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『コードギアス 奪還のロゼ』ナイトメアフレームデザイン担当の阿久津潤一氏にインタビュー! シリーズとの関わりやデザインのポイントを聞く!

2024.08.01

『コードギアス 奪還のロゼ』最新情報 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

『コードギアス 奪還のロゼ』場面カット

 ドラマティックなストーリーとナイトメアフレーム(以下KMF)による迫力の戦闘シーンで知られるコードギアスシリーズ。最新作『コードギアス 奪還のロゼ』(以下『奪還のロゼ』)において新たなKMFのデザインを手がけた阿久津潤一氏に、これまでのシリーズとの関わりやデザインのポイントについてお話をうかがった。

阿久津潤一(あくつ・じゅんいち)

 プレックス、ビークラフトを経て現在はアストレイズに所属。メカデザイナーとしてコードギアスシリーズに参加し、最新作『奪還のロゼ』まで数多くのKMFを手がけている。代表作はガンダムシリーズ、『ダーティペア』、『GEAR戦士電童』、舞-HiMEシリーズ、『宇宙をかける少女』『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』など。また「ガンプラ」「METAL BUILD」、カプセルトイ、食玩などの玩具デザインにも携わっている。

聞き手/川田鉄男


──阿久津さんは第1作『コードギアス 反逆のルルーシュ』からシリーズに参加されていましたね。

阿久津 以前に所属していた会社で番組企画の立ち上げから関わりました。だから今回も引き続きお声をかけていただいたのだと思います。企画の過程で全長が4mクラスのメカに決まったとき、コックピットを背中に飛び出させたレイアウトや上半身後方に重心が集中するので倒れないようにランドスピナーを設定したりと、ギミック面を中心に改めて提案させていただきました。実際にシリーズに登場したKMFのデザインワークスは、自分以外にもいろんな方が参加され、何人ものクリエイターによってKMFの世界観が完成しました。放送から15年以上の月日を経ているにもかかわらず、またこうしてKMFのデザインに関わることができてすごくうれしいですね。

──今回の『奪還のロゼ』では、どのようなオーダーだったのですか?

阿久津  基本的に製作側のスタッフとのやりとりは会社に任せています。なので詳しくはわかりませんが、まず、登場するKMFのリストが最初にありました。そこで、ラフのやりとりをさせていただいた感じです。その時点で点数が大量にあって驚いたのを憶えています。KMFをチェスのコマに見立てるというアイデアも、最初のメモに記載されていました。自分なりに意識したのは、機体数が多いので、各陣営ごとに特色を盛り込むことでした。ミリタリー諷であったり、騎士諷であったりといった感じで。KMFという要素を踏まえた上での味付けにしてます。

──今回、新たに登場したZi-アポロ、Zi-アルテミスのデザインのポイントを教えてください。

阿久津  Zi-アポロとZi-アルテミスが合体するというアイデアは発注時からありました。合体はこれまでのKMFにはない要素だったので、最初は少し悩みました。「この世界における合体メカとはどういうものか」を考え、最終的には合体後の形態がオレンジ(サザーランド・ジーク)のような塊感のあるものという方向性でまとめました。Zi-アポロは、タイトでスリムなプロポーションを目指してデザインしています。とはいってもKMFのデザインワークは私ひとりでどうこうというものではなく、いろんな方の力があって完成しています。Zi-アポロも最終的な決定稿はCGモデルなわけで、そのCGに落とし込む前に、メカニックデザイン担当の重田智さんに咀嚼していただいています。またアカツキ改など前作に登場した機体はCG制作の武右ェ門さんがデザインされています。自分の描いたイメージは第1幕の劇場入場特典のビジュアルシートのイラストにそのエッセンスを盛り込んでますので、実際のCGと見比べてみるのも面白いと思います。

──「METAL ROBOT魂 <SIDE KMF> Zi-アポロ」をご覧になられていかがですか?

阿久津  自分の中には3つのレイヤーがあって、ひとつはメカデザイナーとしての自分。ひとつは玩具開発会社の社員としての自分、そしてオモチャが大好きな自分というのがあります。自分の中ではこの3つ目が一番大きくて、こうして実際に商品化されたものを目にするのはある種のご褒美と受け止めています。最初に描いたものが映像の中の姿になって、映像から飛び出して立体になるのは、とても感動的です。Zi-アポロは意図的にスリムなシルエットにしているので、それこそコンマ何mmで肉厚を追い込んでいるとか、シルエットを変えずに関節の可動域を確保してるとか、あと、スケートの展開ギミックも、ROBOT魂だからこそ再現できた部分だと思います。これをきっかけに他のKMFも展開していただけるとオモチャ好きとしてはうれしいですね。(立体化していない)カムデンと並べてみると楽しいかなぁと考えていたりします(笑)。

METAL ROBOT魂 <SIDE KMF> Zi-アポロ
▲魂ウェブ商店にて予約受付中の「METAL ROBOT魂 <SIDE KMF> Zi-アポロ」(19800円、2025年1月発送予定)。阿久津氏が挙げた造形ポイントをぜひお手に取ってご覧いただきたい

(2024年6月 アストレイズにて)


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