HOME記事キャラクターモデルボークスHSGK最新作「GTMハイファ・ブリンガー」メタリックカラー+クリアカラーの混色で透明感を残した“暗黒色装甲”のイメージで仕上げる【ファイブスター物語】

ボークスHSGK最新作「GTMハイファ・ブリンガー」メタリックカラー+クリアカラーの混色で透明感を残した“暗黒色装甲”のイメージで仕上げる【ファイブスター物語】

2024.08.10

ハイファ・ブリンガー【ボークス1/72】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

ハイファ・ブリンガーのメイン画像

メタリックカラー+クリアカラーの混色で透明感を残した暗黒色装甲を模索する

 ボークスHIGH-SPEC GARAGE KITシリーズ最新作、ハイファ・ブリンガーを桜井信之が製作。“暗黒色装甲をまとった特殊GTM”という騎体のイメージを、混色したクリアーカラーを何層も重ねて表現。半透明とはまた趣の異なる美しい暗黒色装甲のハイファ・ブリンガーが完成した。プリズムブルーブラックにクリアーを混ぜた塗料を軸に、混色クリアーをオーバーコートした“暗黒色装甲”をじっくりお楽しみいただきたい。

ハイファ・ブリンガーの全身画像(正面)
▲星団3大GTM以上の性能を誇るといわれる、天照の私設軍隊であるミラージュ騎士団のGTMの一騎。高出力の閃1014系列エンジンを搭載し、その有り余るエネルギーは複雑な構造を持つ脚部の放熱器から排出される。最大の特徴は各所に装備された隠密デバイスで、電磁波、音響迷彩は、索敵デバイスに対して大いに有効な手段となっている
ハイファ・ブリンガーの全身画像(背面)
ハイファ・ブリンガーの後頭部アップ画像
ハイファ・ブリンガーの上半身アップ画像

▲ミラージュ騎士団GTMの特徴を色濃く感じさせる頭部。各所の四角い穴はすべてスモーク発生器で、超広範囲に煙幕を張る「エリアウォール」、GTMのツインスイングの電磁レールを非活性化させる緊急離脱用の粒子など、さまざまな用途に活躍する。各所にあるレインボースリットはエナメル塗料で塗り、はみ出した部分は専用溶剤で拭き取るといい。後頭部のショートスタビライザーを覆うカバーは半透明に仕上げている

ハイファ・ブリンガーのガットブロウ
ハイファ・ブリンガーのバルバラ

▲設定画に描かれたガットブロウとバルバラは本体に合わせて塗装。手のひらに真鍮線でつなげる方式とした

ハイファ・ブリンガーのビヨンド・シーカーとグラン・シーカーの画像
▲ コミックス14巻にも登場した偵察用の「ビヨンド・シーカー」(×2基)と隠密活動用の「グラン・シーカー」も付属。作例では丁寧に塗り分け、100円ショップで購入した木製ブロックに真鍮線で固定した
ハイファ・ブリンガーの俯瞰からの全身画像
塗装前のハイファ・ブリンガーの画像
ハイファ・ブリンガーの脚部アップ画像
ハイファ・ブリンガーの塗装画像
ハイファ・ブリンガーの塗装時の全体画像

▲装甲は反射率が下がるように透明サーフェイサーを使用。プリズムブルーブラックとEx-クリアーを6:4で溶いたものをコート、その後、ディープクリアーブルー、純色マゼンタ、Ex-クリアーを5:1:4で混ぜたものをオーバーコートし、パール効果を若干抑え気味にしつつ、半透明感も少し残した外装を表現している

 今年の3月、5年ぶりに『ファイブスター物語』のデザイン集「DESIGNS 7 ASH DECORATION」が発売されました。そこにはこれまで以上に新発表のGTMが多数掲載されており、ボークスからもこれらGTMが続々と立体化されることがアナウンスされています。今回はその『ASH DECORATION』中で発表されたハイファ・ブリンガーを製作しました。長年『F.S.S.』を追いかけ続けている身としては、このハイファ・ブリンガーがどんな騎体で、どんな特徴や目的を持つかはよく理解しているつもりですが、デザインを目撃したのはつい先日のことです。まだ日が浅いため、まるで立体資料のように全体の形状把握を行いながらキットを組み上げていきます。今回、いろいろあって初めて組み図なしで製作をスタートさせました。「果たして何も見ずにGTMを組むことができるのかなぁ?」と思いつつも、立体パズルのように謎解きをしながら仮組みを行ってみると、意外なことに8 割くらい組み上げることができました。組みやすさが一番ではありますが、この数年GTMを作り続けたことにより、それなりに勘が働くようになっていたのでしょう。

 さて問題は塗装です。今回ボークスのオフィシャル完成品を見てみると、以前の作品ほど透明感のあるフィニッシュではありませんでした。カラーレシピを見てみると、やはり本体外装部にはクリアー系の塗料が使用されていませんでした。そこで僕も決心し、今回は透明度よりも色味を優先することにしました。以前より本GTMが発売の暁には試してみたかったことがあり、それは本体色にガイアカラー プリズムブルーブラックを使用してみる、ということでした。ただビンのまま全体をコートしてしまうとパール効果が強すぎるのと、色味のイメージが少々異なっているので、今回は①プリズムブルーブラックとEx-クリアーを6:4で溶いたものをコート。→②その後、ディープクリアーブルー、純色マゼンタ、Ex-クリアーを5:1:4で混ぜたものをオーバーコートし、自分のイメージの色味に近づけると同時に、パール効果を若干抑え気味の外装を作っていきます。

 今回の塗装テーマは不透明を目指して塗ったわけではなく“透明度よりも色味を優先した”ということです。そのためパール塗料などは下地に黒などを吹くのが一般的ですが、今回は透明サーフェイサーの上から吹き、反射率が下がるようにし、同時に若干の透明度も残しています。フレームは今まで作ってきたGTMとの統一感を出すためパール系塗料でメタリック調に塗装し、最後に1/4ツヤになるようにツヤを調整しています。ただし本体色との差を出すために、これまでよりも明るめのフレームに仕上げています。

 全体像はシンプルな印象ですが、塗装工程はもっとも計算しテストを繰り返し、時間をかけて仕上げています。昼と夜で異なる表情を見せる面白いハイファ・ブリンガーが仕上がったと思いますが、いかがだったでしょうか?

ハイファ・ブリンガーの全身画像(正面)

ボークス 1/72スケール レジンキット“HIGH-SPEC GARAGE KIT”

ハイファ・ブリンガー

製作・文/桜井信之

HIGH-SPEC GARAGE KIT 1/72 ハイファ・ブリンガー
●発売元/ポークス●74800円、8月10日~25日、ボークスF.S.S.シリーズ展 in 秋葉原ホビー天国2、ホビー天国オンラインストアにて限定販売●1/72、約36cm●レジンキット●原型/平井興治(造形村F.S.S.プロジェクトチーム)

商品ページはこちら

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桜井信之(サクライノブユキ)

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