「MODEROID ラーゼフォン」キットレビュー! モールドを際立たせつつ、アルティメットホワイトで神秘的な美しさにこだわる!
2024.09.16ラーゼフォン【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)
白亜の巨神を美しい塗装で製作
2002年に放送されたTVアニメ『ラーゼフォン』から、主人公の搭乗するロボット「ラーゼフォン」がMODEROIDよりキット化となった。本作が重厚かつ謎めいたSF作品である点も広く知られており、20年以上経った今でも多くのファンの心を掴んでいる名作である。
TVアニメ放送当時にバンダイ(現BANDAI SPIRITS)から発売されて以来、プラキットも22年振り。今回の作例では神秘的で美しいラーゼフォンを再現するために、キットのモールドを際立たせつつ、塗面の美しさにもこだわったものに仕上げている。
カラーレシピ
・ホワイト=アルティメットホワイト
・ブルー=ブライトロイヤルブルー
・ゴールド=ブライトゴールド(下地ブラウン)
・ブラウン=Mr.カラー サンドイエロー(50%)+ガイアカラー マホガニー(25%)+FS30219タン(25%)
美嶋玲香
・肌色=フレームアームズ・ガールカラー プラスチックフレッシュ
・イエロー=サンシャインイエロー(60%)+Ex-ホワイト(40%)
・オレンジ(マフラー)=メカトロウィーゴカラー らいとおれんじ
・オレンジ(サンダル)=バーチャロンカラー ビビッドオレンジ
・髪=ガイアカラー マホガニー
ついにMODEROIDよりラーゼフォンが発売されました。キットのプロポーションからディテールまで良くできています。色分けから細部の塗装済みパーツなどもよく考えられていますし、そのまま組むだけで最高のラーゼフォンを手にすることができます。TVアニメ放送当時のキットを複数個積んでいる身としては少し悲しさすら感じました……。
さらには美嶋玲香のフィギュアまで付属していて、きれいに塗装するだけで美しい玲香を並べることができます。
■頭部
フェイスパーツは塗装済みとなっていますが今回は全塗装で仕上げますので各ディテールを丁寧に彫り込み、細かくマスキング。
額の丸いモールドは一度削り落とし、市販のディテールアップパーツに変更することで塗り分けが楽になります。羽はすべてのモールドを彫り直してからスミ入れすることでディテールがより際立ちます。
■胴部
腰パーツははさみ込みとなっており、そのままではセンターの合わせ目が目立ちます。後ハメ加工は考えず、各パーツを塗装後に組み立てたのち、センターの合わせ目の処理をして、内部パーツをマスキングしてから再塗装で仕上げました。面倒に思いがちですが、これで未塗装状態から仕上げるよりも。入り組んだパーツなどに気を使わず簡単に塗装することができます。
■腕部
上腕パーツも腰と同様。握り手、平手のパーツは出来が良いのですが、成型と強度の問題でモールドが甘くなったり、指の間に水かきが付いていたりします。丁寧に水かきを切り取りモールドを彫り直すことで、さらにディテールが際立ち表情豊かになると思われます。
■脚部
太モモははさみ込みのため、センターに合わせ目が出て目立ってしまいます。各パーツを塗装後に組み立てたのち、センターの合わせ目の処理をし、内部パーツをマスキングし再塗装し仕上げました。
■武装
光の弓矢、光の剣はクリアーパーツとなっていますが、弓と剣は蛍光オレンジ、矢は蛍光ピンクとし、劇中の発光をイメージし透明部分を若干残しつつホワイトにグラデーション塗装して仕上げました。
■美嶋玲香
瞳は付属のデカールを貼りトップコートでツヤ状態にし、瞳以外をマスキングし肌のツヤ消し塗り仕上げました。塗り分けをキレイに仕上げられるようにラインを丁寧に彫り込み、マスキングゾルなどを使用し塗り分けます。スミ入れをすることでパキっと仕上げられると思います。
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”
ラーゼフォン
製作・文/ken16w
MODEROID ラーゼフォン
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7500円、発売中●約19.5cm●プラキット
©2001 BONES・出渕裕/Rahxephon project
ken16w(ケンイチロー)
徹底した表面処理とディテール工作によりハイレベルな作例を仕上げる豪腕モデラー。