HOME記事スケールモデル盆栽のプラモデル。実物を3Dスキャンした挑戦的なキットを“情景王”山田卓司が製作!自然に近い姿に昇華する【SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT】

盆栽のプラモデル。実物を3Dスキャンした挑戦的なキットを“情景王”山田卓司が製作!自然に近い姿に昇華する【SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT】

2024.12.19

SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT 【BANDAI SPIRITS】 ●山田卓司 月刊ホビージャパン2025年1月号(11月25日発売)

盆栽=和の心を表現する

盆栽プラモデルのメイン画像

 アパレルブランド「NEIGHBORHOOD」とBANDAI SPIRITSのコラボレーションによって誕生した盆栽プラキット「SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT」。本アイテムは盆栽作家・濵本祐介氏が手掛けた作品、吾妻五葉松の盆栽を3Dスキャンし、NEIGHBORHOODのディレクションとBANDAI SPIRITSの最新技術を掛け合わせることで、自然物をプラキットで表現する限界に挑んだアイテムになっている。この新たなチャレンジとなるキットを“情景王”山田卓司が製作。自然物の表現においては右に出るものがいない情景王の手によって本アイテムをさらに自然物に近い状態に昇華させている。なお、本アイテムはNEIGHBORHOOD公式サイトで先行して販売されたが、こちらはすでに売れ切れとなっている。

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット
SRL X BANDAI SPIRITS.
BONSAI MODEL KIT

製作・文/山田卓司


盆栽プラモデルの全体画像2
▲ キット自体の大きさは幅約26cm×奥行約30cm×高さ約30cm。土台となる苔の上に立体パズルのように分割された幹・枝を乗せ、枝に針金かけを行い、葉を取り付けていく。葉のパーツは4種類あり、取り付け方によって盆栽の表情が変わってくるという点は実際の剪定に近い感覚だ。鉢には「NEIGHBORHOOD」、「BANDAI SPIRITS」と、NEIGHBORHOODのなかでも植物をテーマとしたライン「SPECIMEN RESEARCH LABORATORY」の英文が刻印されている。作例は幅約30cm×奥行約28cmの板の上にキットを固定した
盆栽プラモデルの全体画像3
▲ 幹・枝はドライブラシやウォッシングで樹皮の質感を演出し、部分的に藻を生やした。地面の苔は市販の芝生マットを使用して土部分との粗密を表現している
盆栽プラモデルの全体画像1
▲ キットは盆栽の正面と鉢の「NEIGHBORHOOD」および「BANDAI SPIRITS」のロゴの向きを合わせる仕様だが、今回は好みで「SPECIMEN RESEARCH LABORATORY」の英文と盆栽の正面を合わせた。鉢は釉薬をかけていない素焼きの状態を想定してツヤ消しで仕上げている

素組み

素組みの盆栽プラモデルのアップ画像1

作例

盆栽プラモデルのアップ画像1
盆栽プラモデルの製作のプラセス画像1
盆栽プラモデルの製作のプラセス画像2

▲ 地面の苔はタミヤがイベントで販売しているものとTTC タケダ事業本部のもの、100円ショップで販売されている市販の芝生マットを併用。その上からディオラマ用スタティックグラスを撒いている。幹の藻は手芸店で入手したパウダーを接着

素組み

素組みの盆栽プラモデルのアップ画像2

作例

盆栽プラモデルのアップ画像2

▲ 複雑に造形された木の幹。キットの状態でも可能な限り合わせ目が目立たないように配慮されている。作例は気になる部分のみ合わせ目処理を行い、ドライブラシやウォッシングで樹皮の質感を演出している

素組み

素組みの盆栽プラモデルのアップ画像3

作例

盆栽プラモデルのアップ画像3

▲ 4種の形状の葉は自由に生やすことができる。作例では葉が広がった状態のものをアウトラインの頂点にくるように配置し、間を埋めるように他のパーツを取り付けていった

素組み

素組みの盆栽プラモデルのアップ画像4

作例

盆栽プラモデルのアップ画像4

▲ 土部分は赤玉土を砕いて表面に接着してから黒っぽい色で塗装。苔部分との粗密を出して面が単調にならないようにしている


 突然のリリースに驚いたのですが、盆栽作家・濵本祐介(はまもとゆうすけ)氏が手がけた実物の吾妻五葉松(あづまごようまつ)の盆栽をモデルに、NEIGHBORHOODによるディレクションとBANDAI SPIRITSの最新技術でプラキット化した商品とのこと。キットのモデルになった吾妻五葉松は福島産。これに加えて那須五葉(那須地方)、四国五葉(四国地方)が五葉松の三大産地とのこと。五葉松は、現代の盆栽界においても真柏、黒松と並んでもっともポピュラーな盆栽樹種となっているそうです。

 盆栽は自然の風景を再現するということではディオラマと似たところがあって、以前より気になる存在でしたが盆栽に関する知識は私にはなく、調べてみるところからのスタートとなりました。とりあえず地元のJA農産物直売所でされていると聞き見学に。それほど大きな盆栽ではありませんでしたが、数万円の値札が付いていました。

 実物の盆栽を観察して面白いなと思えたディテールは苔や藻。普段作る模型では実物の雰囲気を出すことが多く、誇張したり省略したりすることが多いのですが、今回は実物大ということで、いっそのこと本物の苔を使ってみようかとも考えたのですが、経年変化や虫が湧いたりといったトラブルが不安だったので、苔に見える材料を選んで使うことにしました。密集感が欲しいので市販の芝生マットを使用しています。タミヤがイベントなどで販売しているものとTTC タケダ事業本部の製品。それと100円ショップで販売されているものを併用しました。小さく切り抜いて疎密を見ながら接着。さらにディオラマ用スタティックグラスを撒いてから塗装しています。土部分は赤玉土を砕いて表面に接着してから黒っぽい色で塗装しています。

 幹・枝は複雑な分割になっていますが、接着剤なしでピッタリ勘合します。パーツが多いうえに似た形状のものがあって間違えやすいので、ひとつずつランナーから切り離して組み立てていきましょう。作例はドライブラシやウォッシングを駆使して塗装しました。

 私は幹や枝を組み終えてから葉を付けましたが、枝によっては折れやすい箇所もあるので組み立てながら葉を付けていくほうがよいかもしれません。葉は4種類ありますが、まず広がった状態のパーツをアウトラインの頂点を目指して取り付けてから、間を埋めるように他のパーツを付けていくとよいようです。鉢はプラ成型の都合で縁の下側が凹んでいるのでプラ板とパテで埋めました。

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット

SRL X BANDAI SPIRITS.
BONSAI MODEL KIT

製作・文/山田卓司

SRL X BANDAI SPIRITS. BONSAI MODEL KIT
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●30800円、受注中、2025年3月〜予定●約30cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

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