ヨーロッパで採用された史上初のアジア製主力戦車。アカデミーの「ポーランド陸軍 K2GF “ブラックパンサー”」を製作
2024.12.29Polish Land Forces K2GF “Black Panther”
大韓民国の第3.5世代主力戦車K2は自国の配備のみならず、海外市場への売り込みも積極的に行われている。今回ご紹介するポーランド軍仕様のK2は、その売り込みの結果、韓国が2022年にポーランド軍との契約成立によって実現した、ヨーロッパで採用された史上初のアジア製主力戦車である。キットはK2の生産国でもある韓国のアカデミー製。自国の戦車ということもあり、模型映えのする武骨なフォルムも忠実に再現されたこちらのキットを井上賢一の製作でご覧いただこう。
アカデミー 1/35スケール プラスチックキット
ポーランド陸軍 K2GF “ブラックパンサー”
製作・文/井上賢一
こんにちは! 今回のお題目は2023年より本格的に運用を開始したポーランド陸軍の最新装備“K2”主力戦車であります。
2022年7月、ポーランド国防省は長年にわたり運用してきたロシア製戦車またはそれを進化させてたPT91戦車等に替わり、韓国製戦車“K2”の導入を決定、ライセンス生産型を含め1000両調達する計画を発表します。
その第1弾として同年12月には現代ロテム社で生産した本国仕様の改修タイプ“GF(Gap Filler)型”10両をまずは輸入し2023年からは順次170両を導入。その後“ポーランド次期主力戦車選定計画【ウルフ・プログラム】に基づく本命“PL型”を共同開発し820両調達する予定となっています。
そんな話題の本車を製品化したのはK2の母国でもある韓国のアカデミーさんです♪ キットは2020年に同社より発売された本国仕様とデカールと履帯(組立式→ベルト式)が変化したバリエーション商品ですね。
さすが自国の車両だけあって各部の出来は大変素晴らしく、外観写真ではわからなかった奥部や細部までシッカリと再現されています。インジェクション部品以外にバスケット部用の大型エッチング部品や専用のポーランド陸軍仕様デカールがセットされています。
■車体
まずは各パネルごとに分割された車体部品を歪みなくカッチリと組み立てましょう。完成するとサイドスカートに隠れほとんど見えなくなってしまう複雑な形状のアームやスカートステー、起動輪部“マッドスクレーパー”等も抜かりなく再現、前記の通り組み立てやすさを考慮してなのか、本国仕様では組み立て式だった履帯はベルト式へ変更されているものの、これもスカートでほとんど見えないから問題ありませんね♪ 不透明部品で再現されていたヘッドライトレンズはミニカー用のものへ変更しました。
■砲塔
非常に複雑な形状の砲塔は、巧みな部品構成で見事に再現されています。砲塔部には、これまた完成後ほとんど見えなくなる主砲“CN08 120mm”の砲尾部も再現されており、メーカーさんの気合いが感じられますね♪
各部サイトへは市販レンズ等を組み込み内部を簡単に再現してみました。砲塔右側後部に装備された履帯牽引用ワイヤーは1.0mm金属ワイヤーへ置き換えています。砲塔前部に装備された発煙弾へは、いつものように紛失防止用のチェーンを自作し追加しました。
■塗装
付属のカラー印刷されたカラーリングガイドは、本車目玉の“NATO迷彩”塗装に大変便利ですね。デカールは本車が初めて導入された《第16機械化師団所属旅団》所属の車両のモノがセットされており、演習の動画内で確認できたナンバーを選択しました。
■あとがき
完成~!! それにしてもカラーリングで全く印象が変わりますね! ROKAカラーも良いけどNATOカラーもかっこよいですね♪
この勢いでぜひ“PL型”も製品化してもらいたいです! それじゃまた!
アカデミー 1/35スケール プラスチックキット
ポーランド陸軍 K2GF
“ブラックパンサー”
製作・文/井上賢一
K2GF 戦車 “ポーランド陸軍”
●発売元/アカデミー、販売元/インターアライド●5280円、発売中●1/35、約28.6cm ●プラキット
▼ 関連記事はこちら
井上賢一(イノウエケンイチ)
この夏 日本へ初寄港したイタリア海軍の空母“カヴール”を見学してきました♪ 海自さんの艦艇と比べ、以前に見た英国海軍のクイーンエリザベスもそうですが、船体色が全く異なり、“活躍する海域の色って世界で全然違うんですね~”と実艦を目の前にしみじみ感じた暑い日でした~。