「HG ガンダムEX」をボディバランス調整でよりヒロイックに仕上げる【機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム】
2025.01.03RX-78(G)E ガンダムEX【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』より、HG ガンダムEXを製作しました。配信開始初日に早速本作を観てみましたが、主人公側から見た敵となるガンダムについては、機体説明やパイロットの情報はほぼ語られません。その代わりに圧倒的な戦果のみが淡々と描写される、まさに“連邦の白い悪魔”的演出に終始しているのがとても巧く、闇の中に髑髏(しゃれこうべ)のようにも見える頭部が浮かぶシーンでは、思わず「ガンダム怖ぇ〜!」と呟いてしまいました。
そんなガンダムですが、キットはその特徴をよく捉えており、CGデータをそのまま写し取ったような完成度です。感情が窺い知れない目元に長く垂れ下がった腕など、従来のガンダム観とは一線を画すデザインが味がありますね。今回はヒロイックとホラーの同居を個人的なテーマとして、金型設計者の意図を覆すようで大変申し訳ないのですが、模型的に少し“格好よくしてみたい”と思いました。
■製作
好みで目つきを変更しました。ツインアイが少し隠れる程度にひさしを延長します。この際、目尻が上がるように角度をつけると目つきの悪い怒り顔にできます。顔は全体的に少し縦に長い気がしたのでアゴとチンガードを上に移動することで小顔化。少しアゴが引けるように首軸は0.5mm延長。これでだいぶ印象が変わったと思います。
次は腕。肩位置が低く撫で肩なのが気になります。意図したデザインなのは重々承知の上で肩位置を上に移動してみました。肩の接続部のボールジョイントを基部ごと切り離し、プラ板で延長し4.5mm下に移動。長く感じる腕も各部位で短縮。手首根本のフレームをギリギリまで縮め、一軸の可動部は固定し、接続軸をボールジョイント化。これらの加工により計8.3mmほど腕を短くしました。
■カラーレシピ
基本色白=ガイアカラー ニュートラルグレーI
基本色グレー=ガイアカラー ニュートラルグレーII 65% +ニュートラルグレーI 35%
レッド=81番 あずき色
関節=ガイアカラー ニュートラルグレーIV
■デカール
機体各部の赤いラインは、キット付属シールの余白を切って使用しています。コーションマーク類はSTYLE-S ロボデカールを使用しました。シールはどうしても段差ができてしまうため、ウォッシングやウェザリングを施す際は注意が必要です。シールの段差にウェザリング塗料がこびりついてしまうんですね。作例は塗料が残らないように慎重に、うっすらとウォッシングする程度に留めました。
■あとがき
びっちりと入った細かなメカディテール、白い機体に赤の差し色…。私の好きな『スター・ウォーズ』のSFメカテイストの風味を個人的に感じつつ、ワクワクする気持ちで製作できました。この調子でジムやグフなどのキットも発売してほしいですね〜。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”ガンダム EX (復讐のレクイエム)使用
RX-78(G)E ガンダム EX
製作・文/ken16w
HG ガンダムEX(復讐のレクイエム)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2090円、発売中●1/144、約13cm●プラキット
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ⓒ創通・サンライズ
ken16w(ケンイチロー)
徹底した表面処理と端正なディテール処理を信条とする剛腕モデラー。