スーパーミニプラで巡航遊撃人馬兵プロマキス・ヴィーを再現!『機甲界ガリアン』プロマキスの塗装と装備の一部を変更【サンライズ・メカニック列伝】
2024.08.21サンライズ・メカニック列伝 第65回/巡航遊撃人馬兵 プロマキス・ヴィー【バンダイ】●田仲正樹 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
[脚部]
ヒザ関節、つま先、かかとの裏の肉抜きはエポパテで埋めて整形。前脚のヒザ関節軸は0.5mm延長するとよい。ヒザ装甲はフチを薄く加工。各スネは左右のアーチ部分をいったん切り取り、側面の合わせ目を処理したあとに再接着して仕上げている
[腕部]
肩装甲の上下がうまくハマらない場合は、A-1、A-2部品のフチのめくれ上がりをペーパーでならしながらハメこむ。ヒジ関節は上腕下部にポリ部品を仕込み、関節側に軸を取り付けて後ハメ化。前腕はエポパテで凹凸をならし、右腕の盾の接続穴はプラ板で埋めた。手首は手の交換時のテンションがキツく破損リスクがあるため、腕側の受けをポリ部品に交換して解消。また軸隠しも追加した
[武装類]
盾はHGドラッツェの盾をプラ板で大型化し、表面にプラ板で凹凸を追加したもの。斧を設定どおり格納するには盾と腕の間に大きな隙間が必要になるため、斧の格納位置を下へずらしてアレンジ。HGガンプラのシールド接続パーツを加工したものを使って、盾を前腕の側面に装備できるようにした。斧と砕鋼杖は表面のヒケとパーティングラインを処理したのみ。槍は先端を削り込んで尖らせ、ガード部裏の空間を1/600ロッグ・マックの外殻ミサイルランチャーでカバーした。ドン・スラーゼン軍団旗はクラウン製1/130プロマキス・ヴィーに付属の旗を大型化し、真鍮パイプや洋白線でディテールアップ。「やや小さめですが、これくらいの大きさで描かれているカットも存在するので製作してみました」とのこと
■スーパーな人馬兵です
モノコットのパイロットが妙にかっこいいことが40年間ずっと気になっているサンライズメカファンのみなさんは、「どのサンライズキャラの部隊に入りたいか」
をわりと真剣に考えたことがあるはず。「ドバ総司令やカン・ユーは嫌だし、ル・カインの死鬼隊は問題外…。シャアも身の危険を感じるのでランバ・ラルと言いたいところだけど、あの隊は部下がどいつもこいつもうかつな奴だからな…」と長考した結果、「ドン・スラーゼンだ!」という結論に辿り着くのは私だけではないでしょう。スラーゼンが指揮官として優秀なのに加えて、どんな時でもとりあえずお腹いっぱい食べられそうなのがいいですよね。
そんなスラーゼン派としては『ガリアン』世界の代名詞的存在である人馬兵の作例は、当然このヴィーから始めなければなりません。タカラSAKのプロマキスも直線的で角ばったフォルムが格好いいのですが、今回はスーパーミニプラで製作しました。全身のバランスは良好、曲面の表現も自然で巧みです。一部塗装済のパーツをパチパチと組み立て、シールを貼って完成させるのであれば特に問題はないのですが、一度ハメたら外せない(完成後に外れるのも困るのでこれでいいのですが)ジョイント部や、ノコを使った切断作業なくしては事実上合わせ目が消せない脚部など、合わせ目を消して全塗装をする場合はちょっと迷うところが出てきます。製作途中画像とキャプションで説明していますので、参考にしていただければ幸いです。「スネの合わせ目はそのままにしておこう」「ヒジ関節は固定しよう」といった具合に、ある程度わりきることも選択肢に加えてよいでしょう。
旗はクラウン1/130キットに付属のものを少し大きく加工。色や大きさが明らかに普段と違うカットがあるので、旗は複数存在しているとも考えられます(カタカムのように「何枚でもあるんだ」というわけではないでしょうね)。好みの大きさに作って、好きな模様を描いて持たせてください。
■スーパー塗装タイム
新紀元社刊「機甲界ガリアン コンプリートアートワークス」掲載の劇中画像および、タカラ刊「デュアルマガジン」第11号掲載のカラー画稿を参考に塗装。本体色は「画面ではヴィーのほうが若干濃い茶色に見えた」という本放送当時の記憶をもとにスカーツの茶色と少し変えていますが、部隊色と解釈してまったく同じ色でもよいと思います。
本体茶=ブラウン+純色ブルーにオレンジとハーマンレッドを各少量
赤=ハーマンレッドにピンク少量、本体色微量
関節は自作の茶系グレー、武器は自作の赤系ライトグレー。目(ゴーグル)はビビッドオレンジにモデナイエロー1を少量。スミ入れをしたあとに、半光沢とツヤ消しを混ぜたクリアーで塗膜をコートして終了です。
次回は主人公もヒロインも使ったあのメカの作例が登場します。
バンダイ ノンスケール プラスチックキット“スーパーミニプラ”機甲界ガリアン 人馬兵プロマキス 使用
巡航遊撃人馬兵 プロマキス・ヴィー
製作・文/田仲正樹
「サンライズ・メカニック列伝 ダブル・リバイバル編」発売中!
古今東西のサンライズメカ作例集、待望の第2弾! 多彩な作品から30体以上が参戦!
ホビージャパン本誌にて連載している「サンライズ・メカニック列伝」のムック化第2弾です。『伝説巨神イデオン』『戦闘メカ ザブングル』などコーナーのレギュラー作品に加え、『太陽の牙ダグラム』『疾風アイアンリーガー』『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、魅力的なサンライズ作品から幅広くメカ作例が集まっています。コーナー中のディープな工作&解説テキストも含めた再録に加え、設定画も追加掲載。『機甲戦記ドラグナー』より、単行本だけの作り起こし作例も予定しています!
ⓒサンライズ
田仲正樹(タナカマサキ)
「ガリアン消しゴムのプロマキスを見ると『ダンバイン』の前期オープニングを思い出す」とのこと。