チトセリウム「VI-carbonia lonsdaleite」をグラデ塗装で仕上げる【keiichiro】
2021.06.19chitocerium VI-carbonia lonsdaleite【グッドスマイルカンパニー 1/1】 月刊ホビージャパン2021年7月号(5月25日発売)
グラデ仕上げで立体感と世界観を強調
グッドスマイルカンパニーオリジナルプラキット『chitocerium』第3弾「VI-carbonia lonsdaleite(カーボニア ロンズデライト)」を、新進気鋭のモデラーkeiichiroが製作。氏の持ち味であるグラデーション塗装仕上げは、模型として立体感を際立たせるだけでなく、『chitocerium』の持ち味である幻想的な世界観も強調。小物として猫型fragments「chitocerium XXII-tanio alb(アルブ)」の作例も用意したので合わせてご覧いただこう。
■はじめに
『chitocerium』は独特な世界観を持つシリーズで、そのクールなキャラクターが魅力的なキットです。今回はその第3弾となる「VI-carbonia lonsdaleite」を製作しましたが、パッケージを開けるとその世界観に引き込まれるちょっとした演出もあり、作る前から楽しめました。
足首と肩部品は、塗装後に組み立てられるように一部加工しています。手足や腰から伸びるアームや旗などは先に組み立て、リンク部の曲げ伸ばしをしながら塗装を行いました。素体含め各部品の嵌合はしっかりしていますが、取説に「パチン」と記載されている部品は、一度パチンとしてしまうと取り外しが難しくなるので、仮組み時は浅めに取り付けるとよいでしょう。
■塗装
世界観を壊さないように、慎重に塗装色を決めました。ボディはライトブルーをベースカラーとし、ディープブルーでシャドウ、次にハイライトにグロスブラックを吹きます。そしてこのグロスブラックの上にだけ、GSIクレオスのサファイヤブルーパールにディープクリアブルーを加えた色を吹いています。こうするとキャンディ塗装とは異なった落ち着いたメタル感になり、強い光が当たるとパールによる光の反射で立体感が増す効果も得られます。手足にはチタンゴールドをアクセントカラーとして配色。ボディ各部の白い紋様はデカールでも用意されていますが、作例ではアクリル絵の具(リキテックス)で描き入れています。素体の収納とベースも兼ねる六角形の箱は、ラップ塗装で仕上げて玉手箱のイメージとしてみました。
■最後に
組み立てやすさと関節の保持力が充分に考慮されているので、調整が少なく製作はスムーズでした。またフェイスパーツの造形がとても繊細で、今にも動き出しそうな表情をしていることにも驚きました。
これからの展開も公式HPで発表されていて、シリーズで並べてみたくなるキットですね。
chitocerium VI-carbonia lonsdaleite
●発売元/グッドスマイルカンパニー●6800円、発売中●1/1、約15.5cm(台座除く)●プラキット
chitocerium XXII-tanio atr/chitocerium XXII-tanio alb
●発売元/グッドスマイルカンパニー●各990円、発売中●1/1、約3cm●プラキット
© GSC, huke, Masaki Apsy/chitocerium
keiichiro(ケイイチロウ)
グラデーション塗装で作品イメージを演出した仕上げが得意。2月に発売したMOOK「ホビージャパンエクストラ」では表紙モデルも担当した。