CHURCHILL Mk.Ⅶ
BRITISH HEAVY INFANTRY TANK
2021.06.20
度重なる改良を経ながら第二次世界大戦を戦い抜き、朝鮮戦争まで活躍したイギリス軍の歩兵戦車チャーチル。その最終型といえるMk.VIIを青木周太郎がAFVクラブの新作キットを使用して製作。荷物を満載した臨場感たっぷりの姿をお楽しみいただきたい。
■キットについて
今回は、AFVクラブのチャーチルMk.Ⅶを製作してみました。キットはすでに発表されている、チャーチルシリーズをベースに、新規金型にて起こされた砲塔、車体側面の四角形のハッチを円形に変換された側面全体パーツ、および厚さを変更した前面装甲板パーツそして本キットの目玉となる、350馬力を誇るベットフォード12気筒(水平対向)エンジンの再現が、より一層にキットを引き立たせてくれます。
■製作
筆者が楽しみにしていたのは、新規に作り起こされた砲塔の形状でした。さすがによくリサーチされていて、満足感がありひとまず安心です。鋳造で構成される砲塔の複雑な形状は、今までレジンキャスト等のガレージキットに頼るしかありませんでしたが、今後はインジェクションパーツならではの鮮明なディテールで楽しむことができます。もちろんエンジンもよく再現されていて、そこそこのマニアと考えている筆者もかなり満足できる気がしました。
既存のキットの流用となる脚周りは、再現性も豊かで、組み上げるのには少し面倒なパーツ構成ですが、実車同様にサスペンションが可動するため、ディオラマ等でも楽しめそうです。
履帯は軟質素材のベルト式なのですが、モールドもよいのでキットのまま使用しました。ただしこの履帯なのですが、柔軟性が強いために、塗装に難しさを感じました。メタルプライマーで一度コートした状態で塗装を行いましたが、やはり剝がれやすく少し苦労しました。本キットは、サイドスカートがすべて取り外すこともでき、サスペンションも可動するので、別売りのAFVクラブ、可動履帯セットやフリウルのメタルキットのセットを使用してみるのも迫力のある完成度が期待できる気がします。
積み荷は、レジンキャストの積み荷のセットを中心として、ブラックドック、カスタムダイオラミクス、バリューギア、バーリンデン等からそれらしい物をチョイスして取り付けてあります。積み荷を積載したため、せっかくOVMの蝶ネジ等、エッチングに交換したのですが、見えなくなりました。
■塗装
アクリルオリーブグリーン、デザートイエローの混色で全体を塗装し、フラットホワイトを混色したベース色でグラデーションを行いました。
AFVクラブ 1/35スケールキット
イギリス軍 チャーチルMk.Ⅶ 歩兵戦車
製作・文/青木周太郎
イギリス軍 チャーチルMk.Ⅶ 歩兵戦車
●発売元/AFVクラブ、販売元/GSIクレオス●7480円、発売中●1/35、約21cm●プラキット
青木周太郎(アオキシュウタロウ)
先月亡くなった大塚康生先生のお宅に、共通のお友達を通して、米軍のディオラマを共同製作してお見せするつもりで、準備を行っていたのですが、残念でなりませんでした。いくつか製作したいディオラマがありますが、今年は師を尊びどうにかこのディオラマを完成させたく思っています。