「ファルケスタビライザーの折り畳み」を実現! 横山宏41年越しの新設定に呼応したMAX渡辺とのファルケ特集!【Ma.K. in SF3D】
2024.10.12Ma.K. in SF3D/傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ【マックスファクトリー 1/35】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 製作/横山宏
なんと40年以上も課題だった「ファルケスタビライザーの折り畳み」をやっと実現させることができました。2024年9月1日、台風の影響で開催が危ぶまれていた「タマミー2024」は無事開催することができました。悪天候の中、準備に奔走してくれたスタッフと遠路参加してくれたマシーネンファンのみなさんにこの場を借りて感謝のことばをお伝えさせていただきます。前回のホビージャパンに掲載されたこのファルケをタマミー会場で展示しようと前日の夜準備をしていたのですが、日付が変わったあたりで「そうだ。長いこと宿題だったスタビライザーを折り畳まないといけなかったんだよな」とお告げがありました。ファルケを最初に作った時から「輸送中には折り畳みたい」と思っていたのですが、「この軸をこうやって90度回してここを引き出して…」なんてF6Fヘルキャットのようにスタビライザー自体に仕掛けがあるように加工しようと考えていたところ、facebookの友人モデラーがコルセアの主翼を折り畳んでいる作例をアップしていたのを見て「これだぁ!! シンプルに軸が曲がればいいじゃないの!!」とやっと気がついたのでした。主翼を畳める飛行機はアメリカのコルセアやヘルキャットが有名ですが畳んだ主翼が空中でバラバラにならないのはものすごい技術なんですよ。
やっと思いついた設定はスタビライザーのユニバーサルジョイントな軸が付け根からほんの少し伸びてヒンジで折れ曲がる設定です! 模型だとキットの軸を切り離して真鍮線で繋ぐだけで再現します(金属精密加工が得意な人は伸縮して可動するヒンジを作ってみてください)。今回は本体の穴にフィットするランナーをまず挿し込んで接着しておきます。スタビライザーのほうは折れ曲がるとした位置あたりで切断します。直角よりやや内側に曲げた角度に真鍮線で接続するだけでオッケイです!! もうこれで収納も運搬も楽ちん!! ハセガワ様の1/20ファルケもまったく同じ方法で折り畳んでみたいと思います!!
今回はせっかくタマミーに展示するわけですからファルケ本体にも「追い汚し」を施します。購入しただけだったNAOKIさんプロデュースのガイアノーツのスタンピングスポンジを使ってウェザリングしたらこれがもう楽すぎてヤバい!! 「楽」というのは「楽しい」ことだと再認識!! 筆でやるより100倍速くていい跡が残ります。「昔からスポンジ使ってるわ」って言う人! 専用のツールが全然違うので驚きますよ。あまりに面白いのでやり過ぎに注意です!
もちろん今回のMAXさんの作例もスタビライザーを折り曲げた工作を施していますね!(なんと撮影日の朝に工作開始) ということで今回ドーリーに載せたファルケを間隔を詰めて並べたカッコイイ特撮写真が撮れました! 展開途中のスタビライザーもリクエストしたのでスタビライザーを伸ばさないまま緊急離陸したシチュエーションも撮影してもらいました。
今回簡単に作れてすぐ塗れるマックスファクトリーのファルケが商品化されたからこそ実現したことがたくさんあります。これは何個も作りたくなる本当にいいキットです。あっという間に売り切れてもう買えないそうなので再販を激しく希望しますという声も聞こえてきます。
マックスファクトリー 1/35スケール プラスチックキット “PLAMAX”
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ
製作・文/横山宏
© Kow Yokoyama 2024