HOME記事スケールモデル“模型は真っ白いキャンバス”「フォルクスワーゲン タイプ2 T1 サンババス」のかっこよさが引き立つ 汚れやサビの表現を加える筆塗りで製作

“模型は真っ白いキャンバス”「フォルクスワーゲン タイプ2 T1 サンババス」のかっこよさが引き立つ 汚れやサビの表現を加える筆塗りで製作

2024.09.19

フォルクスワーゲン タイプ2 T1 サンババス【レベル 1/16】●奥川泰弘 月刊ホビージャパン2024年10月号（8月23日発売）

ワーゲンバスのプラモデルの横の全体画像

デカールと文字の塗装ポイント

ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像3
▲ 奥川さんはデカールをイラストレーターで自作。キット塗装図のイラストをスキャンしたデータをベースに作成。カラーリングパターンも並行して考えている
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像4
▲ 自作したデカールを貼る。文字の中に色を筆で塗るので、文字は輪郭のみ。下2列の細い黒文字と白文字はそのまま。デカールは貼った後にツヤ消しトップコートを吹いて保護する

塗り残しが文字のダメージになる！

ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像5
▲ 文字の中を塗る。塗りつぶすのではなく、まずは輪郭をなぞるようにフチだけ塗る
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像6
▲ 文字の中を全部塗りつぶさずに、白やオレンジを残して塗る。するとそこだけ塗料が剥がれたり、かすれたりしている雰囲気が出る
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像7
▲ 文字と基本塗装が完了した状態。一番下の赤はファレホの「フラットレッド」を使用。筆以外に、スポンジでポンポンとスタンプしてよりランダムさを強調している
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像8
▲ ドアの中央のデカールも同じように塗装。青はファレホのスカイブルー。下地の透け感をコントロールして青の濃淡をコントロールしている
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像9
▲ 塗装が剥がれて金属地が見えてしまっているような表現にはファレホの「スカイグレイ」を使用。筆でちょんちょんと塗料を置くように塗った
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像10
▲ ホイールキャップは、ファレホの「ライトグリーンブルー」で塗装。チッピングはグリーンスタッフワールドのピグメントを、細い筆で塗っている
ワーゲンバスのプラモデルの足元のアップ画像
▲ 足元のアップ。これまで紹介してきた方法のすべてが凝縮している。タイヤの使用感はMr.ウェザリングカラーの「マルチグレー」を塗って表現

汚し塗装のポイント

ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像11
▲ ムラになるようにオレンジを塗装した後、Mr.ウェザリングカラーの「ステインブラウン」でスミ入れ。その後、専用うすめ液を綿棒につけて、塗料をぼかしながら重力方向に伸ばしていく
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像12
▲ ファレホのグレーで白部分の塗装剥がれを描き込んでいく
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像13
▲ ピグメントを少量のタミヤアクリル溶剤で溶いたものを、面相筆で各所に塗っていく。すると通常塗料では表現しにくい立体的なサビ汚れを施せる。色味・質感が大きく変化するオススメのテクニックだ
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像14
▲ ピグメントを塗りすぎたら、スポンジヤスリで削り落とす。この時塗装も剥がしてみたりして、全体のダメージ感を調整する。ファレホのグレーで塗装剥がれをさらに追加してみた
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像15
▲ ウェザリングが終わったら、窓やライトのクリアーパーツを取り付ける
ワーゲンバスのプラモデルの製作過程の画像16
▲ マホガニーを塗っておいたルーフにはファレホの「ライトグリーンブルー」をスポンジで叩いて塗装。バランスを見ながら筆でも塗装する
▲ 塗り足したり、スポンジヤスリで削ったりして自分の好みの調子を何度も模索。サビはピグメントで描き込んだ。最後にサビの周辺や輪郭にファレホのグレーを筆塗り。こうすることで騙し絵的に傷の深さが表現できて、ダメージがより立体的に見える
ワーゲンバスのプラモデルの内装のアップ画像1
▲ シートは光沢感を出して適度な使用感を演出。サインペイントで使用する塗料の缶など小物も配置。こうするだけで「人」を感じることができるので、ハードに汚れた車でも決して廃車に見えない
ワーゲンバスのプラモデルの内装のアップ画像2
▲ 窓ガラスのフチに溜まった埃や、ガラスの曇った表情は「タミヤ ウェザリングマスター Aセット」を擦り付けることで表現している
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奥川泰弘

車模型と情景で多くの人を魅了している、日本を代表するモデラー。2017年にはホビージャパンでウォールアートの連載を掲載。著書に「ランドスケープ・クリエイション1～3」（大日本絵画刊）がある。

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