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『勇者王ガオガイガー』米たにヨシトモ監督が超合金魂 超竜神を語る!

2024.10.09

超合金の魂【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

米たにヨシトモの画像3

――「超竜神」「シンメトリカルドッキング」の名称は監督が考えたのですか?

米たにそのネーミングは担当しています。「超竜神」は個性を出すためガオガイガーとは真逆の方向に、いっそ漢字にしてしまおうと。次のボルフォッグは霧と狼の単語でロシア風、と名前も各ロボの個性が光るように練りました。派生する装備や技なども考えなきゃいけなくて、書き出していくと膨大な量になっていました(笑)。過去の勇者シリーズの監督やスタッフも大変だったと思います。固有名詞は玩具とも連動するので、かなり早い段階で決めないといけないんですよね。

――「番組名を冠する主役ロボと、準主役ロボが同時に存在する」のが勇者シリーズの特徴のひとつです。米たに監督は準主役ロボ=超竜神を本編でどのように描こうとされましたか?

米たに最大の命題は「おもちゃを売る」、そのためにはキャラクターとしてどう立たせるかが大事です。準主役を主役ロボと同じ見せ方にすると逆に主役の存在感が薄くなってしまいます。そこで『ガオガイガー』では勇者ロボ軍団全員の「そのロボにしか無い特性」をより強く意識しました。こいつはこのポジションでこそ一番光る、という野球的な采配です。超竜神は、最前線に立つ主役のガオガイガーのサポートに回り、イレイザーヘッドで街を守る。GGGの作戦を成功させるために、超竜神がもっとも輝く守備範囲を全力で描きました。

――氷竜と炎竜は初のシステムチェンジ、超竜神へのシンメトリカルドッキングが複数回にわたって描かれていて、困難を乗り越える演出が盛り上がりました。

米たに一気に全部出さず、合体前ならではのカッコよさも丁寧に見せたかったんです。あと、放送当時は「左右合体 超竜神」と同時に「RIGHT 氷竜」「LEFT 炎竜」の単体版も販売されたので、氷竜(炎竜)だけ欲しい子や、親が一体しか買ってくれない子もいるかもしれない。そういう子らのためにも合体前の活躍シーンは必須と考えました。スポンサー的な「新商品の強化月間」という事情もあり(笑)、毎週さまざまな切り口から各ロボの魅力をアピールしていきました。

――「左右合体」のキーワードが出ましたが、この名前や概念自体は『勇者エクスカイザー』のウルトラレイカーの前例があります。

米たにはい。左右対称合体は既存でも「左右でまったく色が違う」点がすごく斬新だと思いました。後に登場する撃龍神との入れ替え合体も面白くて、この4体は左右の個性を最大限に活かしたかったのです。

――「TAMASHII NATIONS STORE TOKYO」で開催された超合金50周年イベント(※)では、「超合金魂 撃龍神」も参考出品されていました。青と赤、緑と黄色のカラーリングはどのように決められたのですか?

米たにいくつかのパターンをタカラさんやデザイナーの大河原邦男さんから提案をいただき、監督として納得のいく色に決めさせてもらいました。氷竜・炎竜の個性とも相まって青と赤に決定したと記憶しています。

――2024年は超合金発売50周年のメモリアルイヤーでもあります。そのタイミングで発売を迎える「GX-109 超竜神」へ、監督よりメッセージをお願いします。

米たにやっぱり、合金素材のおもちゃは最高ですね。要所に硬質プラ素材を使うことでアニメらしさも表現されています。昔の超合金は本当に重い金属の塊で、子供同士でぶつけ合って遊んでたけど、今思うと危険すぎる(笑)。
 超竜神は主役ロボではありませんが、商品に込められたこだわりからガオガイガーに負けない、ある意味ではそれ以上に愛されている勇者ロボだと感じられます。また、超合金50周年に発売されるのも強運を持った奴ですよね。次の100周年には『50年前にこんなおもちゃがあったんだ』と歴史に刻まれていると嬉しいです。

(2024年8月5日、ホビージャパンにて取材)

米たにヨシトモの画像2

よねたに・よしとも

1963年5月12日生。東京都出身。1989年『笑ゥせえるすまん』で監督デビュー。監督作に『勇者王ガオガイガー』『ベターマン』『BRIGADOON まりんとメラン』等。現在、勇者シリーズ最新作となるwebコミック『勇者宇宙(ブレイブユニバース)ソーグレーダー』や、『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』の原案・監修を担当している。

© サンライズ

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