サラリーマンが旧岩田屋にシュッシャ!? 大注目の異色特撮ラジオドラマ『空想労働シリーズ サラリーマン』、村枝賢一先生による漫画化が決定!
2024.09.30 サラリーマンの悲哀を体現する巨大ヒーロー、福岡・RKB毎日放送の『空想労働シリーズ サラリーマン』。
ギャラクシー賞をはじめとする数々の放送賞を受賞し、豪華声優陣による第2期『帰りたいサラリーマン』もスタートしたヒーローが、福岡県古賀市で開催中の「古賀が生んだ特撮美術の匠 井上泰幸のセカイ展」を訪れた。『サラリーマン』の企画・脚本・編集・出演を務める冨士原圭希アナウンサーに、展示の印象と『サラリーマン』の新展開について伺った。
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――今回の展示では、『空の大怪獣ラドン』で破壊された旧岩田屋の巨大ミニチュアが再現されています。ご覧になっていかがでしたか。
冨士原 ディテールの細かさがすごいですよね。ここまで再現しなくてもいいのでは、と思うようなこだわりが井上泰幸さんの仕事であり、井上さんが牽引した当時のミニチュア特撮の流儀だったのかなと。一つの伝統芸能のような重みを感じますね。
――『空想労働シリーズ サラリーマン』もミニチュアセットで撮影したりと、通じるものがありますね。
冨士原 いえそれは恐れ多いですが……。最近はコスト的な問題もあり、CGがメインになっていく流れではありますが、やはりセットはアナログで作って壊したいですよね。それに当時の岩田屋を再現することは歴史的な資料としてすごく価値があると思うので、これもまたミニチュアの良さですね。
――実際のロケ地になった福岡に展示することで、地元の方も注目していますね。
冨士原 そうですね。『ゴジラ-1.0』がアメリカで映画賞を獲ったことで、「ゴジラ」シリーズはさらに世界的知名度が上がったわけですけど、そのオリジンの部分に井上泰幸さんという方が大きく関わっていらっしゃって、その方が福岡県の古賀市ご出身だということはもっと知られてほしいし、日本だけでなく世界にも発信していくべきことだと思います。
――現在特撮がいろんな形で受け継がれている中で、特撮ラジオドラマ『空想労働シリーズ サラリーマン』はかなり異色の存在ですね。ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞を受賞するなど注目され、2期の豪華キャストも話題ですが、今回はどのような意図でキャスティングされたのでしょうか。
冨士原 ラジオドラマですので、声の演技でどこまで空想の世界を広げていただけるか、と考えたときに声優の皆さんにお願いしたいなと思いました。今回は杉田智和さんに、サラリーマンに変身するごく普通の会社員ヤマダという役を演じていただています。僕は世代的に杉田さんというと『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンのイメージが強くて、いわゆる普通の人を一番魅力的に演じられる方という印象だったんです。ご本人も普通を演じるということはすごく難しいっておっしゃっていたんですが、そこにとてもプライドを持っていらっしゃると感じました。皆さん、丁寧に台本を読み込んで、線をたくさん引いて……仕事への真摯な姿勢に感銘を受けました。
――前期同様、特撮に縁ある方々も多数ご出演されてますね。
冨士原 今回は藤岡弘、さんにご出演いただきました。『仮面ライダーアマゾン』の岡崎徹さんも前期に続きご出演いただくので、岡崎さんと藤岡さんは『仮面ライダーストロンガー』以来の共演ということになると思います。声優の皆さんも、大塚明夫さんはじめ特撮にご参加されている方も多いですね。野沢雅子さんもウルトラマンタロウの幼少期の声というイメージですし。
――野沢雅子さんでイメージするのがタロウというのはさすがですね……。冨士原さんはおいくつでしたっけ?
冨士原 26歳です(笑)。『ウルトラマン物語』大好きなので。野沢さんにお願いしたのが会獣の鳴き声だったので失礼にならないかと心配したんですが、「鳴き声だからこそやりたい」とおっしゃってくださって。会獣は社会の悲哀を具現化したものなので、それぞれ個性も違うし、背負っているものも違うんですが、それを瞬時に演じ分けてくださるんです。やはりレジェンドの凄みを感じました。
――さらに前期からご出演の関智一さんのほか、早見沙織さん、潘めぐみさん、子安武人さん、潘恵子さん、池田秀一さんという驚きのキャストがご出演されていますね。
冨士原 本当にすごい方々にご協力いただきました。潘恵子さんと潘めぐみさんとは親子で共演という形にもなりますし、潘恵子さんは『魔法戦隊マジレンジャー』のスノウジェルのイメージもありますね。
――『サラリーマン』のシリーズは『魔法戦隊マジレンジャー』マジピンクの別府あゆみさんが出演兼アドバイザーとしても参加されているので、ご縁がありますね。池田さんは何の役をされているんでしょうか。
冨士原 池田さんは「サラリーマンジンジ」という最強のキャラクター。やっぱり『サラリーマン』の世界で人事は最強なので、池田さんにお願いしました。潘恵子さんは、サラリーマンの母という……もうそれは普通の人なんじゃないかという感じですが(笑)、演じていただいています。
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©RKB毎日放送 撮影:黒木俊介