの特徴や立ち位置を取り込む。なるほど踏襲するべき大枠を押さえたうえで運用面の特徴を押し出すデザインになっております。
■頭部センサーの怪
メカニックデザイナー山根公利さんの解説によれば頭部はバイザー可動式で、これは演出上の要望から生み出された。兵士の心情を表情として視覚化するガジェットなのだ。
さて、これを模型として再現するにはセンサーユニットを一から構成する必要があったが、外装の足掛かりとしてHGUC ジムの頭を流用。核となるセンサーユニット透明部は100円ショップ(ダイソー)にあったシリコーン玉型にUVレジンを流し込み試作をいくつか繰り返してみた。結論としては「メッキ地に照準ポインターをレーザーカットした試作品(アクリル品)をインサート成型したUVレジンの玉」(…長いよ…)を核としてそれに外装を被せる仕様になった。
アゴとうなじからなるパーツの耳部から精密ビスでセンサーユニットを取り付け、お帽子を被せる3ピース構成と相成りました。
■ボディ
HG ガンダムEXとのフレームおよび機能の共通点は多く、外装や装備の差を検証、ピンポイントで各所改修を行った。肩、胸部、スカート、シールド、脚部、ガン、ランドセルの順に改造。技術的にはプラ板とパテ各種を使った基本工作でなっているので、キャプションを参考にぜひトライしてみてほしい。肝となるのはむしろカラーリングの差にあることがわかるだろう。
■まとめ
脚本上、実に重要な存在だったジムだが、夕暮れと夜間戦闘で映像では全体の色味など把握しづらい。もちろんそのなかでの光の反射をも考慮したデザインになっているので、模型を仕上げる際のアプローチも既存の方法以外を模索する、良い意味での叩き台となった気がする。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”ガンダムEX (復讐のレクイエム) 改造
RGM-79 ジム
製作・文/只野☆慶
▼ 関連記事はこちら
ⓒ創通・サンライズ
只野☆慶(タダノケイ)
各種造形、デザイン、模型製作を生業とする。造形・塗装表現も幅広くウェザリングも得意。