■ツインケーブル

　背中のツインケーブルは軟質素材でワイヤー内蔵により自由に曲げることができます。強度を保つために、ケーブルの根本部分にはPOM素材を採用しており、その1段目だけは硬いです。そこから先端までは PVC素材となっており、柔軟に動きを付けることができます！POMとPVC、異なる素材の成型色を統一するのは非常に困難な作業ですが、その差を目立たないレベルに収めました。

■ノートPCとUSBメモリー

　ノートPCは当初、開閉状態を別々の2パーツとして設計していましたが、プレイバリューを上げるために可動式に変更し、更にUSBメモリーの差し込みギミックも追加いたしました。デコマスの段階ではUSBメモリーもレジンで作られており、パーツ強度の都合上、当時はPCに差し込めない仕様でしたが、製品版は差し込める仕様に進化しました！

■リンク召喚エフェクト台座

　製品版の台座にも細かすぎるこだわりがあります。まず台座部分は構造上、2層に分けなければいけません。製品版では、上の層はアクリル製で高精度のプリントで再現しています。
　下の層は、上のアクリルの層を設置する際に摩擦による擦り跡がどうしても残りやすいので、「光沢PP加工」が施された紙を採用することになりました。

　また、気づかれた方もいらっしゃると思いますが、上の層のアクリルは、デコマスの時点では余白なしの状態で柄の輪郭に沿ってカットされた仕様でした。製品版ではカットのズレ防止の理由で柄の周辺に薄く余白を入れることにしました。上下2層を組み合わせた際の見栄えのために、余白の面積は極力少なくしています。

　現在のカット技術では、余白が少ない場合、プリントされた柄とカットラインがズレて柄を切りすぎてしまうことがあります。量産を担当する工場で何度か試作してもらったら、結果的に「レーザー加工」より「ルーター加工」のほうが比較的ズレが少なかったので、「ルーター加工」を採用しました。その上でほんの少し透明な余白を追加したことで、柄が過度に切られてしまうことを回避できました。しかし「ルーター加工」は内直角の部分は鋭角にカットすることができず、R面になっているのが唯一残念な点です。その点については製品の仕様としてご理解いただければ幸いです。

■商品パッケージにおまけの付属品!?

　実は商品パッケージにもギミックを内蔵させていただきました。スネイルさんの既製品にも一度は付けたことのあるもので、発売後のお楽しみとしてこのおまけの付属品をご期待ください！

　これで本製品に関することはすべて語りつくしたと思います。

全国のホビーショップにて予約受付中です。ぜひご検討よろしくお願いいたします!!

　最後に余談ですが、実は私は商品開発をきっかけに、最近また決闘者に復帰しました。

　愛用していた「魔救」デッキを組み直して、カードショップで毎月友人とデュエルしています。もちろん、エキストラデッキに欠かせない「I:P マスカレーナ」は相変わらずほぼ毎回最終盤面にリンク召喚で呼び出しています！

　ちなみに、一部のホビーショップ、カードショップさんのご協力で、店内に「I:P マスカレーナ Ver.1」のフィギュア予約情報POPを設置させていただきました。

　本日Ver.1の予約解禁をもって開発者としてようやく一息ついてるところですが、まだまだ量産関連の業務が残っております。量産が始まったら工場にしばらく滞在する予定なので、量産品のクオリティをしっかりこの目でチェックさせていただきます。

@スタジオ・ダイス／集英社・テレビ東京・KONAMI