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『勇者王ガオガイガー』米たにヨシトモ監督が超合金魂 超竜神を語る!

2024.10.09

超合金の魂【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

勇者王ガオガイガー監督 米たにヨシトモ
超合金魂GX-109 超竜神を語る

 本頁では『勇者王ガオガイガー』の監督である米たにヨシトモ監督をお呼びして、超合金魂 超竜神について語っていただいた。米たに監督の鍛え抜かれたオモチャ鑑定眼は、最新バージョンとなった超竜神をどう見ているのか? 一読を乞う。

取材:五十嵐浩司(TARKUS)、文:加納遵


米たにヨシトモの画像1

超竜神は、主役のガオガイガーに負けないほど愛されている勇者ロボです

――超合金魂『勇者王ガオガイガー』シリーズにガオガイガー、ゴルディーマーグ、スターガオガイガーセット、ガオファイガー、レプリガイガーに続き、このたび超竜神がラインナップされました。

米たにガオガイガーや、ガオファイガー、その強化用メカが揃ってきたところで、GGGの主力ともいえる超竜神が商品化されたのは順番的に妥当かなと思います。待ち望んでいたファンも多いのではないでしょうか。
放映当時に発売されたタカラ(現タカラトミー)のDX超竜神も素晴らしい出来映えでしたが、対象年齢の安全面や予算的都合から再現できなかったギミックもたくさんありました。令和の技術力と大人の本気でどうパワーアップしたか、が気になる点ですね。超合金魂のファーストインプレッションとしては、当時物には無かったチェストスリラー/チェストウォーマーの開閉ギミックがあって嬉しいです。ダイヤルを回すとスリットの色が変わる仕掛けも表現されていて、立体玩具としての楽しさが増していると思います。

超合金 超竜神のキットの画像1
▲ 超合金魂 超竜神。シンメトリカルドッキングと可動を両立した最新アップデートバージョン
超合金 超竜神のキットの画像4
▲ 米たに監督が感激した胸部ハッチの開閉ギミック

――当時物は氷竜・炎竜単体での可動範囲の広さも珍しかったですね。

米たに合体前の2体の関節が曲がり、カッコイイポーズが付けられるのは当時としては画期的でした。超合金魂はそれを継承しつつ、今度は超竜神の状態でも全身が動くようになったのは大きな進歩だと感じています。アニメでは画力で乗りきったものの、立体ではごまかしきれなかった隙間がありましたが、ディテールアップパーツの採用により補完できて、見映えも大変良くなりました。二次元世界をカッコイイ三次元に変換してもらえて、監督としても感謝です。

――アニメからのフィードバックという点では、氷竜と炎竜はパーツ交換で表情が変えられます。この造形も本編を意識して、ロボというよりキャラクターフィギュア的な仕上がりになりました。

米たにイケメンになっています。顔といえば、当時物の超竜神の頭部はやや細くせざるを得なかったので、そこもアニメに近いイメージに生まれ変わって嬉しいですね。

――超合金魂ということで、特筆すべきはダイキャスト合金の重量感です。手にとっていかがでしょうか。

米たに重さとともに存在感が伝わってきます。合金の関節部も硬すぎず緩すぎない絶妙な感触でスムーズに動きますね。当時物のカチカチッと動くラチェット機構も好きですが、ポーズの自由度という点で進化しています。
 ビークルモードも、ライトやタイヤ周りが細かく造形されていて、ミニカーのように飾れる完成度です。クレーンやラダーも伸び、先端が可動して、金属シャフトの伸縮が見える。表情パーツも含め、こういうディテール遊びは大人向けだからこそですね。「男子っていくつになってもこういうの好きだよね」の塊ですし、ビークルモードが現実的な建機に見えるのは勇者シリーズの大事な要素と思います。

――超竜神専用のメガトンツール「イレイザーヘッド」も、本体スケールに合わせたものが付
属します。

米たに(実物を前に)こんなデカいサイズでよく商品化しましたね。形もシンプルだから逆に勇気が必要だったでしょう。知らない人が見れば「なんだこれは?」となる装備ですが、この対比のインパクトこそ肝ですから。上層部の偉い人から「材料費使いすぎ!」と却下されることもなく、立体化承認してもらえてよかったです(笑)。

――攻撃ではなく「破壊エネルギーを消滅させる」アイデアは斬新でした。

米たに『ガオガイガー』では剣や銃のような定番に囚われない個性を盛り込みたかったんです。ガオガイガーの装備は子供たちにも身近な工具、超竜神は主に文房具をモチーフとしています。レスキューアイテムであるペンシルランチャーの流れで「じゃあ消しゴム」とイレイザーヘッドを考えました。過去の勇者シリーズでも前例が無いし、当時はおもちゃになる予定のない装備だったから好きにやっちゃえ、って(笑)。

――そしてセミビークルモードですが、この形態は当時物で遊びながら閃いたとお聞きしています。超合金魂は専用ジョイントでの固定、背中パーツを展開し支えとすることで、ひとつのモードとして完成させています。

米たに「ゲッター3っぽくて面白いかも」と思ってアニメに登場させました。当時物は後ろに転びやすかったので、ちゃんと自立可能な完全形態となった超合金魂でぜひ遊んでほしいですね。

超合金 超竜神のキットの画像3
超合金 超竜神のキットの画像2

▲ テレビアニメ放送当時に米たに監督が提案したセミビークルモード。超合金魂でも再現が可能であり、オリジナル解釈を盛り込んで安定したディプレイが可能となった

© サンライズ

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