『ブンブンジャー』出演も話題の江角走輔/ゴーオンレッド役古原靖久インタビュー! 『ブンブンジャー』の裏側から『ゴーオンジャー』当時の話まで
2024.08.13古原靖久 江角走輔/ゴーオンレッド●役
『炎神戦隊ゴーオンジャー』で江角走輔/ゴーオンレッドを演じ、今年『爆上戦隊ブンブンジャー』12話の出演も記憶に新しい古原靖久。まさにヒーローを体現して生きている彼に今回は『ブンブンジャー』のゲスト出演から『ゴーオンジャー』当時のお話まで伺った。インタビュー当日、現れた彼はなんと『ブンブンジャー』12話の赤髪の姿で……!?
(撮影/山本一人)
――『ブンブンジャー』12話を拝見したときも驚きましたが、今日も髪をセットしてきてくださったんですね! そのセットはご自分でされているんですか?
古原 自分でやってます! 今日は気合いを入れてきました。いちばん最初にトップを決めて、そこから花を咲かせるみたいな感じで広げていくんですけど、重力で垂れて位置が変わるのでそれも計算してちょっとずらして髪を立てるんです。ひとつの作品を作っている感覚ですよ。赤い色はスプレーで染めているんですが、この髪型にすると2回でスプレーが空になります(笑)。
――撮影の際も現場のメイク室で突然赤く染められたと伺いましたが……。
古原 監督も驚いていましたね。一応事前に美容院に行くとそれとなく伝えたつもりではいたんですけど……正直伝わっていないだろうなと確信犯的にやっていた部分もあります。東映の公式HPでも吉川(史樹プロデューサー補)さんにめちゃくちゃいじられてましたね(笑)。
――髪型のほかにも走輔を演じるために撮影前に準備していったことはありましたか?
古原 痩せることです。『炎神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』のときもそうでしたけど、新しい衣裳が作られるわけではないので、基本僕たちが当時の体型に合わせにいかなきゃいけないんですよ。やっぱり16年前と比べると全体的に身体が大きくなっているので、痩せないと当時の衣裳に入らないなということで何キロか落としました。昔のサイズの服を着て、合わせながらとにかくこれが入るまで痩せようと(笑)。特にゴーオンジャーはメットオフの状態で変身後のスーツも着るじゃないですか。あれは全身のラインが出るので、メットオフしても大丈夫なように頑張りました。
――『ゴーオンジャー』放送当時の「宇宙船」インタビューでも「スーツを着るから体型を維持しなきゃ」とおっしゃっていましたね。
古原 当時はメットオフが僕たちの体型を維持させていた部分もあります。あれを着るとなると一年間気が抜けませんでしたから、そこの辛さはほかの戦隊のキャストに比べてよりあったかもしれません。
――『爆上戦隊ブンブンジャー』ご出演のお話は吉川P補から?
古原 出演依頼のメールが来て、秒で「ぜひよろしくお願いします」と返しました。実はそれ以前に、ブンブンジャーのバスボムの中になぜかゴーオンレッドがラインナップされていたんです。そのときに「もしかしてこれ、『ブンブンジャー』に出るんじゃ……?」と感じていました。でも僕が騒いだらなくなるんじゃないかと思って、一応バスボムに関してはXで「バクアゲだぜ!」とか書いておいてそのあとは特に言及せずおとなしくしていました。「これでオファー来なかったらめちゃくちゃ恥ずかしいな」と思いつつ(笑)。コラボするにしてもゴーオンジャーだけのコラボなのか、車系の戦隊がいろいろ集合したりするのかなんて妄想して待っていました。
――視聴者としても、もしかしてゴーオンジャーは『ブンブンジャー』に出るのではという期待がありました。
古原 前年の『キングオージャー』にも『キョウリュウジャー』とのコラボ回があったので現実味があったんですよね。それにブンブンジャーの基地に「ゴーオンジャー」「ターボレンジャー」「カーレンジャー」って書かれたハンドルが飾ってあるのを見つけて。これはもう、さすがに来るだろ……! と思いつつ、話がなくなる可能性を恐れてじっと黙っていました(笑)。
――そうして決まった12話は『ゴーオンジャー』のパイロットを担当された渡辺(勝也)監督が担当されました。
古原 スタッフ陣もほんとうに変わらないですよね。しかも福沢(博文)さんは『仮面ライダーガッチャード』のアクション監督を休んでゴーオンレッドをやってくださいました。福さんがやってくださるのも、パイロットの渡辺監督が撮ってくださるのもすごく嬉しかったです。渡辺監督とはもう思い描く画のシンクロ率が500%でした。絶対こういう映像になるな、とイメージしながらできたのですごくやりやすかったです。『ゴーオンジャー』的に言うと「絆」ですね。
ストーリー的もただゴーオンレッドが出るだけじゃなくて、『ゴーオンジャー』のテーマのひとつでもある相棒との絆というものがブンブンジャーの物語に絡めて描かれていてよかったです。走輔とスピードルの絆で敵に打ち勝つことで大也とブンドリオの絆もより深まったんじゃないかなと感じました。『ブンブンジャー』に走輔が出た意味があったと思います。
――ブンブンジャーのみなさんと共演していかがでしたか?
古原 みんなめちゃめちゃいい子です。やっぱり僕たちがヒーローやってた頃とはちょっと違うというか……こんないい子たちいるんだ! と驚きました。チームワークもすごくよくて、こんな穏やかな場所があるんだって(笑)。やんちゃな子がいないんですよ。
――ゴーオンジャーはやんちゃでしたか(笑)。
古原 『ゴーオンジャー』当時の僕らはめちゃくちゃ喧嘩しましたから。特に美羽(役の杉本有美)とはたくさん喧嘩しましたね。それもみんな作品を面白くしようとして、同じ方向に向かっていくなかでぶつかっていたんです。「俺はこうしたい」「いやそれは自分が目立ちたいだけだろ」「でもこうしたらもっと面白くなるだろ」みたいなぶつかり方をリハでたくさんして。実際それで作品がよくなったと思いますし、あれはいい喧嘩だったと思っています。
でも今の子たちは喧嘩とかしないんだろうなって思いながら見てました。ほんとうにすごく穏やかで仲良くて礼儀正しくて、井内(悠陽)くんは大也と全然違って少年みたいな顔で笑うし(笑)。井内くんと齋藤(璃佑)くんと一緒にご飯を食べに行ったんですけど、「僕たちまだ19なのでお酒飲めないんですよ、誕生日過ぎたらまた連れてってください!」って言ってくれてほんといい子たちだなあ、かわいいなあと。
――ゴーオンジャーの夏の映画『炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!!』にはスーパー戦隊・仮面ライダーシリーズの先輩が出演されていましたね。当時のことを思い出すこともありましたか?
古原 当時夏の映画に出演してくださったレジェンドのみなさんと今回『ブンブンジャー』に出演した僕とではちょっと違うというか……半田さん、春田さんはもうレジェンド感が凄かったんですよ。菊地さんはどちらかというと近しく感じられて、多分あえて僕たち寄りに振る舞ってくれてたのかなと思います。でも今回『ブンブンジャー』を観ていても思ったんですけど、走輔ってあんまりレジェンド感がないんです(笑)。ちょっと先輩、くらいの印象。今もどこかで戦ってそうな雰囲気を出しての登場だったと思います。最後に「ヒューマンワールド」って言っていましたし、ブンブンジャーがあっちで戦ってるときにゴーオンジャーもこっちで戦ってるんじゃないかという想像もできます。そういうのもあってあんまりレジェンド感もなく、現場でもみんなと近い距離で仲良くさせてもらいました。
僕の精神年齢が低いっていうのもあると思うんですけど(笑)、走輔は16年経っても落ち着きがマジでない。レジェンドってやっぱり落ち着いてるものじゃないですか。でも走輔は荒らすだけ荒らして去っていく嵐みたいなやつですよね。どこの世界線に行っても、誰と共演しても走輔は変わらないんです。シンケンジャーと共演したときも最初は反りが合わなかった丈瑠が最後には認めてくれましたし。走輔が合わせることはないけど、最後にはみんなが走輔を受け入れてくれる、そこも走輔の魅力だと思います。一貫してブレないところが走輔らしいです。
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