HOME記事ガンダムHG ガンダムEX徹底改造で『復讐のレクイエム』版ジムを製作。見事に発揮された熟練の腕にご注目!

HG ガンダムEX徹底改造で『復讐のレクイエム』版ジムを製作。見事に発揮された熟練の腕にご注目!

2025.01.12

RGM-79 ジム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)

▲HGUC ジムをベースに、頭部センサーユニットはUVレジンの玉を作り、内部に照準サイトを刻印した円盤状のアクリル板をインサート(作者の友人のレーザー加工機で試作)。そのユニットにエポパテで造形したカバーを貼り、アゴ部に1.2mm精密ビスで取り付け。アンテナはスケールキットから流用した基部に1mmピアノ線を取り付けて再現した

▲胸部コックピットハッチ周辺のみ、ガンダムEXとは形状が異なるのでポリパテで形状変更。ハッチ中央のディテールはAFVのジャンクパーツを組み合わせて再現した。腰アーマーは接続基部を必要最低限度まで薄くして、表面が平面になるよう削り込んだ

▲ランドセルは、キットのものに切り出したプラ板やパテを少しずつ足して形作り。上部フックは真鍮線。ビーム・サーベルラックはHG ガンダムEXのものを3連から2連に改造して取り付けている

▲肩ブロックはフック下部がロールバー状になっているが、ここを強調するために不要部をくりぬき。肩アーマーはHG ガンダムEXのものをベースに小型化している

▲脚部はHG ガンダムEXのものを、外装を換装するような感覚で改修。プラ板やパテで比較的簡単に改造できる

▲シールドはHG ガンダムEXと構成する共通部分をいったんバラバラに切り刻んで、プラ板でつなぎ再構成。ビーム・スプレーガンはHG ガンダムEXのビーム・ライフルを改修。ビーム・サーベル発光部にはガイアカラーのエナメル蛍光ブルーと蛍光ピンクを筆塗り。頭部センサーと同様、ブラックライト照射で怪しく発光する

▲製作途中の全身写真。ガンダムEXとの形状の差異をプラ材やパテを駆使して再現している

■復讐のレクイエム
 只野も漏れなくNetflixに加入し、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』全6話を視聴。地上戦を展開する部隊の眼前に現れる18mのモビルスーツが縦横無尽の肉弾戦を交わす様は、ある意味恐怖感溢れる映像体験であった。
 編集部よりジムを製作する発注を引き受けた以前から、「いずれ関わる機会があるだろう」という確信はあった。なぜなら只野の属性は常に「現場」にいることであり、それはやはり地上の最前線を追い続けることであるからなのだ。
 HG ガンダムEXのテストショット、各種資料や映像作品を一通り精査し、ジムの特徴や立ち位置を取り込む。なるほど踏襲するべき大枠を押さえたうえで運用面の特徴を押し出すデザインになっております。

■頭部センサーの怪
 メカニックデザイナー山根公利さんの解説によれば頭部はバイザー可動式で、これは演出上の要望から生み出された。兵士の心情を表情として視覚化するガジェットなのだ。
 さて、これを模型として再現するにはセンサーユニットを一から構成する必要があったが、外装の足掛かりとしてHGUC ジムの頭を流用。核となるセンサーユニット透明部は100円ショップ(ダイソー)にあったシリコーン玉型にUVレジンを流し込み試作をいくつか繰り返してみた。結論としては「メッキ地に照準ポインターをレーザーカットした試作品(アクリル品)をインサート成型したUVレジンの玉」(…長いよ…)を核としてそれに外装を被せる仕様になった。
 アゴとうなじからなるパーツの耳部から精密ビスでセンサーユニットを取り付け、お帽子を被せる3ピース構成と相成りました。

■ボディ
 HG ガンダムEXとのフレームおよび機能の共通点は多く、外装や装備の差を検証、ピンポイントで各所改修を行った。肩、胸部、スカート、シールド、脚部、ガン、ランドセルの順に改造。技術的にはプラ板とパテ各種を使った基本工作でなっているので、キャプションを参考にぜひトライしてみてほしい。肝となるのはむしろカラーリングの差にあることがわかるだろう。

■まとめ
 脚本上、実に重要な存在だったジムだが、夕暮れと夜間戦闘で映像では全体の色味など把握しづらい。もちろんそのなかでの光の反射をも考慮したデザインになっているので、模型を仕上げる際のアプローチも既存の方法以外を模索する、良い意味での叩き台となった気がする。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”ガンダムEX (復讐のレクイエム) 改造

RGM-79 ジム

製作・文/只野☆慶

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只野☆慶(タダノケイ)

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