『フェス・ゴジラ５ 怪獣大決戦』メイキングレポート！「ゴジラ・フェス 2024」にて上映されたの緊張と迫力ある撮影現場の模様もお届け！
2024.12.01
ゴジラ・フェス 2024 レポート 月刊ホビージャパン2025年1月号（11月25日発売）
キングギドラ
▲ 2001年の『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』（以下GMK）に登場したキングギドラのスーツがレストアされて復活！ 首周りが特に補修されているのがよくわかる。レストア作業は当時ギドラの造形に関わっていたスタッフが現在所属している「開米プロダクション」が担当
▲ キングギドラを操演するスタッフ。手に持ついくつものロープが首や羽根などのピアノ線につながっており、中のスーツアクターと操演スタッフの共同作業によってキングギドラの演技が生まれている
▲ セッティング中のキングギドラ。スーツから顔を出しているのはJAE所属の井口尚哉氏
▲ キングギドラのアップ。眼球が『GMK』のゴジラのように白眼となっているのがわかる。中央の首はちぎれた状態だ
▲ 背後に火薬とガスバーナーをセッティングし、燃えさかる炎を表現。さらに撮影時はカメラの手前にガスコンロを設置することで画面の揺らぎを生み出していた。このようなライブ感あふれる映像は、スーツを使用した撮影の真骨頂といえよう
ビル壊し
▲ 壊し用の石膏ビルのセッティング。崩れやすくするために事前にノコギリで切れ込みを入れ、さらにその切れ込みがわからないようにパテで埋めて再塗装を施す。触って崩してしまわないように、細心の注意が必要な作業だ
▲ 一発勝負のビル壊しの本番。緊張感あふれる瞬間！ コンピューターの計算では表現できない破片の飛び散りは、実写特撮の醍醐味である
メイキング
▲ 第9ステージの全景。奥がキングギドラとの激闘シーンの舞台で、手前右側はビル壊しの舞台である。奥で撮影している間も、ビル壊しの準備が着々と進められていた
▲ 中川和博監督と、キャメラマンの鈴木啓造氏。鈴木氏は『シン・ゴジラ』をはじめとする樋口真嗣監督作品や『シン・仮面ライダー』などの特撮作品を数多く手掛けており、中川監督ともいくつもの現場でともに作業をしている。このように現場は特撮のベテランスタッフで固められていた
▲ スーツアクターの3氏が笠井信輔氏とともに本編パートに出演。左からゴジラ役の松本直也氏、キングギドラ役の井口尚哉氏、笠井信輔氏をはさんでジェットジャガー役の齊藤謙也氏
▲ 本編パートの撮影風景。笠井信輔氏に演出をする中川監督。笠井氏のゴジラ映画出演記録は塗り替え続けられている
▲ 奥の撮影舞台と、手前の監督ブース。特撮セットは「平台」と呼ばれる台の上に建て込まれている。このようにすることでアオリ撮影が容易になり、舞台の下に仕掛けをしやすくするのだ
▲ デスク上に並べられた、カットごとに切り取られた画コンテ。中川監督を中心に、メインスタッフで撮影順や、欠番とするカットなどを検討している
▲ 撮影に使用されていたスレート（カチンコ）。シーンやカットナンバーを撮影するカットの頭に入れ、編集の際のガイドとして使用する。「48fps」とあるのは一秒間48コマという意味で、通常の速度に変換すると2倍のスローモーションとなる
▲ 貼り出された本作品の画コンテの全貌。撮影が完了したカットが赤く塗りつぶされている
2024年8月19日、TOHOスタジオ第9ステージ、歴代のゴジラ映画で特撮班が使用してきた伝統あるステージで『フェス・ゴジラ５ 怪獣大決戦』の撮影が行われていた。怪獣のスーツを使った撮影である。昨今の映像表現はCG、デジタル技術が発達し、『シン・ゴジラ』以降のゴジラ映画の新作ではスーツの出番はなくなっている。だが、この現場には円谷英二監督以降連綿と受け継がれてきた伝統的な撮影手法が生き続けていた。スーツでの撮影を見ると、その活き活きとした動きに興奮してしまうのは自分だけだろうか？ すべてが計算でつくられたCGでは表現できないその映像、そして子供のころから親しんだ映像を堪能させてもらった一日であった。今後も、CGやスーツなど、さまざまな手法で作られるゴジラをたくさん見せてもらえることを願ってやまない。
『フェス・ゴジラ』Blu-rayが発売決定！
2020年公開『ゴジラ ゴジラ・フェスに現わる』から『フェス・ゴジラ5』までのシリーズ5作品を収録したBlu-rayが発売決定！ 映像特典として各エピソードのメイキング映像や中川和博監督、ゴジラ役の松本直也氏のインタビュー映像を収録した永久保存版だ。
「フェス・ゴジラ」Blu-ray
●発売元／東宝●6050円、2025年4月16日予定
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