初代『仮面ライダー』一番最初のショッカー怪人「蜘蛛男」を製作!ビリケン商会最新作ソフビキットをビネット仕立てで楽しむ
2024.12.09ビリケン商会最新作ソフビキットをビネット仕立てで楽しむ
『仮面ライダー』より、TV第1話「怪奇蜘蛛男」に登場(第13話と劇場版『仮面ライダー対ショッカー』でも再生怪人として再登場)した蜘蛛男が、仮面ライダー、蜂女に続き、ビリケン商会のソフビキットシリーズにラインナップ。同社の大魔神など、これまでも傑作ソフビキットを手掛けてきた福田雅朗氏が原型を担当。少ない資料ながらも蜘蛛男の繊細なディテールやスタイリングを見事に再現している。作例は長年ビリケンアイテムを追いかけている山田卓司が担当。細やかな彩色パターンをマスキングで塗り分け、劇中をイメージした簡易ベースを用意しビネット仕立てで完成させている。
最近ソフトビニール(以下ソフビ)キットの新作が多くて楽しみなビリケン商会から「蜘蛛男」が登場。初代『仮面ライダー』一番最初のショッカーの怪人ですね。初期の怪奇色の強い頃はあまり凝った着ぐるみではなくて、主役の仮面ライダーと同様にマスクを被った怪人といった趣き。マスク以外は既存のボディスーツやタイツにディテールを加えた、わりと簡素な作りですね。番組初期回登場の怪人ゆえか、キット化にあたっては画像資料が少なくて大変苦労したとのこと。実際はチープな作りの着ぐるみですが、キットでは細かく気が配られ、かっこいい造形となっていて感動。植毛された毛の質感や手袋、ブーツのディテール、複眼の中の役者のための覗き穴の表現などの彫刻は唸るしかありません。
久しぶりのソフビキットの塗装なので、ナガシマのVカラーを引っ張りだしてきて使いました。ソフビ専用塗料なので塗膜が強靭で、プラモデル用塗料とは溶剤の系統が違うのでラッカー系塗料のスミ入れすら可能。色数の豊富なプラモデル用塗料を使う場合でも、下塗りとしてホワイトやブラックなどのスプレー缶を用意しておくと安心です。ビリケン商会の過去の仮面ライダー、蜂女からすると詳細な塗装解説のインストが付属するはずなので、そちらを熟読することをオススメします。今回はテストショットのためインストはありませんので、劇中スチールや本編をチェックしながら塗装しました。
難易度の高い所は透明素材のマント。実際はドット柄のシースルー素材に蜘蛛の糸のラインが入っています。今回はテストショットのため、不透明の成型でしたので先にホワイトで塗装してから蜘蛛の糸のラインを細切りマスキングテープでマスキングしてブラックを塗装しています。実際のスーツ同様のシースルー素材の表現は難しいので、作例のように塗り潰すのもひとつの攻略法かもしれません。
ベースは本編をヒントに、コンクリート塀をスタイロフォームをベースにして壁塗り補修剤でコートして製作。断面には園芸用土を接着しています。剥き出しになった鉄骨はアルミ線に極細ハンダ線を巻き付けて製作。H 鋼は実物のカタログスペックの数値を参考にプラ板、三角棒で作りました。蜘蛛男らしいディテールとして背景に蜘蛛の糸を張りたくて、透明ソフトプラ棒を熱して伸ばした糸を接着して作りました。落ちている仮面ライダーのマスクは同社の仮面ライダー付属の不透明のパーツを流用しています。
ビリケン商会 ソフトビニールキット蜘蛛男
蜘蛛男
製作・文/山田卓司
●発売元/ビリケン商会●11000 円、11月予定●約27cm●ソフビキット●原型/福田雅朗
© 石森プロ・東映