プラキット「ブルー&ベータ」が登場!『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』ヴェロキラプトルの生物的な鱗を塗装で表現
2024.08.11エクスプラス1/8スケール新アイテム
ヴェロキラプトルの生物的な鱗を塗装で表現
2022年公開の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から、主役恐竜であるヴェロキラプトルのブルーと、ベータのプラキットがエクスプラスから発売された。旧作『ジュラシック・パーク』シリーズではその凶暴さゆえに、悪役に徹していた恐竜だが、新三部作では人間とともに行動するよう訓練されており、「ブルー」は最後まで主役らしい活躍を見せたヴェロキラプトル。個体特徴の浮き出た青い縞模様は、単為生殖による子の「ベータ」にも同じく現れており、雪原を並んで駆ける姿は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を再現したものだ。
作例は、これまでも同メーカーのキット作例をいくつも担当した山田卓司が製作。キット表面に緻密に作られた鱗のモールドとそれを活かした塗装、獰猛な肉食恐竜らしい牙と爪の鋭利な造形を見ていこう。
ヴェロキラプトルとは?
白亜紀後期に生息していた小型肉食恐竜。モンゴル~中国北部にかけてのゴビ砂漠の地層から発見されたことから、モンゴリエンシスという種小名も付けられている。他の恐竜より、体長に比べた脳の容量比が大きいことから、知能も高く、視覚や嗅覚も鋭敏だったとも推測されている。全身骨格が明らかになっている恐竜でもあり、その化石からも最新の学説で、頭部や上腕に羽毛があったことが定説となっている。
『ジュラシック・ワールド』シリーズ、恐竜サイドのスター、ヴェロキラプトルのブルーとその子供ベータ親子のキットですね。獰猛で知能が高く危険なラプトルですが、産まれた時から人間に育てられたおかげでギリギリ懐いているところが面白い。現実世界の家畜と違って何でもホイホイ従うわけではないところがリアリティを感じます。
さて、キットはインジェクション成型の鬼門とも言える成型上表現出来ないアンダー部分のウロコの彫刻が有るものの、エクスプラスのこうした生物表現も手慣れてきた感があり、多方向から分割した外皮をインナーパーツに貼り合わせ、概ね体表を再現する構成は見事です。体表のウロコが丁寧に再現されているぶん、各パーツの合わせ目には注意が必要です。基本的にはピッタリ合うように調節されていますので、段差が出来ないように丁寧に接着。分割部にはプラスチック用接着剤を塗って指で慣らすことで目立たなくなります。安易にパテを使うとせっかくのウロコの彫刻が台無しになりますので、気を付けましょう。
組み立てが簡単ですので塗装を楽しみます。説明書にある指示やヒントがとても参考になりました。
先に歯や口の中を塗装仕上げておいて組み立て。口内をマスキングしてから体表を塗装しています。全体をグレイグリーン、腹側を明るい色で塗装しましたが、ベータのほうは幼い雰囲気で明るめに調色。「ブルー」の名の通り、不規則な青いストライプ模様が入っています。説明書にはダークブルーとされていますが、私は明るめのコバルトブルーに少しグリーンを混ぜた色で、「ベータ」はさらに明るめに塗装してみました。ストライプ模様は縁どりがあり、脚には細いストライプがあるのでどちらもライトグレイで描き込みます。目は爬虫類みたいな虹彩と瞳孔のみで白目はありません。瞳孔をブラックで描いた後、輪郭を修正する様にホワイトを塗装。そこから周囲に向かってイエロー→オレンジ→ブラウンでグラデーション塗装しています。
1/8スケール ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 ヴェロキラプトル“ブルー&ベータ”
製作・文/山田卓司(ヤマダタクジ)
1/8スケール ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 ヴェロキラプトル“ブルー&ベータ”
●発売元/エクスプラス●7700円、発売中●1/8、約40cm(ブルー)、約19cm(ベータ)●プラキット
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山田卓司(ヤマダタクジ)
AFVからキャラクターまであらゆるジャンルで活躍する、言わずと知れたホビージャパンの情景王。