HOME記事キャラクターモデルハセガワ「YF-19 バトロイド“マクロスプラス”」18 年ぶりとなる完全新規金型のバトロイドキットをさらに高密度に仕上げる

ハセガワ「YF-19 バトロイド“マクロスプラス”」18 年ぶりとなる完全新規金型のバトロイドキットをさらに高密度に仕上げる

2024.09.10

YF-19【ハセガワ 1/72】 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)

YF-19 バトロイド“マクロスプラス”の素組みと作例の比較画像
▲ キット素組み(左)との比較。改めてキット形状の完成度の高さをご確認いただきたい。キット段階でもかなり色分けがなされており、付属の水転写デカールでほぼ設定カラーをカバーできるレベル。作例ではキット形状はそのままに、細部のシャープ化やディテールアップを中心とした工作で、ハセガワバトロイドキットの根幹である“航空機が変形したメカ”であることをさらに印象付けるものとした
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のガンポッドの画像
▲ ガンポッドはグリップパーツが3種付属しており、差し替えることで単体、手に装備、シールド裏マウントを再現可能
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のFASTパックの画像
▲FASTパック一式。FASTパックも本体に合わせて適宜モールドを追加している
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のFASTパック装着時の正面画像
▲ FASTパックを装着した状態。FASTパックを装着することでマッシブさが強調され、より力強いフォルムになる
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のFASTパック装着時の背面画像
▲ キットはかかとパーツが、バトロイド形態の設定重視とファイター形態のベクターノズルを意識した形状の2種付属。写真はベクターノズル風パーツを取り付けた状態
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のエフェクトパーツ使用時の画像
▲ ピンポイントバリアパンチ再現用エフェクトパーツが付属。キット段階でも波打ったような表面モールドと薄い成型で質感高く再現されている
YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のFASTパック装着時のポージング画像
▲VF-0から18年。ついに1/72スケールでのプラキット化を果たしたYF-19 バトロイド。バトロイド形態の初プラキット化という点においては、BANDAI SPIRITSのHGシリーズに席をゆずったものの、やはり1/72スケールでハイディテール造形なアイテムから得られる満足感は、他の何物にも代えがたいものだろう

▶『マクロスプラス』30周年の目玉!
 出ました! 待望の1/72「YF-19 バトロイド」! ハセガワスタンダードのあえて欲張らない非変形のキットですが、バトロイド形態に特化したスタイリングとアクションは目を見張るものがあります。特化したといっても、ファイター形態と違和感なくリンクした各部のバランスとディテールは圧倒的な説得力で、脳内で変形シーケンスを再現して楽しむこともできますね。キットのプロポーションは設定画のマッチョな雰囲気と比べると幾分細身で好みの分かれるところですが、力強い太モモからシャープなつま先までの脚ラインは絶妙な曲線でとても美しく、鋭く流れるファイターのイメージとも、細身のイサムのイメージともマッチしていて、実にかっこいいのです! 一方の上半身はカッチリしたメカ感抜群の造形となっていて、こちらもすばらしい! 特に胴体・背中周りの複雑に立体が噛み合った一体感と、メリハリの効いた彫刻の立体感は最高であります! 細分化された精密パーツを組み合わせて立体を構築していく過程は「伝統的模型製作の真骨頂!」でワクワクです。
 さあ、今回はキットレビューということで基本形はそのままに、各部をよりシャープに整えたり、ディテールが不足しているところを補足して、より高密度でスケール感ある仕上がりを目指します。

▶基本工作での注意点
 今回は初期のテストショットを使用したので、各部調整しながらの製作です。まずは足首のガタつきです。作例では隙間に瞬間接着剤を流し込んでガッチリ固定してみましたが、逆にタイトになりすぎて軸のほうが耐えられず折れてしまいました(爆)。ポリパーツを固定するなら、角穴の周辺ぐらいにとどめておくのがよさそうです。はさみ込み式の主翼は塗装時に不便なので、最上部の穴を切り欠きダボのピンを短くカットしておいて、プラの弾力を活かした“後ハメ式”で組むといいです。
 キットは合わせ目が気にならないように設計されてはいますが、唯一スネの足首側、バーニアの横に大きな合わせ目があります。ここだけは接着して一体化処理を施すほうがよさそうです。はさみ込み式のヒザ関節はそのままでもうまくやればギリギリまで分解できるので、マスキングを頑張れば接着してもなんとかなりそうです。

▶リアル感を追求する
 プラスαとしておなじみの技を紹介しましょう。
・エッジ処理:ヤスリを斜めに当てて均一にC面加工を施し、精密感を上げます。
・関節軸:可動を邪魔しない範囲でディテールを貼り付けます。
・丸バーニア:センターに穴を開けたりディテールを貼ったりして二重化します。
・航法灯:翼端灯や着陸灯などは透明素材に置き換えます。
・パネル:抜きの関係でモールドの寂しい箇所は、テンプレートとニードルでアクセスハッチ風のスジ彫りを追加してみましょう。
・リブ:プラ材や伸ばしランナーで部分的に凸モールドを追加すると、ゴツイ印象を加えることができます。
・表面ディテール:キットのモールドに+αでボルト穴、ラッチ溝、エッジの段差など、適宜メカディテールを彫っています。

▶華麗なる夏アゲハ
 キットには便利なデカールが用意されていますが、今回は繊細なモールドを潰さないためにも、可能な箇所は極力マスキング塗り分けで仕上げました。また、主要なカラーはサーフェイサーを基本に調色して表面処理兼用とし、厚塗りにならないよう注意して塗りました。なので、赤はキャラクターレッドですが、ベージュは白サフ+グレーサフ+茶サフ+黄橙色あたりで何度か調整。メカ部は黒+シルバー基本でツヤを調整したもの。グレー系は混色の混色で説明困難…。それぞれ気に入るまで何度も微調整していますので、まあ、レシピは参考程度に…(爆)。
 エナメル塗料のグレー、黒でスミ入れを施し、付属デカールを貼り、濃さとツヤを調整したスーパークリアーグレートーンで軽くグラデをかけて完成です。

YF-19 バトロイド“マクロスプラス”のFASTパック装着時のポージング画像

ハセガワ 1/72スケール プラスチックキット YF-19 バトロイド“マクロスプラス”使用

YF-19

製作・文/木村直貴

YF-19 バトロイド“マクロスプラス”
●発売元/ハセガワ●5390円、発売中●1/72、約22.5cm ●プラキット


©1994 BIGWEST

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木村直貴(キムラナオキ)

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