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MODEROID「トイボックス」後ハメ加工、別パーツ化で細かな塗り分けを実現!【ナイツ&マジック】

2024.09.11

トイボックス【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)

“エルのおもちゃ箱(トイボックス)”

 アニメ『ナイツ&マジック』より、マギウスジェットスラスタの実験過程で誕生した幻晶騎士(シルエットナイト)「トイボックス」がMODEROIDシリーズに登場。キットは各部がフレキシブルに可動し、さまざまなポージングに対応する。田中康貴による作例では、シルエットナイトらしいきれいな仕上がりを目指して後ハメ加工や別パーツ化を行い、別売りの「MODEROID トイボックス用水転写マーキングデカール」を使用して完成させた。

▲マギウスジェットスラスタの実験で大破したカルダトアを改修して誕生した機体。エルの思い付きによるさまざまな装備の実験台にされていることから、“エルのおもちゃ箱”を意味する「トイボックス」という名称が与えられた。固定武装として左腕にライトニングフレイルを装備する
▲初登場は銀鳳騎士団と国立機操開発研究工房(通称ラボ)による新型機の模擬戦。このときは補助腕は装備されておらず、剣と盾を使用した。作例は補助腕未装備時のフタパーツを追加製作することで初登場時の姿を再現できるようにし、肩、腰、脚のジェットスラスタ内部にはラピーテープを貼ってキラリと光るアクセントにした

▲頭部は後頭部と襟の合わせ目処理のために内部の接続ピン(赤く着色した箇所)を切り落とした

▲腰部は正面ダクトの底面にメッシュプレートを貼ってディテールアップ。左右にあるインテーク状の部位は、内部をタガネで切り離し、塗装後に再接着。リアアーマー左右の肉抜きはプラ板でふさいだ

▲胸部は側面の合わせ目処理のために、肩の軸受けパーツの接続ピンを切り落とし、胸部接着後に下から軸を差し込んで固定できるようにした。内部にプラ板を貼って軸を固定する厚みを確保し、上部にもプラ板を貼ってガタ付かないようにしている

▲胸部正面の円筒形状と背中の中央部は塗装を考慮してタガネで切り離し、色分けされたモールドは塗装した0.3mm厚のプラ板を貼っている
▲補助腕を装着しないときのフタパーツは市販パーツとプラ棒の組み合わせで製作

▲腕部は外装を接着し、内部フレームの接続ピンをカットすることで後ハメ化。前腕フレームはヒジ関節をはさみ込む構造上、外装を接着してしまうと入らなくなってしまうので、接続ピンの穴をガイドに1.5mm穴を開けたあとに根元からいったんカット→外装にセット→カットしたピンをヒジ関節側のダボ穴にセットしてから差し込み→外からまとめて1.5mmのアルミ線で接続、という手法を取っている

▲脚部は太モモフレームをダボを境に上下に分割、外装はダボ穴をC字加工することで取り付けやすくしている。ヒザ関節は3mmのプラ棒接続にした以外はヒジ関節と同様の工作を行っている。足首もスネ側のパーツを加工して後ハメ化した

▲剣と盾、補助腕を装着したフル装備状態。アルフヘイムでの戦いでは補助腕を装備したが、三式装備で出撃したため剣と盾は装備しておらず、劇中でこの状態になることはなかった

▲腰周りの可動範囲が広く、立てヒザポーズも難なく可能
▲剣はストレートに組み立て。盾は肉抜き穴を埋め、整形処理がしづらい突き出しピン跡をプラ板を貼ってふさいだ

▲色分けが必要なダクト内部は彩色したプラ板を貼り付けることで塗り分けの手間を省いている

▲キット素組み(左、シール未貼り付け)との比較。合わせ目処理と塗装を考慮した別パーツ化を行い、極力設定画の印象に近付くようにしている
▲渡辺圭介製作のMODEROIDツェンドルグとのツーショット(模擬戦Ver.)。アルフヘイム戦でのツェンドリンブル(アディ機、キッド機)、三式装備搭乗時を再現すべく残りの作例も製作中なので、ご期待いただきたい

■素晴らしいキット!
 MODEROIDトイボックスを担当させていただきました。このシリーズは初めて組み立てたのですが、設定に忠実かつシャープな造形でとてもカッコイイですね。作例ではキットのよさを活かしつつ、アニメでの活躍が思い出されるような仕上がりを目指しました。

■製作
 主な工作は、パーツの合わせ目消しとそれにともなう後ハメ加工、細部のマスキングを省きつつきれいな色分けにするための別パーツ化です。合わせ目消しは、腕と脚が関節をはさみ込む構造で厄介ですが、ここはしっかり処理しておくと見映えが各段によくなります。塗り分けが必要な箇所が多く、先に工作を全部済ませてから塗装に専念したいということもあり、最後にまとめて外から軸を差し込む方法をとりました。別パーツ化は、塗り分けしたい箇所でプラ板1枚で済む簡単な形状を中心に行っています。こちらは凹みにマスキングテープを貼って、縁をシャープペンでなぞることで転写できるので、負担も少なくできます。腕や脚にある小さな丸モールドは市販のリベットパーツを貼りました。足首の先端形状はプラ板を貼ってひとまわり大きくすることで足甲との隙間を小さくしています。

■塗装
 アニメの画像を参考に塗装しました。橙色はデカールの色に近づくよう調色し、水色はキットパーツがメタリック成型だったのでそれに合わせました。塗り分け対策を頑張ったのですが、やはりマスキングの嵐! 多分トータル丸2日分の作業量でした。手甲など細かい部分やアールがきつい形状はマステスライサーVで3mm角に切り出したものを地道に貼っていきました。
青=インディブルー+クリアーブルー+GXクリアバイオレット+蛍光ピンク
水色=スカイブルー+クールホワイト+ブラック→GXクリアシルバー
黒=サーフェイサー1500(ブラック+ホワイト)+MSブルー
橙=MSイエロー+レッド+ブラック
白=MSホワイト+ブラック
グレー(薄)=グレーバイオレット
グレー(濃)=グレーバイオレット+ブラック
 塗装が上手くいっていることを祈りつつマスキングテープを剥がします。少しはみ出した箇所は筆塗りで修正しました。エナメル塗料でスミ入れ後、仕上げに別売りの水転写デカールを貼ってついに完成。達成感凄いです!

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”

トイボックス

製作・文/田中康貴

MODEROID トイボックス
●発売元/グッドスマイルカンパニー●6500円、発売中●約14cm●プラキット



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ⓒ天酒之瓢・主婦の友社/ナイツ&マジック製作委員会

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