MVでは仮面ライダーガヴとも共演! FANTASTICS/佐藤大樹&世界が語る『仮面ライダーガヴ』主題歌「Got Boost?」
2024.10.22『仮面ライダーガヴ』のポップ&ビターな世界を体現する主題歌「Got Boost?」。毎年多彩なアーティストを起用することで話題を集める仮面ライダーシリーズだが、本作では、EXILE TRIBEの中でもPOPで独自のカラーを打ち立てる「FANTASTICS」が主題歌を務める。今回はリーダーを務める佐藤大樹&世界の両名が取材に応じ、楽曲の魅力や印象的なダンス、MV撮影について語った。
撮影◎鈴木愛梨 取材・構成◎トヨタトモヒサ
●FANTASTICSとは?
――まずは『仮面ライダーガヴ』で「FANTASTICS」の楽曲を初めて聴いた、という方に向けて、グループの特色をお教えください。
佐藤 アーティストイメージとしては、爽やかでポップなところが大きなカラーだと思っています。
世界 LDHはチャレンジャーが集う事務所ですが、その中でも率先してチャンレジを続けているのが僕らFANTASTICSです。NG無しで何でも挑戦して、やるべきことをやりつつ尖ることもまた忘れないようにしています。
佐藤 所属しているLDHの中では異色かもしれませんが、逆に『仮面ライダーガヴ』は、ビジュアルや作品が持つ雰囲気がまさに僕らがこれまで表現してきた世界観とすごく近いんですよ。そこは主題歌が決まった時点で驚いたところです。
――FANTASTICSは、佐藤さん、世界さんのリーダー二人体制なんですね。
佐藤 そこはNAOTOさんと直己さんがリーダーを務める「三代目 J SOUL BROTHER」から影響を受けている部分がかなりあります。ファンタ(※FANTASTICS)の場合、家族構成にたとえるなら自分がお母さん、世界さんがお父さんでしょうか。それこそ、世界さんが一家の大黒柱としてビシッと構えている中、自分はメンバーひとりひとりをサポートしていくみたいな。
世界 メンタルケア担当だね。
佐藤 そうそう。
世界 スーパー戦隊シリーズで言うところのサポートロボ(笑)。
――せっかくなので、そこは仮面ライダーでたとえると?
世界 そうなるとフィリップかな。僕が翔太郎。
佐藤 そうなんですか。世界さんは仮面ライダー、めっちゃ詳しいんですよ。
――是非、お二人の仮面ライダーの原体験をお聞きできればと思います。
佐藤 僕は大人になってからはあまり触れてないんですけど、世代的には『仮面ライダークウガ』や『アギト』、『555』辺りを観ていて、中でも『555』には夢中になりました。
世界 お、タッくん好きだね!
佐藤 乾巧ですよね。当時、ヒーローショーに行った思い出もあるし、当時の子どもにとって仮面ライダーとスーパー戦隊は、まさに憧れの存在。みんな将来の夢としてヒーローになることを掲げていましたね。
世界 スーパー戦隊だと?
佐藤 『百獣戦隊ガオレンジャー』ですね。今も家にはガオキングの玩具があります。
世界 僕は特撮で言うと、入り口は平成ゴジラなんです。ライダーもほぼ同時だったんですけど、僕らの世代はちょうど『仮面ライダーBLACK』&『RX』が終わった後のテレビシリーズの空白期で。だから、リアタイで観たのは『真・仮面ライダー 序章』、『ZO』や『J』と、ネオライダー世代になります。特に『ZO』が一番好きですね。それから昭和に行くんですけど、そこでハマったのがビデオで観た『ストロンガー』です。同じ頃、テレビでは『特捜ロボ ジャンパーソン』が放送していて、華やかなメタルヒーローシリーズに対して、昭和の仮面ライダーはちょっと怖い雰囲気があって、そこがまた子ども心に魅力的に映ったんですよ。その辺りは、平成になってからの『クウガ』や『アギト』にも受け継がれているように思います。
佐藤 たしかに。『クウガ』や『アギト』は、怪人がすごく怖かった記憶があります。
――歴代主題歌で記憶に残っているものはありますか?
世界 大樹が観ていた『555』はISSAさんが主題歌を歌ってたね。
佐藤 ああ! 僕が子どもの頃から、幅広く活躍されていたんですよね。
世界 『響鬼』の布施明さんは、意外性のある起用で驚きました。あの年は紅白にも出演されて。確か番組にもゲスト出演されていましたね(※第32・33話)。
佐藤 『響鬼』は太鼓を叩くライダーですよね?
世界 そうそう。音叉で変身する鬼のライダー。番組自体もかなりインパクトありました。でも、僕の場合はやっぱり昭和の仮面ライダーであり、子門真人さんの歌に惹かれるものがありますね(笑)。
●FANTASTICSと『ガヴ』の邂逅
――『ガヴ』の主題歌が決まった際にはどのように思われましたか?
世界 会議室にメンバーが全員集まっている時に、けっこうサラッと言われたんですよ。「え、ちょっと待って!?」みたいな(笑)。
佐藤 みんな、その場で「すげえ!!」と、めちゃくちゃ興奮しました。ちょうどツアーをやっていた時期で、ファイナルが終わった後、みんなで食事した際にはHIROさん(EXILE/LDH JAPAN 代表取締役)もすごく喜んでくださって。仮面ライダーの主題歌といえば毎週日曜日、1年間ずっと流れるわけじゃないですか。本当に夢みたいでした。
――歌詞や曲については、どういったところに魅力を感じましたか?
世界 まずは作詞が藤林聖子さんと聞いて緊張しました。
佐藤 これまでにも数多くの主題歌を手掛けられていたんですよね。
世界 そう。しかも『ガヴ』という作品について最初に接したのが藤林さんの歌詞だったので、そこから「今回はどんな内容になるのかな?」と読み取りつつ、作品の世界観に入って行きました。
佐藤 楽曲については、「ガヴ」と聴こえるワードがサビ毎に来るのも非常にキャッチーだし、一度聴いたら必ず耳に残るメロディです。大人の方にもたくさん聴いてほしいし、幼稚園や学校の中でも流行ってくれたら最高ですね!
世界 タイトルの「Got Boost?」からも元気なイメージが伝わると思います。ただ、流して聴いていると明るく爽やかなんですけど、歌詞にはけっこうハードな内容も盛り込まれていて。ボーカルの二人(八木勇征さん、中島颯太さん)が歌入れした音源を聴いたらちょっと切なさも感じました。
――これまでのFANTASTICSの楽曲と異なる、ライダーとのコラボならではの魅力を挙げると?
世界 いつもはスタイリッシュな曲が多いんですけど、ここまで振り切ったキャッチーさは久々ですね。ただ、作曲のSKY BEATZさん、FAST LANEさんは、これまでもけっこう大事なタイミングでファンタのために曲を作ってくださっていたので、普段とはちょっと違う疾走感の中にもファンタならではのカラフルなイメージがしっかりと散りばめられています。作詞に関しては、藤林さんがどの程度ファンタを念頭に置いて書いてくださったのか、そこは機会があれば是非聞いてみたいですね。
佐藤 最初にデモを聴いた時点で、これはLDHだったら絶対にファンタにしかできない楽曲だと直感しました。そういう自信もあったし、世界さんが話していたように聴けば聴くほど深い部分にまで踏み込んでいて、しかも普遍性があっていつ聴いても胸に刺さる楽曲だと思います。
世界 やっぱり子どもの頃に聴いたアニソンや特ソンは、大人になっても心に残るものじゃないですか。僕は振り付けも担当しているのですが、今回はテクニカルな部分よりも子ども目線を大事にしました。もちろん単に子ども向けということではなく、彼らがこれから10年、20年と大人になっていくのを見据えて真摯に作ったつもりです。
●ガヴガヴポーズ誕生秘話
――世界さんが手掛けた振り付けについて詳しくうかがえればと思います。
世界 いつもは「ファンタならこうかな?」と考えるんですけど、今回はけっこう間を取って作った感じがありますね。ファンタがやっても面白いし、皆さんが覚えて踊っても面白いし、ライダーたちが踊っても面白いだろうなと。
佐藤 『ガヴ』のOP映像からインスピレーションを得たところもありますよね。
世界 事前に映像を拝見することができたのが大きかったです。ポイントとしては、OP映像でキャストのみなさんが踊っている場面を見つけたので、そこはリンクさせたいなと思って取り入れています。
佐藤 幼稚園や保育園、学校の運動会で踊ったら絶対に盛り上がりますね!
世界 他に分かっていた情報といえば、ベルトのガヴガヴするギミックくらいですね。参考にしたいと思ってガヴがサプライズで登場する夏の劇場版『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』も観に行ったんですけど、変身ポーズまでは描かれてなくて(苦笑)。その後YouTubeで配信されていたバトンタッチイベントの動画で初めてショウマくんの変身ポーズを観ました。なるべく要素を取り入れるようにしてお子さんへの引っ掛かりを作りつつ、ファンタを知らない人が観ても「なんかガヴガヴやってるな!」と興味を持ってもらえればなと考えました。
――佐藤さんは実際に踊ってみていかがでしたか?
佐藤 いや、ホントに秀逸な振り付けです。最初に振り付けを教えてもらった際には、僕らも詳しい情報は知らなかったんです。それが振り付けにも番組の世界観が見事に落とし込まれているなと、今改めて感じています。なんと言ってもガヴガヴポーズの発想ですよね。ゴチゾウというパンチラインのある中、あの振り付けは本当にすごいです。
世界 それこそ前日に考えたんだけど(笑)。あれはメンバーに振り落とす前に何パターンか試していて、どのパターンもしっくり来たんだけど、最終的にメンバーにやってもらって一番ハマりが良かったのが今の振り付けになります。
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