スーパーミニプラで巡航遊撃人馬兵プロマキス・ヴィーを再現!『機甲界ガリアン』プロマキスの塗装と装備の一部を変更【サンライズ・メカニック列伝】
2024.08.21サンライズ・メカニック列伝 第65回/巡航遊撃人馬兵 プロマキス・ヴィー【バンダイ】●田仲正樹 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
巡航遊撃人馬兵 プロマキス・ヴィー
(『機甲界ガリアン』より)
サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は2024年秋に放映開始40周年を迎える『機甲界ガリアン』から、巡航遊撃人馬兵「プロマキス・ヴィー」のスーパーミニプラ作例をお届けしよう!
マーダル軍機甲兵団の主力を成す人馬兵プロマキス。その装甲構造を変更し、軽量化することで航続距離を通常の1.9倍に高めたタイプがプロマキス・ヴィーである。劇中ではドン・スラーゼン伯爵配下の兵が駆る10騎が参戦。遊撃作戦で目を見張る活躍を見せたほか、作品屈指の人気キャラクターであるヒルムカもジョジョ救出のために搭乗している。なお、本放送当時の「デュアルマガジン」誌における機甲兵人気投票では第1位のガリアン重装改に次ぐ票数を獲得。機甲猟兵ザウエルを抑えて2位入賞を果たしている。
作例は田仲正樹が私物を投入して製作。機体の特徴である盾を自作し、良好なフォルムと曲面表現を活かしながら可動部を強化。キットの完成度をさらに引き上げるべく、各部の隙をなくすための工作を積み重ねている。
[製作途中状態]
『ガリアン』本放送当時に発売されたタカラ製SAKが現在でも高い評価を得ているプロマキス。スーパーミニプラ版はSAKを上回る曲面表現の巧みさとフォルムのまとまりのよさ、そして広い可動範囲を有する秀作だが、あくまで食玩ということもあり、通常のプラキットに比べて作り込みがしづらいことは否定できない。作例は塗装と装備の一部を変更してプロマキス・ヴィーを再現するとともに、キットの良好なフォルムを活かしながら可動部を改良。同時に各部の隙をなくすことで完成度をより引き上げることを目標とした。「合わせ目を消し、全塗装して仕上げる」ためのヒントに溢れた本記事を、読者諸氏がキットを製作される際の参考としていただければ幸いである
[頭部]
角の取り付け部の強度を優先したためか、後頭部の形状が不自然なので削り込んで修正。角の根元は成型上の都合で形状が設定と異なるため、彫刻刀で彫り込んで立体感を高めた。首はK-5部品のボールジョイント受け部にプラパイプを被せて太くし、首と胴体の間の隙を軽減させている
[胸部/腹部]
襟の裏側はエポパテで埋めて隙を軽減。K-3部品は首および腹部を付け外しできるよう各ボール部をあらかじめ調整してから胸部に組み込む。各ボールジョイントがハメにくい場合は、ボールのパーティングラインを細目のスポンジヤスリでそっと削るとよいだろう。腹部ビーム砲両脇のパイプは上下が繋がっているのでドリルとナイフで隙間を空けた。腹部は1mm径の半丸プラ棒やリード線を接着して立体感を補っている。C-2部品の前部を分割し、腹部を塗装後に組み込めるように加工。背部ダクトは後ハメ化できないためそのまま組み込んでいる。腰アーマーはジョイントのみを胴体へ取り付けておき、フチを薄くする加工および塗装を済ませたあとに接着する。股関節軸には市販パーツで軸隠しを追加。N-5部品はポリ部品と交換し、付属台座以外のベースにも接続可能にした。尻尾は節ごとに分割し、欠損部をプラ板とエポパテで補ったあとに再接着して立体感を高めている
ⓒサンライズ
田仲正樹(タナカマサキ)
「ガリアン消しゴムのプロマキスを見ると『ダンバイン』の前期オープニングを思い出す」とのこと。