プラキット「ベラ・ルゴシ as ドラキュラ」作例!“メイクをした俳優”を意識してリアルに彩る【エクスプラス】
2024.09.08魔人ドラキュラ
“メイクをした俳優”を意識してベラ・ルゴシのドラキュラをリアルに彩る
1931年に全米公開されたユニバーサルモンスター映画『魔人ドラキュラ』より、名優ベラ・ルゴシ演じるドラキュラが、エクスプラス 1/8スケール プラスチックモデルキットシリーズにラインナップ。キットは、LUGOSI LLC とのライセンス契約によりベラ・ルゴシの肖像権をクリアしたとのことで、その忠実な造形ぶりも見事。合わせ目が極力目立たない巧みなパーツ分割にカラーリングを再現した多色成型、さらにコスチュームも映画に合わせて2種選択式となっているなど、こだわりの逸品となっている。作例は劇中や当時のポスターにならってペンダントのないバージョンの衣装を選択。劇中をイメージした“メイクをした俳優”を意識した塗装表現で仕上げている。
エクスプラスのベラ・ルゴシのドラキュラを製作しました。素晴らしい造形でベラ・ルゴシによく似ていると思いますが、個人的には映画『魔人ドラキュラ』よりやや後年の印象に近い気はします。
プラモデルとしても良質で、かつては生き物系のモナカキットですと、パーツの合わせ目に隙間が空いたり大きな段差ができたりといった製品がよくあったのですが、こちらはそういった問題はありません。分割も巧みで合わせ目がディテールになっていたり、ほぼ色別にパーツ化されています。ただ下半身を上半身の前後のパーツではさみ込む構造になっているので、ここだけは注意が必要です。もちろん、全部組み立ててから塗装する場合は気にしなくてかまいません。今回はマスキングの手間を最小限にするために、上半身の前半分の白いシャツとウエストコートの部分を先に塗って、マスキングしてから組み立てました。なお、上半身はディテール違いで選択式になっています。劇中や当時のポスターなどを見るとキットのモチーフになったポーズでは胸のペンダントがないほうが正解のようです。ただ後年発売されたいくつかのスタチューや、2021年発売の4K ULTRA HD Blu-rayのジャケットではペンダントをしています。
仕上げの方向性としては「実在するクリーチャー」として塗るか「メイクをした俳優」として塗るかで少し変わってくると思います。今回は俳優ベラ・ルゴシとして仕上げたつもりです。当時の宣材写真や映像ソフトで見た印象だとメイク自体はわりとさっぱりしているというか、やや白塗りっぽい顔色にコントラストの強い口紅と目張りくらいのように感じます。ここは製作者の好みですからどんな仕上げにしてもいいと思います。こんなアプローチもあるか、くらいに受け取っていただけるとありがたいです。
使用した塗料はMr.カラーとタミヤエナメルです。ちなみにドラキュラが着ているのは正式な晩餐会などで着る夜会服で、色や素材までドレスコードがあります。質感にこだわるなら注意したいところです。ジャケットの襟は光沢のある生地を使うそうなのでツヤを強調してもいいでしょう。今回は全体的に半光沢でハイライトを塗装していますがちょっと弱かったようです。ボタンなどに金色は使わないそうなので注意しましょう。また前述のとおりメイクということの演出として、手と顔とでは肌の色を変えています。
完成すると存在感が凄いです。お勧めです。
エクスプラス 1/8スケール プラスチックキット
ベラ・ルゴシ as ドラキュラ
製作・文/國谷忠伸
1/8スケール ベラ・ルゴシ as ドラキュラ プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●6578円、発売中●1/8、約24cm(台座含む)●プラキット
Ⓒ Universal City Studios LLC. All Rights Reserved. Bela Lugosi? and Bela Lugosi as Dracula TM Ⓒ 2024 Lugosi Enterprises
國谷忠伸(クニヤタダノブ)
フィギャア塗装のスペシャリスト。キャラクターメカからAFVまで幅広いジャンルを手掛ける。